着実に浸透しはじめた、大量データの分析・活用
ビッグデータという単語を日々のニュースや会話で聞くことが増えてからずいぶんと時間が経過した。すでに「注目キーワード」の域を超え、多くの国内企業が実際にビッグデータを収集し、ビジネスに活用する取り組みを開始しつつあるフェーズに入っている。朝日インタラクティブが行った調査では、従業員1000人以上の企業において、取り組んでいないとの回答は3割以下。5000人以上の企業ではすでに「本番稼働段階にある」との回答も一定数にのぼった。
とはいえ、まだまだ企業がとまどいを感じる側面も否めないのも現状だ。 本当にビッグデータは企業のビジネスを活性化するのだろうか。そもそも活用するようなビッグデータが自社にはない。だからといってデータ活用に「興味がない」で、新しい時代を乗りきれる気もしない--。
参考資料:朝日インタラクティブ 2013年7月27日~8月26日実施(n=404) ※クリックで拡大
ここで確認しておきたいのは、ビッグデータは魔法の杖ではないということだ。どんなにすぐれたITソリューションであっても、それだけで売上が大幅に伸びたり新規顧客を大量に取り込めるような事態にはならない。ただし、これまでとは異なるアプローチで"データ"というものに対峙してみると、今まで見えなかったビジネスの可能性や解決法が見えてくることは確かだ。それをビジネス飛躍のチャンスに変えるか否かは企業しだいだが、ビッグデータプロダクトはその可能性を目に見える状態にしてくれるものが多数ある。その代表が今回紹介するHadoopだ。
ビッグデータの活用を現実のものとした立役者といわれるHadoopだが、Hadoopとはもともとデータのバッチ処理に適した並列分散処理システムである。このHadoopを導入することで、企業のデータ活用のあり方はどう変化していくのだろうか。ここではHadoopディストリビューションとして「Cloudera’s Distribution including Apache Hadoop(CDH)」を、そして新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)によるHadoop導入支援を前提にした、金融、流通/小売、製造の3つの業種におけるHadoop仮想事例を紹介しよう。