日本IBM 三澤氏が語る、かつてない変化に企業が対応するための“3つ”の鍵

私たちの「仕事」をサポートしてくれる真のAIとは

 毎日のようにメディアでAIという言葉が取り上げられ、もはやバズワードを通り越してしまったイメージがあるかもしれない。だが実は、一口にAIといっても、さまざまなタイプがある。一つは、音声認識のような形で日常生活をサポートしてくれるAIで、スマートフォンなどに搭載されている自然言語処理を用いた秘書機能アプリケーションをはじめとして、既に日常生活と利用されていることも多く、コマーシャルなどでなじみがあることだろう。だがこうしたAIは、私たちの「仕事」までサポートしてくれるわけではない。

 もう一つのAIはちょっと違う。人間と交流するのはもちろんだが、特定の領域で日々専門的な知識を学習し続け、人間の能力を超えた量の情報を処理し、新たなアイデアを提示し、人間の判断をサポートするコグニティブテクノロジーだ。これこそ、「自分の会社、自分の仕事をサポートしてくれるサポーターであり、IBM Watsonはまさにその役割を果たすもの」と三澤氏は述べる。

 ただ、この種のAIは単体で機能するものではなく、様々なアプリケーションやバックエンドに存在するデータベースなども含む複雑なシステムとかみ合ってはじめて価値を発揮する。AIだけにとどまらず、基盤も含めて提供するのもIBMの役割であり、それが「IBMクラウド」だ。

 IBMクラウドでは、AI活用に必要なシステムをすばやく、しかもスモールスタートで用意できる。「”コグニティブテクノロジー”をコアにして、既存データを含めた様々なデータを活用する”データファースト”のシステムを実現できる」(三澤氏)。

 IBMクラウドの大きな特徴は、オープンテクノロジーで構築されていることだ。そのため業界全体にまたがるエコシステムを活用し、ベンダーロックインの罠にはまることなくシステムを構築できる。また、エンタープライズ向けシステムを構築してきたIBMだけに、Webやモバイルアプリ開発向けの環境だけでなく、Java言語を活用出来るフレームワークや企業のIT部門がチームとしてマイクロサービスを構築するための様々なツールを提供できるのも強みだ。結果として、これまで蓄積してきた貴重な資産であるオンプレミスシステムとの接続も容易で、AIの力を最大限に引き出すハイブリッドクラウドを構築できると三澤氏は述べた。

クラウドを活用するには、旧来の仕組みの活用こそ不可欠

 膨大なデータを活用するにはAIが不可欠だが、逆に、AIを有用なものに育てていくのもデータだ。「あなたが今持っているデータ、自社が蓄積してきたデータ」をどれだけ反映できるかがポイントになる。IBMのWatsonとクラウドは、そうした「あなたが既に持っているデータとうまくつながることで、汎用的な活動に使われるAIに終わらない、自社のビジネスに役に立つサポーターになることができる」と三澤氏は説明した。

 そもそも、少数のスタートアップを除けば、多くの企業はクラウドネイティブではない。既に何年、何十年に渡ってビジネスを展開し、それを支えるIT基盤を保有してきた企業が大半だろう。最近では、さまざまな外部システムと連携してスピーディに展開されるSystems of Engagement(SoE)も重要な役割を果たし、クラウド中心の開発も必須になりつつあるが、だからといって全てをSoEでまかない、Systems of Record(SoR)の資産を全て捨て去れる企業などない。

 「SoRは企業にとってミッションクリティカルなもの。それをそのまま、いきなりクラウドに持っていくのは愚の骨頂だ。SoRを生かしながら、変化の激しいフロントエンドのスピードに合わせていくことが重要だ」と三澤氏は述べる。

 それには、SoRを理解した上で、API経由で連携できる仕組みが不可欠だ。SoR、SoE双方にまたがる仕組みを提供できるのも、長年にわたってSoRを扱い、同時にIBM Cloudに代表されるSoEも提供しているIBMの強みだ。メインフレームにはじまり、様々な業務アプリケーションシステムを含めたあらゆるレガシーシステムへのインターフェイスを統合するための技術を提供することで、ハイブリッドクラウドとして、レガシーシステムとクラウドを簡単に連携できる。

 「100%クラウドの会社を選ぶのか、それともSoRの世界も知っている会社とお付き合いするのか。最終的に決めるのはユーザー企業であるが、本当の意味でのクラウド活用を考えるならば、旧来の仕組みをどうするかを考えなければ始まらない。『何でもかんでもクラウド』というのはナンセンスだ。IBMはクラウドネイティブのシステムだけを提供するのではなく、一般企業にも使いやすいものを提供できる」(三澤氏)

技術だけでなく、文化やプロセスの変化も不可欠に

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