著名アナリスト×IT企業キーパーソン対談 最新調査データから読み解く 中堅・中小企業のための “賢い”ストレージの選び方

最適なIT投資の実現は、中堅・中小企業にとっても大きな課題。限られた予算の中で、自社のビジネスに役立つ製品を的確に選ぶことが重要だ。中でもシステム/データの格納先であるストレージ選びは、今後の事業の成長に直結する重要なポイントとなる。

そこで、IT業界に精通したアナリストであるノークリサーチの岩上 由高氏と、日立製作所(以下、日立)の前田 宏幸氏を招き、最新の調査データをもとに、「データのバックアップ」「高い投資対効果の実現」「データアクセスの高速性」という3つのテーマで中堅・中小企業におけるストレージ導入の勘所を語ってもらった。

※以下の各グラフは中堅・中小企業に対して、サーバと接続するストレージ機器において「青帯:既に活用している機能/特徴」「赤帯:今後活用したいと考える機能/特徴」を尋ねた結果を比較したもの。青帯に比べて赤帯が長いものほど、今後の取り組み優先度が高いニーズということになる。

テーマ1 バックアップの大容量化・広域化へどう対応する?


株式会社ノークリサーチ
シニアアナリスト
岩上 由高氏

岩上一般に中堅・中小企業のIT投資については、「如何にコストを抑えるか?」が重視されがちです。ただし、確かにサーバなどについてはそうした傾向も見られるのですが、ストレージに関しては性能や機能をしっかり吟味した上で導入に踏み切るケースが多いようです。そこで、中堅・中小企業に関心の高いストレージの機能について見ていきたいのですが、まず注目したいのがレプリケーション機能です。図1を見ると、業務データのレプリケーションは既にある程度実施済みであり、今後はシステムのレプリケーションに取り組みたいと考えている企業が多いことが分かります。

図1:調査データ1 レプリケーションに関する調査

前田中堅・中小企業に限った話ではありませんが、当社でもシステム障害に備えた同一拠点内の複数ラック間での二重化への対応の他、複数の拠点をまたいだ形でシステムを二重化したいというご相談は非常に多いですね。やはり日本の場合は、地震や風水害などの自然災害が避けられない環境にありますので、お客さまとしても「止まらないインフラ」をきちんと確立しておきたいと考えているようです。

岩上以前であれば、データさえ保存されていれば十分というのが多くの中堅・中小企業の認識でした。しかし東日本大震災以降、肝心のシステムが動かないと業務が廻らないことを多くの企業が経験しました。その結果、震災直後に実施した調査でも「システム全体を保護するためには相応の費用が必要となる」といった意識の変化が確認できました。こういった意識の変化に対してはどのような取り組みをされていますか?


株式会社日立製作所 情報・通信システム社
ITプラットフォーム事業本部 プロダクト統括本部
プロダクトビジネス本部
プロダクトビジネス推進部
GL主任技師
前田 宏幸氏

前田ビジネスを止めないことの重要性は、大企業であっても中堅・中小企業であっても何ら変わりありません。そこで、これまでハイエンドクラス向けのストレージに提供してきた機能を、ミッドレンジ・ローエンドクラスの製品にも拡大する取り組みを推進しています。たとえば先頃販売を開始した「Hitachi Virtual Storage Platformミッドレンジファミリー」(以下、VSPミッドレンジファミリー)は、最廉価モデルのVSP G100で165万6000円(税別)からという手頃な価格帯の製品でありながら、筐体内ボリュームレプリケーション機能や同期/非同期の長距離リモートコピー機能など、高度なデータ保護ソリューションをご活用頂けます。

テーマ2 ストレージの投資対効果を高めるには?

岩上次に、2点目のポイントとして考えたいのが、ストレージに対する投資対効果の問題です。

 最近では中堅・中小企業でもデータ容量の増大が加速度的に進んでおり、当社の調査でも「最も重要度の高いストレージ機器の搭載ディスク容量」という設問に「10TB以上」と回答した中堅・中小企業の割合が、2年前(2013年)の38.7%から63.8%へと大幅に増加しています。

 これほどの大容量データを活用するとなると、当然のことながらパフォーマンスに対する要求も一段と厳しくなってきます。図2-1では、オールフラッシュストレージを導入したいと考えている中堅・中小企業が多いことが分かりますが、これも大容量データを高速処理する必要性が高まっていることを示しています。

前田実際に当社のお客さまでも、業務データの増大によって夜間バッチ処理が時間内に終わらなくなったケースがあると聞きます。処理すべきデータ量があまりにも増えてしまったために、翌朝のオンライン開始に影響が生じかねない状況になっていたのですね。そこで夜間バッチ処理を分析したところ、約7~8割がランダムアクセスであることが判明しました。こうした用途には安定した高性能を提供できるフラッシュが有効です。既に当社のお客さまには日立のフラッシュストレージを導入して問題を解消されているケースもあります。

岩上ただし、そこで着目したいのが導入コストの問題です。潤沢なIT予算を持つ大企業などと異なり、中堅・中小企業が投資できる金額には自ずと限界があります。オールフラッシュストレージが良いことは分かっていても、なかなか導入に踏み切れない企業も多いのが実情です。

前田おっしゃるとおりです。そこで当社がお勧めしているのが、高速なSSDと容量効率に優れたHDDを組み合わせたハイブリッド構成です。VSPミッドレンジファミリーでは、すべてのモデルでストレージ階層の仮想化機能を実装しており、データの最適な自動配置機能が利用できるので、ハイブリッド構成との相乗効果で、導入コストをできるだけ抑えつつ高いパフォーマンスと柔軟な使い勝手を実現できます。ちなみに日立では、オールフラッシュ構成とSSD搭載量約30%のハイブリッド構成との性能比較検証も実施しています。その結果、前述のハイブリッド構成を採用することで導入コストを約60%削減しつつ、オールフラッシュ構成とほぼ変わらない性能を確保できることが分かりました。

岩上あともう一つ考えたいのが、社内に散在するストレージ資産の最適活用です。部門レベルで導入されたファイルサーバなど、企業内にはさまざまなストレージが稼働しています。その結果、あちらでは容量が余っているのに、こちらでは足りないというケースも少なくありません。こうした問題については複数のストレージ筐体を一つにまとめて管理できるストレージ仮想化による解決が有効であり、図2-2でも導入を望む企業が増えていることが示されています。

図2:調査データ2 オールフラッシュやストレージの仮想化に関する調査

前田この点は、日立でも大きな課題と認識していましたので、今回、VSPミッドレンジファミリーでは、ストレージ基本ソフトウェアを統一することで、ストレージデバイスの仮想化機能を利用できるようにしました。元々この機能は業界に先駆け2004年からハイエンドクラス向けに提供して実績を重ねてきた機能であり、他社製品も含めた複数の異種ストレージをシンプルに仮想統合することができます。もちろん最廉価モデルのVSP G100でもこうした仮想化機能が利用でき、ローエンドクラスのストレージでは他に先駆けています。また、ディスクレスでの導入も可能ですので、まずはコントローラ部分だけ導入して社内のストレージ群を統合し、その後、必要に応じて内蔵ディスクやSSDを追加していくといった使い方もできます。

 

提供:株式会社 日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年11月30日