最新のIT技術で表面化したバックアップの新たな課題
近年の企業は、事業や組織の規模にかかわらず、さまざまなITシステムを活用してビジネスを行っている。そこで扱うデータは、事業の成否に直結するほど重要な意味を持つようになり、データを中心としたビジネスに取り組んでいる企業も少なくない。もしこれらのデータが失われれば、ビジネスに多大な悪影響をおよぼすことは間違いない。
そこで重要な対策として採られているのが、バックアップである。多くの企業は、古くからITシステムのバックアップに取り組み、データが失われないように気を配ってきたことだろう。
米ベリタステクノロジーズのグローバル責任者を務めるマーク・ナット氏は、同社のバックアップソリューションの最新版「Veritas Backup Exec 15」を"ファンタスティックでクリティカルなソフトウェア"と評して、日本のバックアップ市場のリーダーとしての自信を見せる。
「クラウドサービスやオンプレミスシステム、仮想化環境や物理環境など、最新の技術が発展していく反面、企業システムは複雑化していきました。システムが複雑になればなるほど、バックアップやリカバリーの作業は困難になっていきます。そこで重要な役割を担うソリューションがBackup Execです。近代システムが抱えるさまざまな課題を解決します」(ナット氏)
Backup Execの歴史は古く、どのバックアップツールと比べても、数多くの世界中のユーザーに親しまれているという特長を持つ。そうして長年にわたって蓄積されてきた情報やノウハウが、Backup Exec 15に生きている。ナット氏は、ユーザーやパートナー各社が満足するソリューションを開発するため、今後も積極的な投資を行っていくと述べる。
ベリタステクノロジーズ パートナー営業統括本部 ソリューションパートナー営業本部 BEプロダクトセールスの田葉光子氏は、日本市場の大部分を支える中小企業にとって、ナット氏の述べる"システムの複雑化"は極めて深刻な課題の1つになっていると述べる。
大きなIT予算を持つことができない中小企業は、短期的に大きなシステム更改を図ることが難しく、サーバーやストレージをツギハギで追加してきた。その結果、バックアップシステムもサイロ化が進み、運用に大きな負荷がかかるようになってしまった。さらに、最新のIT技術がこの問題に拍車をかけているという。
「ビッグデータというキーワードが流行したことによって、データは捨てずに何でもかんでも蓄積することが当たり前になり、膨大なデータを抱える企業が増えました。仮想化技術の流行は、論理的なサーバー台数を爆発的に増やし、システムの複雑化がますます進んでいます。クラウドサービスの活用によって、バックアップ対象が散在するようになったのも、大きな課題の1つです」(田葉氏)
企業システムの課題を解決する最先端のバックアップ&リカバリー技術
最新バージョンであるBackup Exec 15では、長年にわたってさまざまなユーザーのニーズを吸収し、複雑化した企業システムの課題を解決する機能・特長として、次のようなものを実装している。
- 高速バックアップ&リカバリー
- クラウドストレージも活用できるコンパクトバックアップ
- 管理者の負荷を軽減する操作性
高速バックアップ&リカバリー
一般的にバックアップ作業は、短い終業時間に行われることが多いが、複雑なシステムの場合には時間がかかりすぎてしまうケースも少なくなかった。
Backup Exec 15は、古いバージョンと比べ、3倍近い高速化が図られている。物理サーバーや仮想マシン、ハイパーバイザーなどを短時間でバックアップできるため、業務時間に影響をおよぼすことはない。
リカバリーが早いことも、Backup Execの特長の1つだ。
一般的な手法では、サーバー単位でバックアップデータを取得し、リカバリーの際にもサーバー全体を復旧する。したがって、一部のデータのみを優先的に取り戻したくても、時間がかかってしまうのが問題だった。
Backup Execでは、ベリタス独自の技術によりシステム全体のバックアップデータから個別のオブジェクト(Exchange、Active Directory、SharePoint、SQL Serverなど)を選択的にリカバリーすることができる。