1日に生み出されるデータ量は250TBに達するとも言われます。データを新たな経営資源しようという企業が増えるなか、ITインフラの構築に課題を感じるケースも増えてきました。そんななか、日本IBMは5月28日、グランドハイアット東京で「Infrastructure Matters 2014」を開催します。ビッグデータやクラウドをめぐる今日の状況に対して「IBM Power Systems」がどういった価値を持つのかを提案します。では、イベントの見どころを紹介していきましょう。
ビッグデータとクラウドの課題にオープン・テクノロジーで対応
5月28日に開催される「Infrastructure Matters 2014」では、これまでになかった"新しいPower Systems"の姿が披露されます。その中心となるのは、最新CPUのPOWER8や最新のサーバ製品、そして、IBMが現在、力を入れているオープン・テクノロジーを採用した製品群です。
POWER8やPower Systemsについてはご存知の方も多いと思いますが、簡単におさらいしておきましょう。IBMは今年4月、POWERプロセッサの最新版「POWER8」を発表しました。このPOWER8では、並列処理性能やメモリ搭載量がこれまでの数倍となり、より高速にデータの分析を行えるようになりました。もともと高い処理性能に定評のあったPOWERですが、ここにきて、ビッグデータやクラウドへの対応をはっきりと打ち出してきたのです。
また、サーバ製品については、同じ4月に「IBM Power Systems Sクラス」を発表しました。特徴の1つに「ビッグデータを超高速に処理できること」を挙げています。IBMのデータベース製品やミドルウェア製品を組み合わせることで、最新のx86サーバと比較して50倍以上も高速な分析処理が可能になりました。実際、テストを行った複数の企業で、分析の速度が1000倍以上になり、これまで数時間かかっていた実行時間を数秒に短縮できたということです。
いったいどんな考えでこうした製品を開発したのでしょうか。また、これまでと違って何ができるようになるのでしょうか。
少し予習しておきましょう。日本IBMは、新製品についてこう説明しています。
「POWER8は、ビッグデータ/クラウド時代のITインフラに向けたテクノロジーです。そして、Power Systemsは、ビッグデータ活用を徹底的に追求して、設計、開発されたプラットフォームです」
実際、Power Systems Sクラスは、2400億円の費用と3年以上の期間をかけて開発されたそうです。ビッグデータやクラウドといった今日の課題に対して、IBMなりの回答を与える製品ということです。もう1つのテーマであるオープンについては、オープンテクノロジーと、エコシステムがカギになるそうです。この辺りは、続くセッションで詳しく紹介されていきます。
ベイログ氏は、IBMで30年以上のキャリアを持ち、メインフレームのSystem zシリーズを中心に、System p、System x、BladeCenterなど多くの製品を手がけてきました。お客様の業務改革や戦略実行への支援経験も豊富で、IBM社内の戦略決定と実行を担うチームのメンバーでもあります。
また、加藤氏は、System zとLinuxを採用した同行の統合基盤構築などに携わってきました。金融機関という"止めることのできない"システムに対する適用例などを含め、新しいPowerSystemsに関する事例を紹介する予定です。