日本HPが描く「Power to the Business」を体感する! イベント会場から、講演&最先端テクノロジーをレポート

さまざまな視点で切り出すITの現状と今後

 午後は、「クラウド」や「ビッグデータ」など、メガトレンドやビジネスITの根幹を担う7つのトラックを用意。それぞれのテーマに対し、視点を変えて解説、講演する全40セッションを実施した。ここでは、注目が集まったセッションを紹介する。

 今回のイベントで最も注目が集まった「HP Moonshot」は業界初のカートリッジ型サーバだ。「IT変革の歴史は、サーバ進化の歴史」から始まったセッションでは、1980年代からサーバの進化の過程を紹介するところから始まった。使用するデータ量は拡大し続け、年々サーバやストレージは大容量化。一方で、効果とコストの最適化が進み、性能に対して予算とスペースの低減が求められている。電力消費を抑え、拡張性も維持する、非常に難しい課題に対して、日本HPが出した答えがカートリッジ型サーバ「HP Moonshot System」だ。同システムは高密度と省電力を可能にしたシンプルなシャーシと、カートリッジ型のサーバで構成され、1Uサイズのラックマウントサーバーと比べ、スペースでは80%、電力は89%、ケーブル類は97%の削減が可能だと言う。高密度ながら、ファンを冗長化し冷却面も強化。

 セッションでは、カートリッジのラインナップも紹介し、具体的な構成方法、利用シーンを紹介。予算や可用性も考慮し、ネットワーク構成はもちろん、導入後の拡張プランも提案していた。既存サーバの置き換えから、将来はビッグデータやより信頼性を求められる高度なサーバへと対応するため、ラインナップを拡充していくと語った。


小さなシャーシに45のカートリッジ型サーバを格納する、HPの新サーバマシン「Moonshot System」。 サーバカートリッジは、一枚の基板上にCPUやメモリ、2.5インチディスクまでが実装される。カートリッジサーバのスペックは、CPUがIntel Atom S1260(2コア/2GHz)、メモリは8GB DDR3 ECC対応。最大19ワットという電力消費の低さも特徴だ。

日本HP 吉岡祐氏
(テクノロジーコンサルティング統括本部ビッグデータ担当部長)

 そして、ビッグデータやソーシャルの台頭により注目が集まる「デジタルマーケティング」のセッションでは、日本HPのテクノロジーコンサルティング統括本部ビッグデータ担当部長吉岡祐氏が、日本HPの考える「ビッグデータ」をキーに、海外の成功事例から、押さえるべきポイントを提案。顧客のライフサイクルを想定し、動線を分析、コンバージョン率の向上方法を解説した。続いて、解析データを実際に運用する方法も紹介、従来の手法と次世代の手法を対照させており、HP社が提供する次世代情報プラットフォームパッケージの効果を容易に実感できる内容だった。


日本HP 岡野家和氏
( エンタープライズ ストレージ・サーバー・ネットワーク統括本部
インダストリスタンダードサーバー事業本部製品マーケティング本部製品企画部)

 同社のサーバー&ネットワーク製品統轄本部インダストリスタンダードサーバー&ネットワーク製品本部に所属する岡野家和氏が登場したセッションでは、HPが拘り続ける「自"働"サーバ」の考えや展望を紹介。「医療機器」は、スタッフが業務を遂行するために利用する道具であり、高い性能や可用性が求められている。しかし、主役は飽くまで医師を含めた"スタッフ"であり、運用に手間や工数を要するようでは無用の長物となってしまう。ITに対しても同じことが言えるのではないか、HPが拘る自"働"サーバの真髄を最初に語った。

 現状、ITインフラの仕事は殆どが既存環境の運用管理であると岡野氏は指摘。ディスク交換やパッチの取得・適用、ハード周りはもちろん、導入や変更に関わる契約内容の確認、ベンダー担当者の連絡先確認など、手作業が多く煩雑だ。この状況は、「仕事を効率化させるために導入したITが、新たな手間を産んでしまっている」とも言い換えられるだろう。これに対し、日本HPはラッキングから運用・管理、各作業を自動化できる機能やソリューションを用意。運用管理では最も課題になる冷却も自動化ができる。大きな特長は、アウトソーシングせずに企業のIT担当者自らが利用できる点にあり、コスト削減も狙える点だろう。本セッションは、ビジネスITの核心を見抜いた上で、理想を現実にできる日本HPの気概を強く感じさせられたセッションだった。


Hewlett-Packard
Ashok Singhal氏

 HP社のAshok Singhal氏が登場したセッションでは、同社のストレージ製品「3PAR」をメインに据えた「HP Converged Storage」戦略について解説。3PARの"A"は同氏からとっており、産みの親の一人である。

 現在企業は、ストレージに俊敏性や効率性を求めている。導入から稼働までが迅速に行えると共に、リソース効率の向上と低コスト化、これらの要求に3PARは応えられるとSinghal氏は力強く語った。同製品は、大容量ストレージと高速なフラッシュストレージを組み合わせているほか、サーバとアプリケーションの管理統合も可能にしている。また、"シンプル"に主眼を置くことで管理運用はもちろん、可用性の確保にも優位性を持っていると解説した。


展示ブースには3PARの筺体が置かれた。

ディスクの格納方法に至るまで、独自のノウハウが活かされている。

 この他、同社の真壁徹氏による企業が抱えるクラウド導入の課題と解決に導くOpenStackへの取り組み、戦略を紹介するセッションや公森義貴氏が登壇した"毒舌教室"はユニークかつ実践的な内容になっていた。時に鋭く切り込み、時にユーモラスに表現した今回のイベントは、ビジネスITの将来や日本HPの展望に希望を抱かせるには充分で、盛況のままに終了した。

提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年8月31日
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