日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:矢野 薫、以下NEC)およびNECエンジニアリング株式会社(東京都品川区、代表取締役 執行役員社長:井上 憲治、以下NECエンジニアリング)は、一般的なイメージスキャナに使用される白色光源(可視光)に加え、紫外光源(UV [注1])や赤外光源(IR [注2])などの複数の光源によるカラー画像の同時読み取り[注3]を可能にした「マルチ光源対応スキャナモジュール(読み取りヘッド)」を商品化し、本日より販売活動を開始いたしました。
近年、デジタル機器の目覚しい発展によりカラー複写が容易となり、重要度の高い印刷物である金券類や証明書などの不正コピーや精巧な偽造が増加しています。このような背景から高度な安全性・信頼性を要する印刷物には、すかし・ホログラム・特殊インク(特殊発光 [注4]、透過 [注5])などを使用した多様な偽造防止技術が採用されるとともに、特殊インクで印刷されたカラー画像を識別する商品に対するニーズが高まってきております。
本商品は、一般的なイメージスキャナでは読み取ることができない特殊インクを読み取り、識別することができるため、偽造防止技術を用いた印刷物の真贋判定装置や検査装置などへの組み込み用途に活用できます。
また、紫外線による蛍光物質の励起発光を用いた医療検体の検査や、赤外線の透過特性による文化財をはじめとした歴史的価値の高い物に隠された情報の調査や鑑定など、印刷物以外の対象物の識別用途にも適用が可能です。
新商品の主な特長は、以下の通りです。
1.1回の走査で最高3光源に対応したフルカラー画像の同時読み取りが可能
光源数は、反射読み取り用として2光源(白色光源、紫外光源)、透過読み取り用として1光源(赤外光源)の合計3光源の搭載が可能である。
2.1光源あたり、0.04ms/lineの高速読み取りが可能(読み取り幅210mm、解像度200dpi時)
1lineの読み取り時間は一定のため、光源数が増えると実際の読み取り時間は長くなる。
3.使用条件に合わせた各種カスタマイズが可能
本商品を組み込む装置や利用条件に合わせ、光源種類、読み取りサイズ、光学解像度、読み取りモード、読み取り速度、画像出力インタフェースなどがカスタマイズ可能である。
また、被写界深度の深いCCDモジュールの採用により凸凹やしわなどがある原稿の読み取りも可能です。
本商品は受注生産であり、価格は所要数量や仕様に応じた個別見積もりとなります。印刷物の真贋判定装置、非破壊検査機器、病理検査機器などのメーカを中心に今後5年間で15億円の売上を見込んでおります。
出荷時期は仕様により異なります。受注後概ね6ヶ月~9ヶ月程度です。
なお、本商品は「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO 2009」(2009年11月5日(木)~6日(金))および「Embedded Technology 2009」(2009年11月18日(水)~20日(金))にて展示します。
※新商品の基本仕様や特殊インクを使用したチケットの光源別読み取り例は、参考資料およびリリースファイルをご参照ください。
注1:UV(Ultraviolet rays)=紫外線
注2:IR(Infrared rays)=赤外線
注3:同時読み取りとは、複数の光源を1line単位で順次切替して読み取る動作で、実際の読み取り時間は、光源数に比例して増加します。
注4:特殊発光インク
白色光では見えない(識別できない)が、紫外光を照射することで、特定色を発光する。
注5:透過インク
白色光では見える(識別できる)が、赤外光は透過して見えない(識別できない)。
以上
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。