OKI、SIPアプリケーション開発フレームワーク「SSF」のソースコードをオープンソースソフトウェアとしてJBossコミュニティに提供

JCN株式会社

2010-06-24 11:20

Tokyo, June 24, 2010 - (JCN Newswire) - OKI(TSE:6703)は、オープンソースのアプリケーションサーバ「JBoss」の開発コミュニティの一つである「JBoss Community / Mobicents Project」に対し、OKIが開発したSIPアプリケーション開発フレームワーク「SSF」のソースコードを、オープンソースソフトウェアの代表的なライセンス体系であるLGPLとして提供します。
Tokyo, June 24, 2010 - (JCN Newswire) - OKI(TSE:6703)は、オープンソースのアプリケーションサーバ「JBoss(ジェイボス)*1」の開発コミュニティ*2(JBoss.orgコミュニティ)の一つである「JBoss Community / Mobicents Project」(URL: (リンク ») 以下、「Mobicents Project」*3)に対し、OKIが開発したSIPアプリケーション開発フレームワーク「SSF」のソースコードを、オープンソースソフトウェア(OSS)*4の代表的なライセンス体系であるLGPL*5として提供します。

「SSF」を用いることにより、一般的なJavaプログラマが、音声通信に関するプログラミングの知識がなくても、電話や電話会議のような音声通信機能をWebアプリケーションに簡単に組み込むことができるようになります。例えば、同じWeb画面を見ている同士がお互いに相手の電話番号を意識せずに電話で話しあったり、Webの操作の結果をWebアプリケーションから電話で自動通知したりといった、音声通信とWebの両方を使ったアプリケーションを、SIPに関する特別な知識なしに開発することが可能となります。

また、OKIは、JBoss.orgコミュニティ内に「Frameworks*6」カテゴリを新設し、「Mobicents Project」(Mobicents.org)の活動に参加します。OKIは、この活動を通じ、世界の開発者とともに、「SIP Servlet*7」を活用した情報通信融合ソリューション分野の発展を図っていきます。

なお、「Mobicents Project」で開発されたソフトウェア技術は、JBoss関係プロジェクトの運営を行っているレッドハット社のエンタープライズミドルウェアチームによりOSS製品として商品化されます。OKIは、レッドハット社と協力して情報通信両分野にまたがる幅広い市場をターゲットとしたSIPソリューションを開発し提供していきます。

近年、音声を主体とする通信系サービスがIPネットワークに統合されたことにより、通信系と情報系の両サービスを共通のインフラで提供することが多くなりました。これにともない、両サービスを融合した情報通信融合ソリューションが、新たな分野として注目されています。それを実現するアプリケーション基盤として注目されている技術が「SIP Servlet」です。しかしながら、新しい技術である「SIP Servlet」は、アプリケーション開発環境が未成熟であり、対応できる開発者が少なく、世界的にもまだ市場規模が小さいのが実情です。

OKIは、「SIP Servlet」を使ったSIPアプリケーション開発分野で長年の実績を持つリーディングベンダです。このたび、積年の研究・開発成果の一つである「SSF」のソースコードをOSSコミュニティ「Mobicent Project」に寄贈することで、世界の開発者に対し「SIP Servlet」を活用したアプリケーション開発の機会を広げます。OKIはこれにより、世界各地の開発者の協力を仰いでSIPアプリケーションの数を増やし、情報通信融合アプリケーションの拡大・発展に貢献したいと考えています。

OKIは、今後も情報通信融合ソリューション分野の拡大に注力し、「SIP Servlet」を活用した様々なソリューションを開発・提供していきます。

●今回の発表にあたり、Mobicents コミュニティ創設者イブリン・イワノフ( Ivelin Ivanov)氏およびMobicents SIP Servlet プロジェクトリード ジョン・デルウエル(Jean Deruelle)氏より、それぞれ以下のとおりコメントを頂いております。

通信/ICT分野に関連するオープンソースソフトウェアを開発しているMobicentsコミュニティは、OKIからのコミュニティ貢献を心より歓迎致します。既に、OKIはその高い技術力により、Mobicentsコミュニティの各プロジェクトに関してソースコードレベルから深く理解しています。特に、企業向けに必要な高信頼性に関するOKIによるフィードバックは、Mobicentsコミュニティにとって非常に価値ある貢献です。Mobicents コミュニティは、今回、OKI から提供された価値あるソフトウェア部品を我々のソースコードリポジトリ*8に取り込みました。これらのソフトウェア部品は、間もなくMobicentsの主たる配布バッケージとして利用できるようなるでしょう。
イブリン・イワノフ、Mobicents Project 創設者

