アンケート結果で分かった、企業の現状と課題 仮想環境を安定・効率的に運用する ポイントはどこに? VMwareとシマンテックが対談

 ZDNet Japanは、2013年1月から2月にかけて、「企業におけるサーバー仮想化のバックアップ/セキュリティ実態調査」を実施。仮想化への移行を考えている従業員100名以上規模企業のIT担当者に対し、導入状況、課題など幅広く尋ねた。

 今回は、このアンケートを基に仮想環境で重要となるバックアップへの考え方、およびセキュリティ性の確保について、VMwareとシマンテックの担当者に意見を聞いた。

 物理環境と異なる対策が必要になるため、仮想環境の構築、運用で頭を悩ませるIT担当者も多いことだろう。本記事を参考に自社の環境を見直して欲しい。

対談メンバー

アンケートから見えたバックアップの全体傾向

 仮想環境のバックアップ、セキュリティ共に課題になるのが過負荷の問題。複数台存在する仮想マシン全てのバックアップ、またセキュリティスキャンをやみくもに行えば、リソースを奪われ、通常業務に支障をきたしてしまう。

 また、必要に応じて柔軟にIT環境を構築できるのが、仮想環境の大きなメリット。同じ環境を複数用意する必要があるテスト環境では、バックアップを使用することで、効率の良い構築が可能だ。一方で、限定した期間のみ必要な仮想マシンのバックアップまで保存していては、リソースの無駄遣いになってしまう。

 仮想環境は物理的ハードリソースを集約できることから、さまざまなメリットが存在する。実際にアンケートでも、すでに半数以上は「開発環境・テストサーバ」などの形で仮想環境を構築していることが判明した。今後の適用範囲では、「データベースサーバ」「基幹業務系アプリケーションサーバ」などで30%以上の企業が適用を検討しており、導入意欲が強いことが分かる。さらに「全社的なITインフラとして本格的に導入済み」と答えた先進的な回答も14%あまりに達した。 ほとんどの物理サーバを仮想環境に移行した企業の事例もよく耳にするようになっており、こうした動きを反映するものと言えそうだ。

 バックアップに関しては後述するが、仮想マシン個別に対して行っているとする回答が半数弱。仮想化製品に付与されているバックアップ機能は2割ほどしか使用されていなかった。


※クリックして拡大

調査結果に対する両社の視点

浅野氏:

 仮想環境の利用用途、バックアップの実施状況や導入障壁を見ると、まだ仮想化は物理環境よりコストを抑えられるから選択されているように感じました。

大久氏:

 仮想環境の将来的な利用用途でみると、基幹業務系アプリケーションサーバを挙げたかたは予想より多かったです。現在も30%以上が基幹業務系アプリケーションサーバで使用されているようですが、こうした信頼性を要求される用途にも広がって行くのかもしれません。仮想化を第一の前提に、ほとんどのシステムを仮想化した事例も、今後は増えると見ています。

伊吹山氏:

 現状としては、まだ開発・テスト環境だけで使われている企業も存在しますが、今後は変わっていくでしょうね。また仮想環境のバックアップですが、こちらは最近、コスト面に加え、操作の簡便性も求められるケースが増えてきました。昔は多機能・複雑なものであれば、操作も難しくてあたりまえでしたが、今では、多機能なものをいかに容易に実現出来るかが重要視されるようになってきていると考えられます。

大久氏:

 物理サーバが使われていた時代は、バックアップ専任の担当者が存在していたからではないでしょうか。仮想化は物理サーバを集約でき、ハードウェア、ソフトウェアの予算を減らすことが出来ます。しかしながら、OSの数は減っていないため運用担当者の設備以外の業務も減っていないはずなのですが、ハードウェア、ソフトウェアの費用と運用費用のバランスから運用担当者の予算も連動して減らされる傾向があります。担当者の業務数が増えたため、より手間の少ない方法が求められているのかもしれません。

浅野氏:

 一人で出来るようになった点はメリットにもなりデメリットにもなり得ますね。一方で仮想化により多様化した部分もある。たとえばOSなど。


ヴイエムウエア 大久 光崇氏
(システムズエンジニアリング本部 Cloud Infrastructure &Management スペシャリスト)
大久氏:

 今までは、物理サーバにデータベースなどのデータのバックアップやリストアで「Backup Exec」、OSイメージのバックアップやリストアで「Symantec System Recovery」を導入するのが、シマンテック様のソリューションでは一般的でした。仮想環境では、OSドライブの仮想ディスクもデータの仮想ディスクも「Backup Exec」だけでバックアップを取得でき、そこからファイル単位でリストアできます。つまりは、「Backup Exec」だけで全てが完結するようになっています。

 仮想化は、新しい技、概念が増えたとも言えるのではないでしょうか。故にそのノウハウが新しく必要になってしまったとも言えるかもしれません。

ホワイトペーパー

最新調査結果:仮想環境を活用するためのバックアップとセキュリティガイド
最新調査結果:仮想環境を活用するためのバックアップとセキュリティガイド
【徹底比較】仮想化バックアップ製品--評価されたのは?
【徹底比較】仮想化バックアップ製品--評価されたのは?
提供:株式会社シマンテック
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年7月31日
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]