SIerに求められるビジネスモデルの転換--オリジナルの「選ばれる」クラウドメニューを作るには?

ユーザーにとってパブリッククラウドを選択肢とすることが当たり前になりつつある。SIerがパブリッククラウドのサービスプロバイダーに進出する動きも見られるが、他社との優位性を提示することは、なかなか難しい。SIer自身がクラウドシフトし、顧客に“選ばれる”プロバイダーになるためには、どのような施策が考えられるのか。

クラウド必須のビジネス潮流

 「働き方改革」への対応や、新たな感染症に対応するBCP対策としてテレワーク環境の整備が加速している。IT部門では「2025年の崖」に直面し、限られた人材でトータルコストを抑えつつシステムを維持しなければならない。経営視点では、デジタル化とグローバル化への対応力が問われており、ビジネスのスピードに追随できるITが競争力そのものと言っても過言ではない状況だ。これらに共通するキーワードが「クラウドサービス」である。

 ITトレンドの潮流が大きく変わる今、提供者側も手をこまねいていたのでは先細りになることは見えている。従来型の「モノ売り+インテグレーション」を軸としたビジネスを、サブスクリプションモデルで提供するクラウドサービスへ転換したいと考えているSIerが少なくないことは、改めて言うまでもないだろう。

クラウドシフトできないSIerの危機

 SIerにとって、サブスクリプションモデルとしてのクラウドサービスは、長期的に安定した収益が見込めるビジネスモデルであることから、経営層からの期待も高まっている。だが、クラウドへの挑戦は「言うは易く行うは難し」だ。

 特にパブリッククラウドMSP(Managed Service Provider)事業者、自社データセンターのIaaS・PaaS化によってクラウドサービスのプロバイダーを目指すSIerにとって、すでに市場はプレイヤーがあふれており環境は厳しい。価格競争に陥らずに勝負できる付加価値を打ち出せなければ、「数あるSIerの中の1つ」の存在になりかねない。実際に、選ぶ側であるIT部門やSaaS事業者といった顧客からは「どのサービスも大差ない」との認識があり、事業者選定に悩んでしまっている側面もある。

 悩みはそれだけではない。クラウドサービスは簡便かつ安価に利用を始められる反面、自分たちでウォッチしコントロールできる領域が限られている。

 顧客は、運用も含めた投資対効果について「本当に正しいクラウドの姿になっているのか」と常に疑いながらクラウドを利用しており、特に利用範囲が拡大し、複数アカウントやマルチクラウドとなった場合、構成や契約形態が複雑化することで、適切な利用状態になっているか見えにくくなる。そのニーズに対応できないSIerは契約拡大のチャンスを失うことになるだろう。

正確に捉えにくいマルチクラウド環境の利用状況を一元管理

 こうした顧客の「見たい」「安く」「安全に」というニーズに応えて、自社を差別化し、自社サービスをクラウドシフトできるツールがある。「CloudHealth® by VMware」(以下、CloudHealth)が、それだ。CloudHealth には、マルチクラウド環境を全体最適化する3つの特徴がある。

1. マルチクラウド環境の見える化

CloudHealthはマルチクラウド環境の利用状況を統合的かつ直感的に把握できるダッシュボートを提供する。クラウドを跨いで構成されているシステムも、CloudHealth上で独自にグルーピングを行い、一つのシステムとしてコスト情報等を可視化することもできる。表示される各種情報はAPIによる外部ツール連携も可能で、例えばSIerが自社サービスで提供する「クラウドポータル」といった顧客向けの管理画面に組み込み、サービスの付加価値を提供することができる。

2. クラウドコストマネジメント

利用状況に応じて柔軟に拡大・縮小できるのがクラウドサービスのメリットだが、実際にはインスタンスが効率的に利用されておらず、無駄なコストが生じていることも少なくない。CloudHealthは各クラウドサービスのインスタンスサイズや、契約形態の変更シミュレーションの実行など、平均25%のコスト削減が可能になるというコスト最適化機能を持つ。クラウドを販売・管理しているSIerがこのマネジメント機能を使うことで、顧客のクラウド利用に対する懸念を払しょくすることが可能にあり、信頼されるサービスプロバイダーとして存在価値を高めることにつながるだろう。

3. セキュリティマネジメント

クラウドサービスはセキュリティの管理方法やインターフェースに差異があり、効率的なセキュリティマネジメントが困難になる。CloudHealthでは、マルチクラウドにおけるセキュリティポリシーの一括管理を実現。各種クラウドサービスの設定や操作ログを管理し、設定漏れやコスト超過に対するアラート管理の自動的が可能だ。また、各クラウド環境を分析し、それぞれの環境におけるセキュリティのベストプラクティスを把握できる。これによってSIerは、クラウドを安定して継続利用してもらうためのコンサルティングサービスを提供できるようになり、顧客との定例会や定期レポート報告といった場面にも活用できる。

図:マルチクラウド環境を最適化するCloudHealth
図:マルチクラウド環境を最適化するCloudHealth

【事例】英国Softcat社のCloudHealthを活用した自社サービス

特設サイト「VMware Cloud Frontier」

提供:株式会社ネットワールド
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2020年9月30日
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