OKI の開発者がMobicents コミュニティの貢献者になった今回の発表を大変うれしく思います。今回、OKI は、Spring Framework*9を活用したSIPアプリケーション開発のための新しい開発フレームワークをMobicents コミュニティにオープソースとして提供しました。このOKIの貢献により、多くのSIPアプリケーション開発者は、VoIP機能を提供する新しいアプリケーションを既存のSpringベースのアプリケーションに簡単に融合できるようになりました。また、この新しい開発フレームワークには、OKI によるこれまでのSIP技術に関する高い専門性と経験がオープンソースとして取り込まれているため、多くのSIPアプリケーション開発者は、安定性が高く非常にパワフルなSIPアプリケーションを素早く開発できるようになるでしょう。
ジョン・デルウエル、Mobicents SIP Servlet プロジェクトリード

■「SSF」の入手方法
日本語による情報提供は、以下のダウンロード・サイトから行っていく予定です。
(リンク »)
英語による情報は、以下のMobicents.orgサイトからダウンロードが可能となる予定です。
(リンク »)

「SSF」は、機能拡張を前提とした構造のため、多くの開発者が拡張していくことができます。

【「SSF」紹介サイト】
(リンク »)

【Mobicents Project】
(リンク »)

【用語解説】

*1:JBoss
OSSとして開発/提供されているJavaEEアプリケーションサーバなどアプリケーション基盤製品群のこと。商用OSSとしてレッドハット社よりサブスクリプション・ライセンスが発売されているほか、コミュニティからダウンロードして自己責任で無償利用することも可能。

*2:コミュニティ
目的や趣向を同じくする人々の集団。ソフトウェアの開発コミュニティや、ユーザーのコミュニティがある。

*3:Mobicents Project
JavaEE SIPアプリケーションサーバ「Mobicents」を開発するコミュニティ。「JBoss Coomunications Platform」は、Mobicents Projectで開発されているSIPアプリケーションサーバを商用OSSとしてレッドハット社が発売する際の製品名。

*4:オープンソースソフトウェア(OSS)
オープンソースとは、ソフトウェアの著作者の権利を守りながらソースコードを公開することを可能にするライセンス(ソフトウェアの使用許諾条件)を指し示す概念。「オープンソースソフトウェア」は、この概念に基づきソースコードが公開されているソフトウェアのこと。

*5:LGPL
OSSで採用される代表的なライセンス体系の一つ。(GNU Lesser General Public License)。他のプログラムにリンクされることを前提としたライブラリのためのライセンスとして作成された。

*6:Frameworks
Frameworkとはアプリケーションソフトを開発する際に、頻繁に必要とされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのこと。アプリケーションの雛型。JBoss.orgコミュニティ内でのカテゴリ名はFrameworks(複数形)とした。

*7:SIP Servlet
JCP(Java Community Process)によって策定されたJavaの標準仕様。VoIPで活用されているSIP(Session Initiation Protocol)を扱うために規定されたもの。情報系サービスと通信系サービスの融合を実現するアプリケーション基盤として注目されている。

*8:ソースコードリポジトリ
ソースコードが体系だてて保管されている場所。複数の開発者が参加するプログラミング環境においてソースコードや仕様に関する情報をまとめて保管してくれるシステムなどを指す言葉。

*9:Spring Framework
Javaプラットフォーム向けのオープンソースアプリケーションフレームワーク。従来的なプログラミングモデルを使わずに、効率的に複雑なアプリケーションを作成するのに必要な機能を提供する。Java開発者や組織がアプリケーションを作成する際に直面する課題に解決策を与える。広範囲なインテグレーションが可能であることから、開発現場で広く採用されている。


概要: 沖電気工業株式会社

OKIは米国でグラハム・ベルが電話機を発明したわずか5年後の1881年に創業した、日本で最初に電話機を製造した情報通信機器メーカーです。先見性と勇気をもって果敢に挑戦・行動するという、創業以来の「進取の精神」を連綿と受け継ぎ、ブランドスローガン「Open up your dreams」のもと事業展開しています。現在、「金融システム」「通信システム」「情報システム」「プリンタ」「電子部品・モジュール他」の5つの分野において、OKIグループは社会の発展に寄与する最先端技術の商品・サービスをお客様にお届けし、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献しています。詳細はこちらからご覧ください。 (リンク »)


お問合せ先:

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
広報部 村川
電話:03-5403-1247
e-mail:press@oki.com

本件に関するお客様からのお問い合わせ先
ソリューション&サービス事業本部 ソフトウェアセンタ
コンサルティング部
電話:048-431-0419
URL: (リンク »)
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]