分析の目的
・契約者数が約1億に達し飽和状態となっているケータイ業界において、ユーザーがキャリア変更を検討するきっかけとなっている要因を把握する。
調査の視点
・ユーザーにより語られるテーマ別(電波状態、端末デザイン、料金、機能に関する話題)の特徴を、次の4つの要因の視点から把握する。
- ケータイキャリアに対する不満を持った要因
(ユーザーがキャリアを転出する要因となっている。)
- ケータイキャリアに対する興味・関心を抱いた要因
(ユーザーの興味を引きつけている要因となっている。)
- ケータイキャリアの移行を中止した要因
- 他キャリアへの移行を決定した要因
調査手法
・ユーザーがキャリア変更を検討するきっかけとなっている要因を把握するために、消費者の生の声が分析可能なD4DRのブログ分析手法を利用する。
・MNP(Mobile Number Portability・番号持ち運び制度)の話題が書き込まれているブログ記事には、ブロガーのキャリア変更に関する意見が書き込まれていると考えられるため、次の2つを満たすブログ記事を調査対象とする。
・MNPの話題が書き込まれているブログ記事
・2006年08月から2007年10月まで*の間に書かれたブログ記事
*MNP実施開始日:2006年10月24日
調査結果概要
キャリア変更を検討しているユーザーの関心
・キャリア変更を検討しているユーザーの特徴として次の2つを上げることが出来る。
- 主に料金・機能・端末デザイン・電波状態に関する話題を語る傾向が強い。
- 電波状態や端末デザインよりも料金や機能に関する興味・関心が強い。
・調査対象期間中にMNPに関する話題が書き込まれたブログ記事全体の中で、各話題が書き込まれる割合は次のようになっている。
料金に関する話題 :53.2%
機能に関する話題 :48.5%
端末デザインに関する話題 :12.7%
電波状態に関する話題 :7.1%
・料金や機能に関する話題はユーザーの関心を引きやすく、Web上でのクチコミ伝播を促進したい場合には有効なテーマであるという事が言える。
料金に関する話題
・ソフトバンクの料金プランに関する興味・関心を話題にしているユーザーが多く、ソフトバンクの料金プランはキャリア変更を検討しているユーザーの注目を集めている傾向が強い。
・ソフトバンク(主に「予想外割」「ホワイトプラン」)の料金サービスに関する話題が多く書き込まれている。
・料金に関する話題では、料金プランに関するユーザーの興味・関心が書き込まれている傾向が高い。
・書き込み件数的には少数ではあるが、現在加入している料金プランが原因となりキャリア変更を断念したユーザーの存在が確認された。
・料金サービスや端末価格に関する特徴的なプロモーションはユーザーの興味・関心を引く傾向が強く、キャリアへの興味喚起を目的としたWebクチコミのテーマとして有効である。
・ソフトバンクはユーザーの印象に残る特徴的なプロモーションにより、興味・関心を抱かせる事に成功している。
・料金プランに転出規制の役割を担わせるという方向性のプロモーション展開も考えられる。
機能に関する話題
・キャリア変更を検討しているユーザーは機能に関して興味・関心がある傾向が強い。また、機能ごとにユーザーを獲得するために取り組むべき課題が異なることが確認された。
・機能に関する話題ではメール・カメラ・音楽・ワンセグ機能に関する書き込みが多い。
・サービス開始後(2006年10月~2007年2月まで)ワンセグ機能に関する話題が書き込まれる傾向が強まってきていたが、2007年3月以降では一段落している。
・キャリア変更を検討しているユーザーは機能に関する話題に興味・関心をもっている傾向が強い。
・他の機能との比較を行ったところ、次の2つがわかった。
・ワンセグ機能に関しては移行に関する話題が書き込まれる傾向が強く、キャリア移行の要因となっている事が考えられる。
・おサイフケータイ機能は書き込まれる話題の件数は少ないが不満が書き込まれる傾向が強く、現段階では、興味・関心を引く機能とはなっていない可能性が高い。
・新機能発表など、機能に関する話題を有効活用することによりキャリアへの興味喚起やWeb上でのクチコミ伝播が出来る可能性が強い。
端末デザインに関する話題
・auの端末デザインに関する不満や興味・関心を話題にするユーザーが多く、良くも悪くもキャリア変更を検討しているユーザーはauの端末デザインに注目している傾向が強い。
・キャリア変更を検討しているユーザーは、端末デザインに関して不満、興味・関心、移行に関する話題を書き込む傾向が強い。
・キャリア変更を検討しているユーザーは端末デザインに関してauの話題を取り上げる傾向が強い。
・キャリア移行の決定的な要因として、他キャリアよりもユーザーに突出した端末デザインの魅力を打ち出せているキャリアが存在している可能性は低い。
・キャリア変更を検討しているユーザーにとって、端末デザインは興味・関心は引くが、変更を後押しする決定的な要因とはなりにくい事が考えられる。
・auは端末デザインの魅力により興味・関心を抱かせたユーザーを有効に活用し、auの魅力をWebクチコミで広められる可能性が高い。
電波状態に関する話題
・電波状態の悪さ(主に自宅)が原因により、ドコモ・ソフトバンクから転出しているユーザーが多数いることが考えられる。
・アンケート分析など他の調査手法においては電波状態が気になる場所として地下やオフィス内などが取り上げられる傾向が強いが、ブログ分析ではユーザーが自宅での電波状態を最も気にしていることが判明した。
・auの電波状態は良く、ドコモ・ソフトバンクの電波状態は悪いとユーザーに認識されている傾向が強い。
・電波状態に関する話題では分割した4フェーズのうち、電波状態の悪さに関するキャリアへの不満が語られる傾向が強い。
・ドコモ・ソフトバンクの「つながりにくさ」がクチコミで広まり、結果としてauの電波の良さが訴求されている可能性が強い。ドコモ・ソフトバンクは大きな機会損失をしている事が考えられる。
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■ 調査資料のダウンロード
・本リリース内容に加え、次の2項目に関する調査報告書を以下よりダウンロードしていただけます。
・各要因からわかるキャリアごとの強み・弱み
・ユーザーを獲得するためのキャリアごとの次期施策の方向性
・調査資料
・ (リンク »)
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■ 会社概要
会社名 :ディー・フォー・ディー・アール株式会社
所在地 :〒108-0073 東京都港区東京都港区三田 1-6-7 WATANABEビル 2階
代表取締役 :藤元 健太郎
資本金 :2,000万円
TEL :03-3457-8646
FAX :03-4477-4402
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