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コネクテッドエンタープライズ環境で加速する製造業のデジタル変革――「PTC Forum Japan 2018」

IoT、CAD、PLM、拡張現実(AR)分野で多数の製品群を持つPTCが、11月に「PTC Forum Japan 2018」を開催した。同社では自社製品と戦略パートナーのテクノロジーを組み合わせ、主として製造業企業のデジタル変革を支援している。冒頭の講演では、各分野での同社の責任者が登壇し、具体的な事例を紹介しながら、グローバルで取り組まれている製造業のデジタル変革の“今”を解説した。

フィジカルとデジタルの世界を融合させ、ヒューマンに新しい価値を

 昨今、「デジタル変革」「デジタルトランスフォーメーション」という言葉がメディアで取り上げられるようになった。製造業では現在、生産現場でのIoT導入が検討されることが多い。しかし、IoTを導入するだけで、本当のデジタル変革が実現するのだろうか。変革の目標は最終的には「自社が保有する従来のテクノロジーやビジネスの知見を活用し、新しいビジネスを作り出し、競合企業との競争に打ち勝つ」ということが目的のはずだ。

 しかし、いきなり「新しいビジネス」の創出といってもすぐに実現するとは考えにくい。IoTを導入してこれまでの生産活動の効率化を図っていくというのが、一般的な施策だろう。

アジア太平洋地域 統括責任者 桑原宏昭氏
アジア太平洋地域
統括責任者
桑原宏昭氏

 PTCは、主として製造業企業に対するデジタル変革の支援を行い、多くの実績を上げている。講演の最初に登壇したアジア太平洋地域 統括責任者の桑原宏昭氏は、同社のビジョンを説明しながら、デジタル変革の本来の目標に到達する可能性について話す。

 「デジタル変革を当社では、フィジカルな世界とデジタルの世界をつなぎ合わせイノベーションを起こすことだと考えています。この2つの世界が結合する、コンバージョンされることで、新しい製品、サービスが生まれてくると考えているのです。デジタル情報をPLMにためてその情報をIoTとARに連携させる、これによって、競合他社にはない製品、サービスを提供できるようになります」

 PTCの日本におけるIoTソリューションの導入社数は、ここ数年毎年2倍に増え続けていると桑原氏は話す。2年前からはサブスクリプションのライセンスを提供しており、2019年からは、全製品のサブスクリプション化が可能になる。

 PTCは、IoT、AR、PLMのそれぞれの分野でプラットフォームを提供している企業だ。桑原氏はとくにARの活用が新しいビジネスを創出する重要なカギとなると話す。

 「フィジカルな世界とデジタルの世界を結合させるというのは、いままでたやすいことではありませんでした。しかしARの技術によってそれが現実的なものとなってきたのです。人間、つまりヒューマンに対して最も強く働きかける情報は動画と3D情報です。ARは、これらの情報を的確に人に届け、仕事や娯楽などさまざまな分野で今までになかったサービスを提供することを可能にします」

 フィジカル、デジタルという両方の世界を結合し、ARのテクノロジーを使って、ヒューマンに新しい価値を提供する。桑原氏の語るPTCの戦略は、「デジタル変革」の本来の目標を目指す企業にとってインパクトがあると言えそうだ。

ARの活用でメンテナンスコストを削減

拡張現実(AR)事業担当 エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー ヒラリー・アシュトン氏
拡張現実(AR)事業担当
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー
ヒラリー・アシュトン氏

 では、ARの活用で今どのような変革が起きているのだろうか。まずは日本でも盛んに取り組まれている「働き方改革」と関連する事例があげられた。拡張現実(AR)事業担当 エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのヒラリー・アシュトン氏は、製造の現場で、ARの仕組みを取り入れて作業の効率化を進めた事例を紹介した。

 「英国の国防、航空宇宙関連企業であるBAEシステムズでは、アッセンブリラインでの作業に『ホロレンズ』とARの仕組みを取り入れ、作業効率を30パーセント向上させています。これには当社の『Vuforia Studio』と『Creo』が利用されています。『Vuforia Studio』は、スケーラブルなAR コンテンツの迅速な作成と展開が可能なので、『Creo』のデータをすぐに利用できるのです」

 また、顧客サポートにARを利用する例として、アシュトン氏は、ある送風機メーカーのケースを紹介した。

 「このメーカーが提供する送風機は巨大なもので、装置の中をクリーニングする場合、危険な作業も発生します。つまりコストも時間もかかるわけですね。そこで、このメーカーでは製品にARソリューションをつけて提供し、ユーザー自らがARを使ってメンテナンスできるようにしたのです」

 この作業では、監督者が指示を出せるようになっていて、遠隔から実際の作業環境を映像で把握して指示する。複雑な作業に入ったときは、画面を止めて指示をすることもでき、複雑な問題を短時間で解決できるようになった。

 また、ある企業では、現場の環境をリアルタイムでデジタルに共有し、アノテーションを追加できる「Vuforia Chalk」というソリューションを使い、1つの工場のなかで、オンサイトではなく、遠隔サポートの回数を増やしている。この結果、年間250万ドルのメンテナンスコストを節約できているというから驚きだ。

 製造現場では、機器のメンテナンス作業に、現場のベテランの人しか扱えない、あるいは、機器の製造元から人を派遣してもらうしかないものが多数存在する。また、製造工程そのものにも「経験年数の短い人では扱えない」作業も存在する。

 しかし、ARを活用して、ベテラン作業者、あるいはメーカーの専門家の指示を仰ぎながら作業することが可能になれば、メンテナンスコストも下がり、また故障時の対応も早くなる。さらに、製造工程での新人作業者のスキルアップも容易になる。これらの事例は、まさに「フィジカルとデジタルの結合でヒューマンの進化を促す」好例といえるだろう。

 また、製品にARシステムを同梱することで、新しいビジネスチャンスが生まれる。メンテナンスの出張サービスのコストが低減できれば、製品そのものの価格競争力とサービス強化が両方実現する可能性がある。また、IoTを利用することで、プロアクティブなメンテナンスも可能になり、さらにコストダウンが実現する。

インフォメーション
提供:PTCジャパン株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年6月30日
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