Google Cloud と Rtoaster で
プライベート DMP を構築
ブレインパッドとのタッグで進む近鉄不動産の DX ストーリー

近鉄不動産は現在 DX 推進の一環として、顧客に最適な情報をタイムリーに提供するためのプライベート DMP(Data Management Platform)を構築している。構築にあたり同社は、顧客情報を収集・統合・分析する基盤として、Google Cloud 上に構築されたデータ分析・マーケティング オートメーション(MA)製品群であるブレインパッドの「Rtoaster(アールトースター)」と「Probance(プロバンス)」を採用している。背景として、Google Cloud が Build パートナー向けに行っている営業連携プログラム「ISV Solution Connect」にブレインパッドが認定されていることから、両社で共同提案したことが今回のソリューション選定の決め手になっている。ブレインパッドは Google Cloud のパートナーとしての実績をもとに、データ ウェアハウス基盤である「BigQuery」上でのプライベート DMP 構築において技術面を支えるとともに、プロジェクトを社内で進めていくにあたっても、近鉄不動産のメンバーと密に連携して円滑な導入に向けた支援をおこなっている。

リアルとデジタルで顧客接点の強化を図る

 近鉄不動産は、関西圏、東海圏、首都圏を中心に、オフィスビルや商業施設の運営、マンション、戸建住宅の分譲、リフォーム、不動産仲介などの住まいと暮らしに関するサービスを提供している総合デベロッパーである。日本一の高さを誇る超高層複合ビル「あべのハルカス」などの日本を代表する商業施設の建設をはじめ、近鉄沿線を中心に生活や社会インフラの向上を目指したまちづくりを進めるなど、創業から 50 年以上にわたり都市から住まいまで幅広い領域で人の豊かな暮らしを支援してきた。

近鉄不動産 営業企画本部 販売促進部 部長 大政光弘氏
近鉄不動産
営業企画本部 販売促進部 部長
大政光弘氏

 その一方、昨今では社会構造や社会情勢の変化に伴って不動産ビジネスにも変化の波が訪れ、同社も現在「リアルとバーチャルの融合」を掲げ、顧客接点の強化を進めている。近鉄沿線に展開する営業所やマンション・戸建の販売センター、リフォーム店舗の 27 拠点をオンラインで繋ぎ、各拠点からどの拠点にもアクセスできる形としてリアル店舗の利便性を高めるとともに、DX を推進してデジタルの顧客接点を強化しつつ、顧客サービスの形も全体最適に向けた形へと変革を図っている。

 「昔のように不動産の実物を見たり、営業担当者と会って話をしたりする事が徐々に少なくなりつつある中で、お客様が当社の情報にアクセスする際の利便性を高めるため、まずアナログ部分であるリアル店舗の変革に取り組みました。同時にお客様にタイミングよく情報を届けられるように DX も進め、今まで全社的に取り組んでいなかったデジタル上での情報収集と提供の体制を構築することにしました」(近鉄不動産 営業企画本部 販売促進部 部長 大政光弘氏)

Google Cloud とブレインパッドの共同提案で BigQuery と Rtoaster を採用

 そこで近鉄不動産は、デジタル技術によって効率的かつ効果的に情報発信し、顧客との関係を強化していくことを目的として、プライベート DMP の構築を検討。各社の技術・製品を検討した結果、国内随一のデータ分析力を持ち、プライベート DMP 領域で市場トップクラスの製品を提供するブレインパッドをパートナーとして選定した。そのきっかけとなったのは、Google Cloud が推進するパートナー プログラムであった。パートナー プログラムでは技術連携はもちろんだが、販売連携にも力を入れている。

近鉄不動産 営業企画本部 販売促進部 課長 三善昇平氏
近鉄不動産
営業企画本部 販売促進部 課長
三善昇平氏

 「各社の製品、サービスを検討している最中に、Google Cloud の方とお話しする機会があり、その際に同社のデータ ウェアハウスである BigQuery と、ブレインパッドが提供する Rtoaster を薦められたのです。BigQuery は分析基盤として高い性能・信頼性がありますし、ブレインパッドのことも技術力・データ分析力ともに元々高く評価していました。そこでブレインパッドさんにも改めてお話を伺ってみて、Google Cloud、ブレインパッドとの 3 社での座組みで開発を進めることにしました」(近鉄不動産 営業企画本部 販売促進部 課長 三善昇平氏)

 ブレインパッドは 200 名超という国内最大級のデータ サイエンティスト組織を擁し、企業のデータ活用支援サービスをおこなってきた。2015 年から正式なパートナーとして Google Cloud を活用したデータ活用案件を手掛け、分析環境のアセスメントから RFP の作成支援、システム構築、データ活用コンサルティングまでを一貫して提供している。その過程で Google Cloud と技術・営業両面でパートナーシップを結び、国内初となる Sell / Service / Build 領域での最上位パートナー認定を取得。また、その中でマーケティング領域に特化したソリューションとして同社が開発・提供してきたのが、レコメンド エンジンに強みを持つ Rtoaster や MA 製品の Probance であり、それらの自社ソリューションを Google Cloud を組み込んだ形で共同拡販している。

プロジェクトの前に立ちはだかった「事業部最適」の仕組み

 ツールの選定を経て近鉄不動産は、2022 年 3 月に販売促進部、経営企画室を中心として、各部署のメンバーも構成された推進チームを発足。全社的に顧客データを一括管理するための基盤を構築し、顧客に最適な情報をタイムリーに提供できるようにすることを目的としたプライベート DMP 構築プロジェクトがスタートした。

 「プロジェクトでは、主に 3 つの成果を求めています。 1 つは、マンション部門や仲介部門で実践しているレコメンド メールの配信や Web 接客を横展開していくこと。 2 つめは、成約に至らなかった過去の顧客データの再利用を既存事業部内で進めていくこと。 3 つめは、すでに契約している顧客のデータをもとに最適なタイミングで商材を紹介したり、成約に至らなかった顧客に別の商材を提案したりするなどの MA を活用した全社的な営業活動を始めていくための基盤作りです」(三善氏)

近鉄不動産 経営企画室(DX推進グループ)課長 山口覚氏
近鉄不動産
経営企画室(DX推進グループ)課長
山口覚氏

 プロジェクトの推進にあたってハードルとなったのが、不動産業界特有の事業環境であった。総合デベロッパーは、戸建、マンション、リフォームなど複数の不動産関連会社が 1 つの事業体になっているような運営形態であることが多い。近鉄不動産でも長年事業部制度を採用し、その形でビジネスとして最適化されていた。その結果、システムも部門最適化され、データの作り方や構成も異なるという状況が生じていたと、社内の IT システムを担当する近鉄不動産 経営企画室(DX 推進グループ) 課長の山口覚氏は語る。

 「例えば今までは、お客様と接点を持った際にメールアドレスを必ず取得する、しないという規定もありませんでした。今回データを利活用していく上では必ずそれが必要なものになってくるので、業務を変えてでも取り組んでもらうという意識付けを行う必要がありました」(近鉄不動産 経営企画室(DX推進グループ)課長 山口覚氏)

社内を納得させたブレインパッドの説得力

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