近年、省エネや省資源を目的に機器の低消費電力化に対する要望が高まっており、動力ケーブルの電力損失対策が注目されています。動力ケーブルとしてはVCTケーブル(キャブタイヤケーブル)が広く使用されていますが、これまでケーブルの電力損失低減には導体径を太くして抵抗損失※2を下げるという方法が多く採用されてきました。しかしながら、省エネ対策として多用されているインバータに代表されるパルス電力駆動では、通常の抵抗損失に加えてケーブル内の主に容量を介して消失していく損失分※3があり、導体径を太くしても解消できませんでした。
今回、沖電線と首都大学 理工学研究科の清水教授が共同開発した低消費電力の動力ケーブル「EneSave(TM) ケーブル」では、インバータ駆動により伝送されるパルス電力の損失が、ケーブル内の容量を充電する充電電流と充電時間の掛け合わせたもので有ることに着目しました。動力線内の心線間の実効誘電率※4を小さくすることにより、動力線径を太くせずに従来のVCTケーブルと同一径で400V200W50m駆動において全体の約10%の電力低減※5が可能となりました。
さらに「EneSave(TM) ケーブル」は、長いほど電力損失の低減効果が顕著になる特長を持っています。そのため、工場や農場等に設置されるファンやポンプなどのように、比較的長いケーブルが使われる場合により高い効果を発揮します。
沖電線では、本製品を2010年7月21日~7月23日の間、東京ビッグサイトで開催される「第23回EMC・ノイズ対策技術展」(ブース番号2P-102)に出品します。( (リンク ») )
なお、会期中に行われる「出展社セミナー」において、インバータ駆動伝送路のノイズ対策や省電力化を実現するケーブル技術について発表を行います。
セミナー開催日時:7月23日(金)13:40-14:40
セミナー会場:展示会場内特設セミナー会場2(2ホール)( (リンク ») )
【特長】
- インバータ等パルス電力駆動システムで導体を太くせず、省電力化が図れます。
- ケーブル外径は従来の動力ケーブルと同等で取り扱い性に優れています。
- 各種導体サイズに対応します。
【主な仕様】
項目: 仕様
心線間実効誘電率: 2.0以下
充電に伴う消費電力低減率: VCTケーブルに比べ40%(400V 200W 50m駆動)
全体電力低減率: VCTケーブルに比べ10%(400V 200W 50m駆動)
温度定格: 80℃
心線数: 標準4心(アース含む)
適用導体サイズ: 0.75SQから8SQ
ケーブル外径: 10φ(導体サイズ0.75SQ)
【発売時期】
2010年9月
【売上目標】
2011年度1億円以上
【用語解説】
※1:独自のケーブル技術:ケーブル内の心線間の実効誘電率を従来VCTケーブルに比べバラツキ無く大幅に低減出来るケーブル技術
※2:抵抗損失:動力ケーブルに電流が流れることによる、ケーブル導体抵抗に起因する電力損失で、導体抵抗に比例して増加します。
※3:ケーブル内の主に容量を介して消失する損失分
※4:実効誘電率:構造および材料で決まる誘電率
※5:10%の電力低減:従来のVCTケーブル電力損失分と低消費動力ケーブル電力損失分の差が全体電力容量で占める割合
沖電線の耐ノイズケーブルについては以下のリンク先をご覧ください。
( (リンク ») )
※EneSaveケーブルは、商標出願中です。
※本文に記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
総合企画室 原
電話 044-754-4353
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
営業本部 営業企画部 林
電話 044-754-4360
(製品・技術に関するお問い合せ:お客様相談窓口 電話 0120-087-091)
概要: 沖電気工業株式会社
OKIは米国でグラハム・ベルが電話機を発明したわずか5年後の1881年に創業した、日本で最初に電話機を製造した情報通信機器メーカーです。先見性と勇気をもって果敢に挑戦・行動するという、創業以来の「進取の精神」を連綿と受け継ぎ、ブランドスローガン「Open up your dreams」のもと事業展開しています。現在、「金融システム」「通信システム」「情報システム」「プリンタ」「電子部品・モジュール他」の5つの分野において、OKIグループは社会の発展に寄与する最先端技術の商品・サービスをお客様にお届けし、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献しています。詳細はこちらからご覧ください。 (リンク »)
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