高性能なモバイル端末であるスマートフォン/タブレット端末は、現在急速に普及が進んでおり、業務利用への期待が高まっています。しかしながら、モバイル端末を安定して利用できる本格的な業務システムを構築するには、刻々と状況が変化する携帯ネットワークの不安定さ、端末機種のモデルチェンジの速さ、バッテリーの持ち時間、端末に格納する業務データのセキュリティなど、多岐にわたる技術的課題を解決する必要があります。さらに、キャリア毎のネットワークおよび端末の仕様の違いや、Android搭載スマートフォンへの実装スキルなど、アプリケーション開発における課題も少なくありません。モバイル業務システムの設計者・開発者は、これらの課題を解決し多様な業務要件に対応するため、業務アプリケーションの開発スキルに加え、モバイル特有の専門的な技術スキルが必要とされてきました。
「MoBiz Platform」は、システム開発者が短期間で容易に、規模の大小を問わず、幅広い業務用途にむけたスマートフォン/タブレット端末向け業務アプリケーションを構築することを可能とするミドルウェア製品です。モバイル業務システムに最適化された、かつてないユニークな3階層システム(注2)により、ローカル・アプリケーションの長所である「通信環境に左右されない良好な使い勝手と多様な要件に対応可能な柔軟性」と、Webアプリケーションの長所である「データセキュリティへの配慮と機種依存性の低さ」を兼ね備えたモバイル業務システムを実現します。
「MoBiz Platform Ver.1.1 for Android」は、端末にインストールする「MoBiz Platform Client(モービズ・プラットフォーム・クライアント)」と、サーバにインストールする「MoBiz Platform Server(モービス・プラットフォーム・サーバー)」で構成されます。不安定な通信環境、次々に登場する新端末への対応、端末のバッテリーの持ち時間やデータセキュリティなどに配慮し、常に安定動作するモバイルアプリケーションを多様なAndroid搭載端末で可能とする仕組みを、ミドルウェアとして提供します。アプリケーションの開発は、JavaEE、HTML、JavaScript等、一般のWebアプリケーション開発技術で対応可能なため、システム開発者は、モバイルシステム向けの専門的な技術スキルを習得する必要もなく、さまざまな要件に対応するモバイル業務アプリケーションを開発することができます。
【販売計画】
「MoBiz Platform」の販売については、以下2通りの形態で行います。
(1)企業のお客様へ向けたシステム受託開発
お客様の要件に応じたモバイル業務システムを、「MoBiz Platform」をベースに開発・提供します。
(2)システム開発会社様へ向けた「MoBiz Platform」の販売
モバイル業務アプリケーションの開発を計画されているシステム開発会社様への「MoBiz Platform」の提供および協業を推進していきます。
価格:システム要件、構成により変動
提供開始:2011年3月末
販売目標:
(1)企業のお客様へのシステム提供:今後3年間で50システム
(2)システム開発会社様へのミドルウェア提供:今後3年間で100システム
また、「MoBiz Platform」上で動作するアプリケーションパッケージをOKIであらかじめ用意し、お客様の要件に合わせてセミオーダー方式で提供する事業も、あわせて推進していきます。
【主な特長】
1. 不安定なネットワークに対するロバスト性(注3)を考慮した使いやすいモバイル業務システムの実現
- スマートフォンのプレゼンス(圏内・圏外、IPアドレス情報など)を常時監視し、アプリケーションの動作を制御。いつでもどこでも安定して使えるロバスト性の高いモバイル業務アプリケーションを実現。
- Push配信による利用者操作不要のデータ更新、クライアントAPの自動圏内・圏外動作切替、バックグラウンド通信、マルチタッチ対応(注4)による操作性向上など、ユーザビリティ(注5)に配慮した操作性を実現。
- 端末内のデータセキュリティ、端末のバッテリー持ち時間への配慮など、モバイルシステム特有の非機能要件(注6)を考慮した仕様。
2. 幅広い業務利用シーンに対応する開発容易性とスケーラビリティ(注7)、拡張性
- JavaEE、HTML、JavaScript等、Webアプリケーションの開発スキルを持つ開発者であれば、Android OSや通信分野の専門知識なしにモバイル業務アプリケーションを開発可能。
- クライアントAP管理には、IP電話システムのクライアント制御技術を応用。Android搭載端末数十台から数千台までシステム規模の拡大が可能な業務アプリケーションを構築可能。
