ウォッチガード・テクノロジー(以下ウォッチガード)は2016年11月に、無線LANアクセスポイントの新製品「AP120」「AP320」を発売した。新製品の発売と同時に、アクセスポイントをクラウド経由で管理できる無線LANソリューション「WatchGuard Wi-Fi Cloud」の提供を開始した。多拠点のアクセスポイントを一元管理し、用途に応じたポリシー設定も容易に行えるようになる。
安全・安心な無線LANを可能に
今、社内のネットワーク環境を無線LANに置き換える企業が増えている。特に複数の拠点を構える分散型企業では、ケーブルの敷設/取り回しに手間のかかる有線LANではなく、無線LANを選択する企業が多くなった。また、多店舗を展開するチェーンストアでは、顧客サービスを向上させることを目的に、無線LANを導入する企業が急増している。
かつての無線LANは、通信速度が遅く電波状況によって通信が不安定になることや、通信内容の盗聴・不正傍受といったセキュリティ面の課題が指摘されたことから、導入を控える企業も少なくなかった。しかし現在は、1ギガビットを超える高速通信が可能な「IEEE802.11ac」などの新規格が登場し、堅牢なセキュリティ対策機能を備えたアクセスポイントが製品化されるなど状況が一変。安心・安心な無線LANを導入できるようになった。
そうした安全性の高い無線LANの実現に大きく寄与したのが、セキュリティベンダーの製品である。中堅中小企業に強いウォッチガードでも、無線LANアンテナを内蔵したテーブルトップ型セキュリティアプライアンス「Fireboxシリーズ」で制御する無線LANアクセスポイントなどを提供し、無線LANの導入を支援してきた。
コントローラ不要でクラウド管理を実現

そんなウォッチガードの無線LANアクセスポイント製品がリニューアルされ、昨年11月に「AP120」「AP320」の2製品が発売され、同時に「WatchGuard Wi-Fi Cloud」を利用するための新たなライセンスとして「Wi-Fi Cloud Subscription」が追加された。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン
システムエンジニア部
プリセールスエンジニア
猪股 修 氏
ウォッチガードの無線LANアクセスポイントは従来、統合セキュリティアプライアンスFireboxシリーズをコントローラとして利用することが前提だった。
「これまで無線LANアクセスポイントを管理するには、Fireboxを通さなければなりませんでした。そのため分散された複数拠点の無線LANアクセスポイントを一元管理することが難しかったのです。そこで新製品では、Fireboxがなくてもクラウド経由でアクセスポイントを管理する機能を搭載。その機能を利用するための新しいライセンスを用意しました」(ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン 猪股 修 氏)