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Microsoft AzureとVMwareを組み合わせる
今どきプライベートクラウドの作り方

プライベートクラウドとは、企業内データセンターで仮想化技術を用いてITシステム基盤が共通化されている環境であり、2000年代後半から多くの企業が導入、運用を続けてきた。しかし2020年代の現在、プライベートクラウド環境はオンプレミスである企業内データセンターだけで利用するものではなくなっている。今回はその一例として、ヴイエムウェア主催イベント「VMworld 2021 Japan」にて日本マイクロソフトが行った講演から、Microsoft AzureとVMwareソリューションを活用する「Azure VMware Solution」を中心に、最新の動向を紹介したい。

 日本マイクロソフトは、2020年12月からVMwareのプライベートクラウド環境である「Azure VMware Solution」を提供してきた。他のインフラストラクチャーから物理的に分離させた「Azure Dedicated Host」をVMware用に構築し、VMwareから認定・認証を受けたVMware vSphereなどを利用できるものだ。

 日本マイクロソフト パートナー事業本部 パートナー技術統括本部 第一アーキテクト本部 クラウドソリューションアーキテクトの瀬戸口功氏は、「Microsoft Azureが提供するマイクロソフトのファーストパーティーサービスであり、オンプレミスで展開するVMware環境と高い互換性がある。100以上のMicrosoft Azureの各種サービスと統合した形で利用可能」と説明する。

 オンプレミスのVMware vSphere環境とAzure VMware SolutionをVPNやAzure ExpressRouteのネットワークで接続し、Microsoft Azureの各サービスとはAzure バックボーンネットワーク経由でアクセスするため、より高速で効果的なMicrosoft Azureとの連携が期待できる。ここでは日本マイクロソフトがAzure VMware Solutionのインフラとソフトウェアの保守を担い、固有のインシデントにも対応する。VMwareのサポートが必要な場合でも、日本マイクロソフトとヴイエムウェアが連携し、両社の技術者が問題解決に取り組むため、企業は仮想マシンを活用した開発や検証に集中できる。

Azure VMware Solutionの構成イメージ
Azure VMware Solutionの構成イメージ

 Azure VMware Solutionを選択すべき理由の1つが、Microsoft製品との親和性である。マイクロソフトは、OSやアプリケーションのサポートについて、5年間のメインストリーム期間と約5年の延長期間を設けているが、全てのサポート期間が終了した製品に対しては、3年間のセキュリティ更新プログラムを提供する「Extended Security Updates(ESU:拡張セキュリティ更新プログラム)」を有償にて提供している。

 だが、Azure VMware Solutionを含むMicrosoft Azure環境でOSやアプリケーションを使用する場合は、無償利用可能だ。さらに2021年7月にはESUが拡充され、Microsoft Azure利用に限定されるが、Windows Server 2008/2008 R2およびSQL Server 2008/2008 R2に対するESU期間が1年間延長された。同様にサポート期間が2022年7月までだったSQL Server 2008/2008 R2は2023年7月12日に、2023年1月までだったWindows Server 2008/2008 R2は2024年1月10日に、SQL Server 2012/2012 R2は2025年7月12日、Windows Server 2012/2012 R2は2027年1月10日まで、それぞれESUが無償提供されることになった。

 本来ならサポート期限より前の早い時期から次世代製品の検証を開始し、サポート終了時に速やかに移行すべきだが、ビジネス状況によって継続利用せざるを得ないこともある。ESU利用を目的に、オンプレミスのVMware vSphereからAzure VMware Solutionに移行する利点は大きい。

 もう1つの利点が「Azureハイブリッド特典」になる。マイクロソフトは以前から、契約期間中、常に最新バージョンを使用できるソフトウェアアシュアランス(SA)を提供している。Azureハイブリッド特典は、SAもしくはサブスクリプション契約しているオンプレミスのWindows ServerやSQL Serverのライセンスを、Microsoft Azureで利用できるサービスだ。コストメリットだけでなく、Windows Server Datacenterにおける無制限の仮想マシン運用や、移行時の二重使用権といった柔軟な運用も実現できる。

 この他にもWindows 10やMicrosoft 365 Apps for enterpriseを稼働させたVDI(仮想デスクトップ基盤)環境や、1年または3年の間の利用を予約することでコストを抑制できる予約インスタンスなど、継続的に発生するIT費用を軽減させたい企業の関心を引くサービスを提供している。

 Azure VMware Solutionに興味を持つ企業は、当然ながらオンプレミスでVMware vSphere環境を運用しているだろう。課題となるオンプレミスとクラウドの連携、またはクラウドへの移行だが、それにはAzure PortalからVMware HCX Advancedをインストールし、オンプレミスのVMware HCXコネクターとAzure VMware Solution HCX Cloud Managerをペアリングすることで、簡単に連携と移行が可能である。大量の仮想マシンを同時移行させるバルクマイグレーションも選択できる。VMware vSphere ClientやPower CLI、NSX ManagerなどVMware固有の管理ツールも利用できるので、管理者は従来と同じ慣れた運用手法を採用すればいい。

VMware HCXを用いたオンプレミスとクラウドの相互運用、移行方法
VMware HCXを用いたオンプレミスとクラウドの相互運用、移行方法

 Microsoft Azureの各種サービスを用いて統合運用も実現する。運用管理は、Azure MonitorやAzure Log Analytics、Azure App Insightsを使えば、アプリケーションや仮想マシン、ネットワークを監視できる。データ保護は、Azure BackupでVMwareの仮想マシンをバックアップすればよい。セキュリティ面は、Azure Security CenterやAzure Sentinelで保護強化や脅威検知が可能だ。アプリケーション基盤にAzure Application Gatewayを用いれば、展開した仮想マシンのウェブサーバーを公開できる。IaaSで構成したデータベースは、PaaSのSQL Databaseに移行可能である。また、Azure Arcによるハイブリッド管理機能も用意されていく。

 Azure VMware Solutionには、クラウド活用への足掛かり、オンプレミスとのセキュアなハイブリッド環境、災害対策環境、IaaSへの移行が難しい利用シナリオなど多様なシーンがあるという。その上で瀬戸口氏は、「Azure東日本リージョンを含めグローバル提供し、マイクロソフトのグローバルバックボーンで低遅延な環境を実現できる。互換性もオンプレミスのVMware vSphereと同一で柔軟な移行や、それまで身に付けてきたスキルも活用できる。Microsoft Azureが提供する各種サービスとの統合や、各種特典による運用コストの削減も可能」と述べる。

 同社は、Azure VMware Solutionの公式ドキュメントや、VMwareと共同開発した「Azure VMware Solution Hands-on Lab」を無償提供している。

Azure VMware SolutionとMicrosoft Azureサービスの統合例
Azure VMware SolutionとMicrosoft Azureサービスの統合例

 さらに2021年11月には、すでにサービスを提供していた東日本リージョンに加えて、西日本リージョンでもAzure VMware Solutionの提供を開始している。これにより、日本国内に2つのAzure VMware Solutionサイトを設置することが可能になった。西日本リージョンを活用することで利用シナリオも広がっていくだろう。VMware Japan Blogでは代表的なユースケースも紹介されている。

提供:日本マイクロソフト株式会社
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