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日本IBMのIoTエキスパートが解説する 「IoT活用最前線とそれを支える技術要素」

IoT/M2Mには専用プロトコルを

 IoTやM2Mでは、数十万単位のデバイスから膨大なデータが収集され、デバイスどうしでデータがやり取りされる。そこで課題となるのがプロトコルだ。鈴木氏は、「ネットワーク帯域に負荷をかけず、かつデータロスさせずに通信するためには、一般的な通信プロトコルであるHTTPでは重すぎて無駄が多い」と、その問題点を指摘する。IBMは、IoTやM2Mにはできるだけ軽く最適化された専用プロトコルを使用すべきとの思想に立脚し、M2MやIoTに特化したプロトコルを提案している。それが「MQ Telemetry Transport(MQTT)」だ。

 MQTTは、モバイルとM2Mメッセージングのための新しいプロトコルである。オープンソースで提供されており、最小のヘッダーサイズは2バイトと軽量だ。そのため、HTTPと比較し、トラフィックが10分の1に抑制できるほか、センサ/モバイルの電池消費量も低減できる利点がある。

 中でもMQTTの最大のアドバンテージは、非同期かつ双方向通信であることだ。リクエスト/レスポンス型であるHTTPは、相手につながるまでエラーとなりアプリケーションで通信を繰り返す必要がある。一方、MQTTはリアルタイムプッシュ通信であるため、つながった時に最新の情報を配信する仕組みとなっている。中継地となるMQTTサーバは、受信側が送信されたデータを受け取れる状態になったときにデータを配信する。この「パブリッシュ/サブスクライブ型」のメッセージングモデルは、大量同報通知(1対Nのメッセージ配布)が可能となっている。鈴木氏は、「HTTPは『電話』で、MQTTは『メールやチャット』と例えることができます。相手が出るまでコールを繰り返すのがHTTP。それに対してMQTTは、配信元が複数に一斉配信でき、受け取る側が"自分のペース"で最新のデータを受信できます」と説明する。

 実際、先述のコネクテッド・ビークルも、IBMのメッセージングゲートウェイアプライアンスである「IBM MessageSight」を導入し、MQTTで通信を行っているという。MQTT は軽量常時接続プロトコルのため、ソフトウェアサーバーで実装すると可用性の確保など運用上解決すべき課題が多い。その点、MessageSightはMQTTに特化したアプライアンスであり、1台で同時に100万台のデバイスと接続可能で、1,000万件/秒以上のメッセージング処理や100万台を60秒以内に接続できるなどの機能を提供する。より小規模の環境のためにはVM上で稼働するMessageSight Virtual Editionも提供されており、スモールスタートや柔軟なシステム構成を可能にする。鈴木氏は、「先日、PSA Peugeot CitroenのConnected Vehicle担当者と話をしたのですが、今後さらに数十万台の接続が増えたとしても通信に支障を来すことはないと余裕でした」と語る。

水平分業のカギはAPI

 もう1つ、IoTの技術要素で重要なものがある。それは、API(Application Programming Interface)管理だ。鈴木氏は、「IoTでは従来では得られなかったデータを入手できます。実際、自社のみで活用し切れないほど、あらゆるデータを持てるようになる。そうであれば、そのデータに価値を見いだす他社と連携し、新たなビジネス価値を創出すればよいのです。今後は、企業や業界の壁を越えた水平分業が加速するでしょう。その時にカギを握るのがAPIなのです」と力説する。

 APIは「公開API」と「パートナー向けAPI」、そして「社内(プライベート)API」に大別される。水平分業する際には、限定されたビジネスパートナー向けに提供されるAPIで、ビジネスチャネルの拡大や、新規協業を立ち上げることになる。IBMでは統合されたAPIの開発・稼働環境を提供する「IBM API(Application Programming Interface)Management」を提供している。すでにPSA Peugeot Citroenでは、IBM API Managementを導入し、開発者限定のポータルで自動車のデータを発信するAPIを提供したり、社内・社外デベロッパーがAPIを使用して自動車のデータを活用し、新たなアプリケーションを開発したりしているという。現在では、こうしたデータを使い、保険会社が運転技術に応じた新しい保険商品を開発したり、自動車メーカーが販売拡大に役立てたりしているとのことだ。

 鈴木氏は、「APIは無償公開されるものと考える人もいますが、十分ビジネスになります。今後はAPIをマネタイズするビジネスモデルが確立するでしょう」と語る。ちなみに、PSA Peugeot Citroenは、自社のAPIに課金する形でIoT APIを販売している。

 IBMの強みは、顧客の業務を理解し、あらゆる要望に対しても的確なコンサルテーションができることだ。また、新規事業立ち上げ支援も、その規模を問わず、多くの実績を誇る。

 鈴木氏は、「お客様の現在の業務を、IoTでさらに価値が創出できるように支援したい。われわれは、プロトコルやAPI管理だけでなく、IoTソリューション開発基盤など、必要なインフラはすべて揃えています。"受け身"で考えていれば、IoTは成功しません」と指摘している。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2015年8月14日
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