クラウドBPMツールが革新した、20年来のグローバル品質マネジメント 自動車部品サプライヤー「アルパイン」事例

業務のスクラップ&ビルドを進めて収益を確実化していく絶好のツール

 今後、アルパインでは、今回の取り組みの定着と拡大を図っていくという。

 「品質マネジメントシステムでドキュメントを整備しても、実際の業務がそれとずれているのでは意味がありません」と吉岡氏は語った。お客様による監査だけでなく、1年に1回くらいのペースでグローバルで内部監査を進めるとともに、現場とプロセスに差異があれば、プロセスや業務を見直していくことになる。また、今回の品質マネジメントシステムの刷新では、各プロセスオーナーがモデリングを行ったが、できるかぎり事務局に集約していく考えだ。さらに、ワークフローと連携することで、決められたプロセスで確実に業務が進むようにしたり、業務の進捗度やリードタイムなどをリアルタイムでモニターしていくといった取り組みも考えられるだろう。

 「今回の取り組みは、まだ一部のOEMのお客様向けだけに適用していますが、今後は、これを当社のグローバルな仕組みとして完成させたいと考えています」と神長氏は意気込む。

 「アルパインは、2020年のあるべき姿に向けて『VISION2020』という中期事業計画を進めており、その中のひとつとして、業務のスクラップ&ビルドを進めて一層収益を確実化していこうとしています。『IBM Blueworks Live』は、そのための絶好のツールだと思います。

 本来、プロセスのアウトプットは、次のプロセスのインプットでなければいけません。ところが、実際にこれを導入したことで、必ずしも自分のプロセスのアウトプットが、次のプロセスのインプットになりえていない、という気付きもありました。したがって、こういったツールをうまく使って、全社的なスクラップ&ビルドの大きなけん引役を果たしていきたいと思います」(神長氏)

情報システム部門の今後の役割は、変革の創出にシフトする

 神長氏は、情報システムの役割について、ユーザー部門の立場から語ってくれた。

 「冒頭にも説明したように、私たち部品サプライヤーは、お客様である自動車メーカーと今まで以上に密接な関係をもってビジネスを進めています。情報システムに関しても、問題が起きてから、こうしたツールを後追いで導入するのではなく、良いものがあれば積極的に活用していきたいと思います。そのためには、情報システム部門やITベンダーにもアンテナを高く張って、私たちの懐に入って提案してきてくれることを期待しています」(神長氏)。

 これに対して、アルパイン情報システム株式会社の取締役で、システム統括部 部長である阿部 巧氏が、情報システム部門の今後の役割について、あらためて語ってくれた。

アルパイン情報システム株式会社 取締役 システム統括部 部長 阿部 巧氏
アルパイン情報システム株式会社
取締役
システム統括部 部長
阿部 巧氏

 「情報システム部門の役割は、従来のITによる業務効率化から、デジタル化による変革の創出へとシフトしていく必要があると考えています。これからも計画的に効率化を進めていきますが、その上で、我々のリソースは変革を創出するという方向にシフトして行きたいと思っています」(阿部氏)

 ビジネスプロセスマネジメントは、欧米の企業ではすっかり定着しているようだが、日本では、大きな注目を集めていないように見える。また、大きな業務課題として取り上げられることも少ない。

 しかし、クラウドによるビジネスプロセスマネジメントの推進であれば、短期間で実現でき、スモールスタートから段階的に導入して、継続的な効果が期待できる可能性が高い。デジタル化による変革の創出を考えるとき、絶好のテーマではないだろうか。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年12月31日
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