インターコネクト技術の現状と未来3: インターコネクトの救世主?アクティブ・オプティカル・ケーブルの優位性 【サーヴァンツインタナショナル(株)】

サーヴァンツインターナショナル株式会社

2009-01-29 11:00

- メタルケーブルの問題を解消し、卓越した伝送距離、省電力、軽量性、とりまわしのしやすさなど様々な優位性を持つアクティブ・オプティカル・ケーブルは、大型クラスタ時代のインターコネクトの救世主となるのか? サーヴァンツの穂積エンジニアがわかりやすく解説する、シリーズ第3回 –
第1回 (リンク ») では大型クラスタシステム時代のインターコネクト技術の現状、第2回 (リンク ») ではメタルケーブルの制約とアクティブ・ケーブルの登場についてお話しましたが、今回はアクティブ・オプティカル・ケーブルの優位性について解説します。

Zarlink社が2006年より出荷しているアクティブ・オプティカル・ケーブル(AOC)ZL60615 (リンク »)  は両端にCX4コネクタを装備したアクティブ・オプティカル・ケーブルです。Zarlinkが長年培ってきた光通信デバイス技術と光ファイバーケーブルを融合させることで、従来のメタルケーブルでは困難だった長距離コネクションへの対応を可能にし、大規模クラスタリングシステムや、大規模データセンタにおいて、柔軟なインターコネクション環境を提供します。

Zarlinkのアクティブ・オプティカル・ケーブル Zlynx ZL60615はメタルケーブルと比較して、以下のような様々な優位性を持っています。

1) 伝送距離
前回も触れましたが、通常のメタルケーブルには距離の制限があり、Infiniband DDR(20Gbps)では、最高性能のAWG24ケーブルで20m以下になります。1000ノード以上の大規模クラスタリングシステムにおいては、仮に1ラックあたり20ノードを搭載したとしても50ラックになります。このようなシステムでは、半径20mの範囲で全てのノードがスイッチを介して接続する場合、大変な困難を伴うだけでなく、ケーブルの取り回しによっては、ラック群の冷却用空調設備の設置にも大きな制約が出てきます。アクティブ・オプティカル・ケーブルZL60615は、最大100mまでの伝送距離を保証しており、距離による制約を大幅に緩和します。

2) 省電力
アクティブ・オプティカル・ケーブルの標準的消費電力はノードあたり1Wと、最新の銅ケーブル10GBASE-Tと比較しても5分の1ほどです。利用本数の多いデータセンタや高性能コンピュータ・クラスタ間接続では、エアフローの改善にも大きく貢献し、マシンルームの消費電力低減にもお役立ていただけます。

3) ケーブルの取り回し
大規模クラスタシステムなどで、大きな制約が出やすいポイントとしてケーブルの取り回しがあります。 曲げ半径に制約があるメタルケーブルは、設置の際サーバから100mmから127 mmのラックスペースを必要とします。直径6-8mmのメタルケーブルが数百本集まると数10cmの束となり、特にケーブルが集まるスイッチ付近ではかなりの大きさの設置スペースが必要となります。ZL60615の最小曲げ半径は25mmで(24WG銅線ケーブルと比べて60%改善)、約70mmのラックスペースがあれば配線が可能です。アクティブ・オプティカル・ケーブルは断面の直径が2mm/4mmと24WGと比べて1/4で、格段の取り回しのよさを誇ります。>>画像参照 (リンク »)

4) 軽量性
ケーブル自体の重量もかなりの違いがあります。10mのケーブルで比較すると、メタルケーブルの1,135gに対して、ZL60615は175グラムと1/6の重量で、ケーブル長が大きいほどその差は大きくなります。 >>画像参照 (リンク »)
 
それでは、接続距離やおよび取り回しの制限が緩和されることによって、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?まず、サーバルーム内のスペースの制約がなくなります。また、ケーブル重量、設置体積が大きいメタルケーブルは通常床下ダクトを使わなければならず、電源配線と交差するなど、保守性にも問題が生じます。ZL60615は、軽量で設置体積および曲げ半径が小さいことにより、床下ダクトを使わず、ラック上のダクトを通じたインターコネクトが可能となり、保守性に優れた配線形態をとることも可能です。>>画像参照 (リンク »)

設置や保守面など目に見える範囲だけでなく、アクティブ・オプティカル・ケーブルは、目に見えないところにも優位性があります。

5) 電気的特性
メタルケーブルは、接続距離に応じてその特性が変わる可能性があり、発生するビットエラーレートにも大きな影響を与えます。その為、送出側は確実に受信側まで信号を届けるために、ケーブルの長さに応じてドライブ能力を最適値に設定することが必要になります。また、ドライブ電力も距離に比例して大きくなります。一方、アクティブ・オプティカル・ケーブルでは、送出側は受信側まで考慮する必要は無く、特性の変化も、距離によるドライブ電力の増加もありません。ビットエラーレートに関してはケーブル自体が責任を持ち、距離に関わらず10-15未満での保証となります。また、大部分を光通信で行うために、外部からの電磁波の影響も受けにくく、外部への電磁波影響も殆どありません。

6) 高速化
今後ますます高速化するデータレートにおいても、メタルケーブルはより多くの制約を受けることとなります。InfinibandがDDR(20Gbps)からQDR(40Gbps)に移行した場合、メタルケーブルは接続距離が短くなるなどの制限がでてくる為、アクティブ・ケーブルを使用することが強く奨励されています。アクティブ・オプティカル・ケーブルは光通信デバイスが高速化に対応していれば既存の光ファイバーを使用できますので、距離やビットエラーレートに左右されません。ZarlinkではQDR環境対応のQSFPプラグタイプのアクティブ・オプティカル・ケーブル Zlynx-Qを、すでに一部のお客様向けに提供開始しており、将来の更なる高速化にも対応可能です。

このように、従来のメタルケーブルと比較して大きなメリットを持っているアクティブ・オプティカル・ケーブルですが、コストの面でなかなか採用しにくいというご指摘を耳にすることがあります。しかし最近では、距離が大きくなればなるほど、アクティブ・オプティカル・ケーブルがコスト的に有利になるとの評価もされてきています。是非、導入を御検討ください。

当記事、およびZarlink アクティブ・オプティカル・ケーブル:AOC (スマートケーブル) (リンク ») に関するお問い合わせは下記まで。

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このプレスリリースの付帯情報

Zarlink Active Optical Cable ZL60615

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