インターコネクト技術の現状と未来 2: 銅(メタルケーブル)の限界をどうする? アクティブ・ケーブルの登場 【サーヴァンツインタナショナル(株)】

サーヴァンツインターナショナル株式会社

2009-01-22 11:00

- 巨大化するクラスタリング・システムが抱えるメタルケーブルの制約。アクティブ・ケーブル・テクノロジーはデータセンタ、HPCのインターコネクトをどう変える? サーヴァンツの穂積エンジニアがわかりやすく解説する、シリーズ第2回 -
前回 (リンク ») は大規模クラスタシステム時代のインターコネクト技術の現状についてお話し、メタルケーブルが持つ限界について少し触れました。

HPCプラットフォームやデータセンタのインターコネクションは、Infinibandホストチャネルアダプタ等と、それらのノードをまとめるスイッチ間での接続になりますが、規模が大きいクラスタシステムでは、各ノードからスイッチへ接続するケーブルは比較的長距離になります。メタルケーブルは特性上、インダクタンス成分(コイルでの抵抗成分)とキャパシタ成分および純抵抗成分からなり、同じケーブルを使用しても、ケーブルの長さと使用される信号の周波数によってインピーダンス(交流回路における抵抗値)特性が変化し減衰率が変わります。また、終端の特性インピーダンス(伝達媒体の種類や構造によって決まる抵抗値)のマッチングによっては、反射波の発生が加わってエンドポイントでの信号波形が変化し、ビットエラーレートが上昇してしまうこともあります。

その為メタルケーブルを使用する際は、確実にエンドポイントまで信号を届けるために、ケーブルの長さに応じてドライブ能力を最適値に設定することが必要です。また、伝送距離が長くなればなるほどドライブ電力も大きくなります。ここにメタルケーブルによる長距離の信号転送の難しさがあり、大規模システムを構築する上での制限の一つとなっています。

ケーブルメーカは使用素材や構造に工夫を凝らし、低損失で周波数特性の改良されたケーブルを供給することでメタルケーブルの特性向上を図っています。開発費や素材費などによりコスト上昇は避けられませんが、Infiniband等では2~3年ごとに転送スピードが倍増する傾向にあり、高速化につれてケーブルの性能はますます問われるようになってきています。

このようなメタルケーブルの限界を打破するために開発されたのがアクティブ・ケーブルです。メタルケーブル使用時には、各ノードのドライバがケーブルの特性を加味して最適化を行わなければなりませんが、アクティブ・ケーブルはこの点を改善した新しいテクノロジーです。

現時点では、アクティブ・ケーブルには、2種類あります。
 
1) アクティブ・カッパー・ケーブル:
転送ラインはメタルケーブルだが、コネクタの内部にイコライザー、波形整形・補償回路、プリエンファシスなどのアクティブ回路が組み込まれており、ケーブル特性に最適になるように自動調節する機能がある為、ノードでは最適化等の作業を行う必要がないケーブル。主にエンド・トゥー・エンドの信号品質を向上させることにより、距離が長くなってもビットエラーレートを保証するもの。

2) アクティブ・オプティカル・ケーブル: (リンク »)
ノードから出力された電気信号を光信号に変換し、光ケーブルを通して光信号を送出、受信サイドで光信号を電気信号に変換する回路をコネクタ部分に組み込んだケーブル。通常のメタルケーブルを使う感覚で、長距離接続でも転送品質を保証するもの。

実際にシステムを組む場合、どちらのアクティブ・ケーブルを使用するかによって、大きな違いが見られますが、アクティブ・オプティカル・ケーブルは、接続距離以外でも様々な利点を持っています。次回はアクティブ・オプティカル・ケーブルの優位性について詳しく紹介します。

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