データ活用のゴールは可視化ではない!最高のアクション成果を生み出すことだ!~いま求められるBIのあり方とは?~ - (page 2)
「取るべきアクション」までを提示する
言うまでもなく、今日では、現場が欲しいデータを自ら集め、分析し、アクションへとつなげる環境が整備されつつある。
例えば、SASでは、現場による「探索型アナリティクス」を可能にするセルフサービスBIソリューションを提供している。このソリューションを用いることで、膨大なデータの視覚的な探索が実現され、「新たな問題」や「問題に関係の深いデータ」、「問題解決につながるデータ」を発見・発掘することができるようになる。そうして発見・発掘したデータのさらなる分析によって、精度の高い意思決定が可能になる。
「SASが提案しているのは、データベースの設計によってはじめてデータが可視化されるタイプのBIソリューションではありません。"何かありそうだから、とにかくデータを掘り下げてみる"といった探索を可能にする仕組みです。こうした探索型のアナリティクスはその性質上、データから価値ある発見が得られる、いわゆる「ヒットの打率」が低いという考慮点があり、分析スピードを超高速にして打席数を多くすることと、分析を限りなく簡単にすることが"ヒットする"(価値ある発見を得る)には必要不可欠です。そのため、SAS では、インメモリアーキテクチャを採用し、短時間に幾度もの探索が難なく行えるハイスピードを実現しているのです」(津田氏)。
また、SASが提供するセルフサービスBIソリューションは、リアルタイム予測、自動チャート作成、吹き出し方式のヘルプガイダンスといった機能と分析の機能が一体化されている。そのため、データ分析の専門家ではないユーザーでも高度な分析を行うことができる。
加えて、SASでは、「Analytics in Action」と呼ばれるコンセプトの下、セルフサービスBIソリューションを包含しながら、機械学習による自動実行やディシジョン・マネジメントの機能を加え、アナリティクスのカバー領域を「ビジネス・アクションの提示」までに広げたソリューションの提供を進めている。
「当社が追求しているのは、現状を認識して今後を予測し、取るべきアクションを決定するプロセスまでをアナリティクスで実施することです」と、津田氏は話し、次のように説明を加える。
「従来のBIは、現状の可視化は可能でも、データから導き出した課題にどう対応するかの意思決定はすべて人任せでした。そのため、仮にデータに基づく精緻な予測が立てられたとしても、肝心のアクションが属人的となり、成果にバラつきが出たり、仮説検証のPDCAサイクルにある種の分断が引き起こされたりしてきたのです。Analytics in Actionは、そうした問題を解決するためのコンセプトです」(津田氏)。
津田氏によれば、「アナリティクスの本来意義」は、データに基づきアクションを変え、それによってプラスの効果を生むことにあるという。このプロセスの中で重要なのは、アクションをどう変えるかの決定をいかにして下すかだ。その意思決定を人の思考・感覚だけで下す場合、判断ミスが発生するおそれがある。また、分析結果とアクションとの間に矛盾が生じ、仮説検証のPDCAサイクルがうまく回らなくなることもあるだろう。
それに対してアナリティクスが取るべきアクションまでを割り出し、提示するならば、人間が実施することは提示されたアクション案の採択となり、その分判断ミスやデータ分析のPDCAサイクル分断の可能性は減ることになる。
もっとも、「取るべきアクションをアナリティクスに提示させる」と言っても、ビジネス上のすべてのアクション提示を自動化するという意味ではないようだ。
津田氏によれば、企業における意思決定は、戦略レベルの意思決定と業務レベルの意思決定の2つに大別でき、このうち、戦略レベルの意思決定は基本的に人が行うものであり、Analytics in Actionが自動化の主たる対象としているのは業務レベルの意思決定であるという。
「例えば、コールセンターにおいて、どの顧客に何を勧めるべきかの意思決定が自動化されれば、センターの業務品質を高いレベルで担保することができるはずです。このように業務レベルの意思決定の自動化には、現場における業務上の判断能力や品質、スピードを底上げする効果が大きく期待できるのです」(津田氏)。
デジタルマーケティングの現場では、すでに「誰に何を勧めるか」の意思決定の自動化が進み、業務の効率化が実現されている。そうした自動化の範囲をあらゆる業務領域に広げれば、企業の競争力は強化されるに違いない。

