「明日からクラウドやれ」 -上司のムチャぶりに立ち向かう方法、教えます - (page 2)

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2014-05-09 11:30

[PR]「君さ、明日からクラウド担当ね」いきなり上司にムチャぶりされたとき、あなたは対応できますか?突如クラウド担当になったヨシダ。さて、どうする?!今すぐ使えるハウツーをストーリーで紹介。

 いつもどおりの、いまいましくも逆らえない上司の一言によって、にわかクラウド戦士となったヨシダはここ数日、とにもかくにもクラウド関連の情報を集めるのに必死な状態である。そもそも「クラウドで立ち上げたらキャンペーンサイトが安くなる」がどういうからくりなのか、ヨシダにはそんなことすらわからない。わからないが、言われたのでやるしかないのである。

上司とヨシダ

 「ヨシダくん、クラウドでキャンペーンサイトを立ち上げるんだって?」 - 途方にくれていたヨシダの背後で声をかけたのは、3期上のカタヤマだった。営業でトップセールスを誇る頼もしい先輩である。噂ではITにもかなり詳しいらしいが、成績優秀な営業マンよろしく、外回りの仕事が忙しすぎるため、カタヤマが社内にいる姿はあまり見かけることはなかった。めずらしく後輩の仕事に興味を示すカタヤマに「そーなんすよ。でもオレ、クラウドとかよくわかんないんですよね、何から手をつければいいか、ほんとわからなくて。総務に来ているミズタニ産業にでも相談しようかと思ってたところなんです」とつい愚痴が出てしまうヨシダ。オレも先輩くらい数字が取れてたら、こんな役回りなんて押し付けられなかっただろうに。

 「あんな老人ばかりの出入り業者がクラウドなんてわかるわけないじゃん。新しい技術は新しいところから学ばないと」と、いつになく強い調子で言うカタヤマの言葉にヨシダは驚く。どうやらカタヤマがITに詳しいのは本当らしい。「クラウドクラウド言う前にさ、まずは今回のプロジェクトの課題を整理してみたらどうかな」- カタヤマの提案にヨシダはただひたすら聞き入っていた。

解説その2 クラウドは目的ではなくツールである

 まず、当然だが「はじめに手段(クラウド)ありき」では何事も成功しない。ITプロジェクトであるなら、現在、あなたの会社/部署はどんな課題を抱えていて、それをどういった条件(コスト、納期、リソースなど)の下で解決しなければならないのかを洗い出す必要がある。クラウドはあくまでツールであり、目的ではない、まずこのことを十分に頭に叩き込んでおいてほしい。

 その一方で、明らかにクラウドのほうが向いているという案件はたしかにある。たとえば以下のようなユーザ側からの要求だ。


 これらの要求に共通するのは「ITリソースの柔軟な調達」である。そしてクラウドはこうしたケースにおいては最適解となる。使いたいときに開始でき、やめたいときにやめられる。物理的なハードウェアに頼ったオンプレミスだとこうした柔軟性を担保することは難しい。

 ただしこの場合、気をつけるべき点ももちろんある。ひとつは"柔軟な調達"を支えるITリソースそのものの死活監視だ。いくら柔軟にリソースを調達できるといっても、サーバやネットワークがつねに正常に稼働しているとは限らない。使いたいときに過不足なく利用できるよう、リソースの状態は常に監視されている必要があるが、それをマニュアル(人手)でやっていてはクラウドに移行するメリットはあまりない。リソースの監視をいかに自動化できるか、さまざまなサービスを組み合わせていかに運用を効率化できるか、これはクラウド運用の大きなポイントであり、クラウドベンダを選ぶ際の指標になるポイントだといえる。

 もうひとつはクラウドに関わる人員のスキルアップだ。運用の負荷が大幅に下がることもクラウドのメリットと言われることが多いが、企業側の負荷を完全にゼロにすることはできない。むしろ、クラウドならではの運用のコツが求められる場合が多々ある。クラウドにある程度精通したスタッフを確保できる見通しがあることは、意外と見落としがちなポイントではあるが心しておきたい。今回の例ではヨシダという生贄がいるが、カタヤマのような頼りになるサブも確保しておきたいところだ。

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