〜 MDMは新たな流行り言葉なのか? 〜 「MDM」という言葉が登場する前から「マスターデータ管理」業務の概念は存在している。 それが、近年になってMDMツールの宣伝や導入の事例が以前よりもメディアに登場する機会が多くなった。 また、ユーザ企業側からもMDMを実現すべく計画の立案をしているという話が増えている。 この背景には、売り手によって煽られた単なるマーケティング先行の流行りだけではなく、買い手側でのMDMに対する ニーズの高まりがあり、それが強く影響しているのではないか。 当然売り手側のマーケティング戦略は買い手側の事情を斟酌した上での決定ではあるのだが、IT業界に顕著な「バズワード ※」で終わる類とは異なるものだと言えそうだ。 ※バズワード(buzzword):キャッチフレーズ、スローガン、専門的流行語 本稿では、MDMの導入によるコスト削減効果に焦点を当てて解説する。 MDM導入の効果は「業務価値向上」と「コスト削減」に大きく分類できるが、現在の経済事情や定量化する際の比較容易 性を考えて、対象を「コスト削減」に絞っている。 具体的には、MDM実現によるコスト削減効果を例示した上で、MDM導入によるコスト削減とは何を意味するのか、導入 による効果を持続するためのポイントは何か、について説明していく。