- 端末周辺機器との連携等、業務要件に応じた機能拡張に対応する拡張プラグイン機能を装備。要件に応じた周辺機器とのデータ連携機能を、ミドルウェアのプラグインとして開発・提供可能。
3. マルチキャリア、マルチOS対応のシステム・ポータビリティ(注8)
- 「MoBiz Platform Ver.1.1 for Android」上に開発されたアプリケーションは、Windows Mobile 6.5以降、またはAndroid 2.2以降を搭載したスマートフォン間での高い移植性を実現。
- 「MoBiz Platform Client」は、国内3キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の機種に対応。1つのシステムに複数キャリア端末の混在も可能。
- 「MoBiz Platform Client」が対応するAndroid搭載スマートフォン/タブレット端末であれば、機種間の差異を本製品が吸収。次々に登場する新機種に、ほぼアプリケーションの改修無しで載せ替え可能なモバイル業務システムを実現。
【動作環境】
製品名:MoBiz Platform Ver.1.1 for Android Client
動作保証OS:Android 2.2以降
製品名:MoBiz Platform Ver.1.1 Server
動作保証OS:RedHat Enterprise Linux 5以降
※クライアント-サーバー間のネットワークには、VPN等の設備が必要です。
※動作確認済みAndroid搭載スマートフォン機種については、別途お問い合わせください。
※サーバーの動作には、JBoss Enterprise Application Platform等が別途必要です。
【「MoBiz Platform」紹介サイト】
(リンク »)
【用語解説】
注1:ミドルウェア
アプリケーションプログラムが動作するにあたり、ネットワーク上の他サーバーやデータベースとのやり取りなど、普遍的で面倒な手続きを要する処理が必要となる場合がある。これらとのやり取りの手順や管理をその種別単位にまとめ、OSと各種アプリケーションソフトウェアとの間に入り、汎用的な機能を提供する中間的なソフトウェアのこと。
注2:3階層システム
クライアントサーバシステムを「プレゼンテーション層」(ユーザインターフェース)、「アプリケーション層」(ビジネスロジック)、「データ層」(データベース)の3層に分割して構築したシステム。クライアント側には基本的にユーザインターフェース部分を残し、あとはサーバー側に実装する。「MoBiz Platform」の場合、必要に応じてクライアント側にもAP機能を一部実装する場合があるため、Webアプリケーションの場合とは各層の役割が少し異なる。
注3:ロバスト性
不確定な変動に対して、システム特性が現状を維持できること。環境の変化など外乱の影響による変化を阻止する性質のこと。
注4:マルチタッチ
指やペンなどで触れて操作する入力装置で、複数のポイントに同時に触れて操作することができる入力方式。
注5:ユーザビリティ
ソフトウェアの「使いやすさ」のこと。用いられる際の、有効性、効率、利用者の満足度の度合い。
注6:非機能要件
性能や信頼性、拡張性、セキュリティなど、機能要件以外のシステム要件全般のこと。
注7:スケーラビリティ
コンピュータシステムの持つ拡張性。同じソフトウェアで小規模なシステムから大規模なシステムまで同じように構築できること。
注8:ポータビリティ
ソフトウェアの分野で「異なる環境への移植のしやすさ」を意味する。
概要: 沖電気工業株式会社
OKIは米国でグラハム・ベルが電話機を発明したわずか5年後の1881年に創業した、日本で最初に電話機を製造した情報通信機器メーカーです。先見性と勇気をもって果敢に挑戦・行動するという、創業以来の「進取の精神」を連綿と受け継ぎ、ブランドスローガン「Open up your dreams」のもと事業展開しています。現在、「金融システム」「通信システム」「情報システム」「プリンタ」「電子部品・モジュール他」の5つの分野において、OKIグループは社会の発展に寄与する最先端技術の商品・サービスをお客様にお届けし、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献しています。詳細はこちらからご覧ください。 (リンク »)
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