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持たないプライベートクラウド

クラウドがエンタープライズの基幹システムにも浸透し始めている。 なかでも注目を集めているのが、社内設置型のプライベートクラウドであるが、クラウド本来の利点が生かされていないケースも散見される。 そこでIIJ GIOでは、”持たないプライベートクラウド”を標榜した、新たなクラウドサービスの提供を開始した。

国内クラウド市場〝実質的な競合はSI〟

——IIJ GIOがスタートして三年目に入りましたが、これまでの導入実績・傾向などを振り返ってください。

時田 顧客ポートフォリオに関しては想定通りです。ここまでは、インターネットを介してサービス提供するネット系企業が需要を引っ張っています。一方、エンタープライズの業務システムに本格的に採用されるまでには、二、三年かかるだろうと見ていましたが、それも予想通りです。つまり、前半はネット系企業が先行し、後半になってエンタープライズが押し上げる、という構図です。

 IIJ GIOは、即時利用が可能なレディメイド型の「IIJ GIOホスティングパッケージサービス」と、システムを自由に構成できるオーダーメイド型の「IIJ GIOコンポーネントサービス」という二本の柱で展開してきました。

 まずIIJ GIOホスティングパッケージサービスですが、利用者の内訳を見ますと、予想以上にゲーム系企業が高い割合を占めています。直近でも、SAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダ)の利用が急激に伸びています。ちなみにこの分野では、旧レンタルサーバ系の事業者が小口やローエンドの顧客を多く取り込んでいるのに対し、IIJ GIOをご利用いただいている企業は、大口もしくはハイエンドが多く、高いシステムパフォーマンスや豊富なリソースが求められています。

 次にIIJ GIOコンポーネントサービスに関しては、サービスをご利用いただいているのは主にエンタープライズです。ここに来て「一度クラウドを使ってみようか」という〝お試し利用〟の段階はすでに終わっており、一過性の〝クラウドブーム〟も下火になってきました。それにともなって、自社のニーズに即した特定業務システムをクラウドに載せるという傾向に変わりつつあり、多くは「実案件化」しています。クラウドが普及する過程においてこの変化は好ましいものですが、実案件は要件の確定に時間がかかるので、今年はクロージングの面で多少苦労するかもしれません。

 少し意外だったのは、IIJ GIOコンポーネントサービスの領域で、競合企業と言えるような国内のクラウドベンダが少なく、多くの案件でオンプレミスのSI(または費用だけが月額になっているタイプ)とのコンペになっている点です。本音を言いますと、もっとクラウドベンダとのコンペになって欲しかったし、今の状況には危機感を抱いています。なぜなら、クラウドベンダ同士が競争して、サービスを向上させていかないと、国内のクラウドマーケットが立ち上がってこないからです。

 結果的に個別構築との競合になっている理由は、クラウドベンダが提案するサービスの仕上がりが今一歩で、クラウドに関心のあるエンタープライズのニーズを拾い切れていないためだと思います。

 外資系のクラウドベンダは、特定領域での展開になっていますが、オンプレミスのSIに置き換わるところまでは達していないというのが現状だと思います。日本におけるクラウドサービスの営業やサポート体制が整っていないなど、理由は様々なようですが……。

——個別構築がいまだに強い理由はどこにあるのでしょうか?

時田 SIは、一つのシステムに限定して機能やコストを最適化できます。一方、クラウドは、多種多様なお客さまのシステムを収容するので、ある企業には必要だけど、別の企業には必要でない機能も含まれます。

 例えば、業務システムのなかには、一度構築してしまえば五年間は変更のないものもあります。このようなシステム単体で検討すると、クラウドはオーバースペックになる場合があります。逆に、クラウドはその性質上、変化や更新が多ければ多いほどメリットが出ますし、複数のシステムの共通基盤として規模が大きくなれば〝規模の経済〟が働き、コストや運用負荷の低減など、様々な効果が発揮されます。SIとの競争では一つのシステムで比較されますので、クラウドのメリットを訴求できていないケースもあるのではないでしょうか。ただ、過去二年間のIIJ GIOの実績を見ると、そういう相手と競争して〝五分五分〟といったところです。

提供:株式会社インターネットイニシアティブ
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年1月16日
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