“世界の工場”は終わった、これからは人口13億の巨大市場 中国ビジネスの成長を望むなら4つの“現地化”をすべし - (page 2)

ZDNet Japan Ad Special 2016年03月24日 11時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

[PR]高成長を続けてきた中国経済がここに来て減速の様相を見せている。しかし、日本経済から見れば、間違いなく中国は成長国だ。中国でビジネスを進めるためには何が必要か。

4つの現地化が重要

──政治的、経済的に不透明な中で日本企業は中国市場での厳しい戦いを強いられます。冒頭で仰られた「サービス業への傾斜投資及び製造業の内販シフト」を具体的にどう進めるのか教えてください。

 4つのポイントがあります。


 1つは"製品開発の現地化"です。日本企業の対中投資の傾向として、製品を日本で開発し、中国現地で生産するという体制が見られます。この体制は、中国での市場展開には不利に働きます。市場のニーズがすぐに変わるので、日本で新製品を開発して中国に持っていくのでは時間的に間に合わない。現地のニーズをキャッチできないのです。

 日本製の携帯端末は中国で全滅しました。その1つの要因は、現地ニーズを日本に戻って改善し、中国に戻していたことにあると考えています。逆に、欧米企業は、中国現地での開発を重視するようになり、国内シェアの一角に食い込むようになりました。

 2つめは、開発の現地化と関連しますが、"研究の現地化"です。中国での研究に慎重になるのは理解できます。中国で研究することで知的財産権を奪われる心配は確かにあります。しかし、そのリスクを考慮するあまり、研究施設を日本にだけ置いておくと、先端技術の市場投入が遅れてしまいます。

 実際、シャープによる液晶展開の失敗の要因の1つは、研究の現地化が遅れ、第4世代から第5世代への移行が遅れたことです。ためらっているうちに新世代の液晶に市場を奪われてしまったのです。

──中国現地で研究開発する体制を早急に整えないと、中国では太刀打ちできないということですね。ほかにはどうですか。

 3つめは"人材の現地化"です。研究開発と同様に、日本企業は中国現地法人の経営や重要部門の担当者を日本人で担う体制を取ることが多い。たとえば、社長、経理担当、技術担当は日本人で、中国人担当者には決済権などの権限がないことが多い。

 ただ、中国人の市場をよく知るのは中国人です。欧米企業は、現地法人のトップに中国人を置き、市場ニーズを素早く捉えて意思決定できる体制にシフトしています。

 4つめは"製品の現地化"です。生産拠点は多いのですが、部品の調達や製造で中国企業を活用することはまだ十分とは言えません。日本から調達しているケースもあります。為替や調達にかかる時間を考慮して、現地調達、現地生産の比率を高めていくことも必要でしょう。特に、サービス業では、現地企業の活用は欠かせません。

──研究開発から人材の登用、部品調達に至るまでを現地化するくらいでないと成功は難しい、と。

 対中戦略として、製造業の輸出戦略から、内販(中国国内販売)戦略への転換が必要です。製造業への集中投資からサービス業への傾斜投資に変え、その際には、できるだけ現地化を進めていくことが望まれます。

 もちろん、チャイナリスクへの対応は不可欠です。リスク対策、危機管理を怠ってはいけません。"チャイナ+1"などの戦略のもと、ベトナムやインドへの移転や連携ができるよう、この5年で迎える正念場に備えるべきです。

高品質というブランド

──製造業にかわるサービス業というと具体的にはどんな分野になりますか。

 電子部品などの伝統的な産業というよりは、ロボットやインターネット通販、IoT(モノのインターネット)といった付加価値の高い新興分野に積極的に投資していくべきです。こうした新興分野では、多くのビジネスチャンスがあります。

 小売や消費財メーカーといった企業にも多くのチャンスがあります。中国人がなぜ日本にきて爆買いするのか。その大きな要因は価格差というよりも品質への信頼です。

 粉ミルクに有毒物質が含まれていて、死亡者を出した事件がありました。中国産製品に対する不信感はかなり高い。偽物も多い。紙おむつや化粧品、日用品の分野は中国国内でもやれることがたくさんあると思います。

 資生堂やユニクロは現地化の好例です。中国人の多くは、同じMade in Chinaでも、中国企業が作るものより、日本企業が作るものの方が品質が高く、信頼が持てると考えている。日本企業にとっては、そういったこともチャンスにつながるはずです。

──ありがとうございました。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]