識者によるパネルディスカッション、最新技術の展示に要注目
続くセッションでは、いよいよ技術の詳細が明かされていきます。その前に、キーワードの1つである、オープン・テクノロジーについて、おさらいしておきましょう。
オープン・テクノロジーとは、インターネットの標準技術を中心にして、他社との連携性を高め、テクノロジーを共同で発展させていこうという考え方のことです。日本IBMによると「POWERアーキテクチャに基づくプラットフォームのイノベーションが加速しています。共同でのビジネス推進にご賛同いただく企業も日々増えており、エコシステムが拡大しているところです」と説明します。
たとえば、IBMは昨年8月、IBM、Google、NVIDIA、Mellanox、Tyanという企業5社同士で集まって、コンソーシアム「OpenPOWER Foundation」を設立しました。このコンソーシアムでは、POWERアーキテクチャをオープンにし、コミュニティベースでの開発やフィードバック、競合への技術仕様のライセンス提供を進めているそうです。このOpenPOWER Foundationへの参加企業は現在25社にまで増えました。日本からも、日立製作所が参加するなど、さらに広がりを見せています。ちなみに、オープンテクノロジーの代表ともいうべきLinuxへの投資は、1000億円規模に達しているそうです。
IBMでは、OpenPOWER Foundation設立のほかにも、OpenStackやCloud Foundryなどのクラウド基盤開発への貢献も行っています。特に、Linuxをイノベーションの源泉と位置づけ、POWER8で、Red HatやSUSE Linuxに加え、Ubuntu Serverのサポートと、仮想化基盤「PowerKVM」に対応しました。宇田氏からは、こうしたオープン・テクノロジーに関する一連の取り組みとオープン・テクノロジーを採用した新製品群の特徴、活用法を示されます。
宇田氏の講演のあとは、オープン・テクノロジー分野の有識者が登壇する、パネルディスカッションが開催されます。
パネルディスカッションでは、ITにおける「オープン」とは何かをあらためて考えながら、オープン・テクノロジーの活用がもたらすビジネスへの貢献と、今後のオープン・プラットフォーム動向についてディスカッションしていくとのことです。
いかがでしょうか。ビッグデータ、クラウド、オープンを軸とした"新しいPower Systems"は今まさにかたちづくられようとしています。そして、その全貌を紹介するイベントが「Infrastructure Matters 2014」なのです。
「いま企業に求められているのは、運用管理の負担を軽減し、新たな事業価値を生む次世代のIT基盤を構築することです。IBMは従来型システムの限界を超える画期的なプラットフォームでお客様のビジネス変革を支援する準備を進めてきました。その中核となるPower Systemsの未来像を示したいと思います」(日本IBM)