SAP仮想化による基幹システム効率化の成否は「ストレージ運用」で決まる
数多くの企業の基幹業務を長年支え続ける、ERPパッケージの代表選手「SAP ERP」。その高い実績は今さら挙げるまでもないが、一方で近年では、SAPアプリケーションの運用に課題を抱える企業も増えてきているという。特に、レガシーなUNIXプラットフォーム上に構築したSAP環境や、ランドスケープごとに個別に構築したSAP環境のサイロ化によって、ITリソースの利用・運用効率の悪化に苦しむ企業が多い。また、今後増え続けていく業務データを、SAP HANAのような新たなデータ基盤技術を使って活用していく上で、データ保護の見直しが必要となるケースも少なくない。
しかし、先進的なSAPユーザー企業の多くは、既にこのような課題の解決に取り組み、着実に成果を挙げつつある。その際に鍵を握るテクノロジーが、仮想化だ。仮想化を全面的に採用することで、サイロ化した既存SAP環境のシステム基盤を共通化し、その運用効率を飛躍的に向上させることができる。また、仮想化技術を応用したデータ保護技術を導入すれば、極めて柔軟かつ信頼性の高いHA/DRの仕組みを構築できる。
ただし、こうした成果を手に入れるためには、どうしても越えなければならないハードルがある。それが、ストレージの運用にまつわる諸々の課題だ。SAP ERPのように大規模でミッションクリティカルなシステムを仮想環境上で運用する際には、実はストレージがシステム全体の効率性やパフォーマンス、可用性を大きく左右する。
では、一体どのような点に考慮してストレージを導入・運用すればいいのか? ここに1つ、大変興味深いデータがある。IDCが2013年に行った調査によると、業務アプリケーションとともに利用されるストレージ製品のベンダー別ランキングにおいて、米EMCはSAPを含む各種アプリケーションにおいて、軒並み1位を獲得しているのだ(ソース:IDC, Storage User Demand Study, 2013 - Spring Edition, doc. #244209, November 2013)。現在、SAPをはじめとするあらゆる業務アプリケーションの仮想化が急速に進む中、なぜEMC製品は多くの企業で選ばれ続けているのだろうか。
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