透析治療を行っている方の4割以上は、この糖尿病性腎症が元になっています。
みなさんは「糖尿病性腎症」という病気をご存じですか?
一見、腎臓は糖尿病と何の関わりもなさそうですが、腎臓病は糖尿病の深刻な合併症の一つなのです。
糖尿病の初期には症状がほとんどないこともあります。せっかく検診などで発見されても、治療せずに放置した場合には、徐々に進行し、発病から5~10年たつと合併症が出現してきます。糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害は、糖尿病の三大合併症といわれています。
腎臓は小さな血管の集まりです。腎臓のろ過装置である糸球体は、たくさんの細小血管が寄り集まってできたものであり、高血糖がつづくと、糸球体の血管は硬くなり、組織が粗くなって、ろ過機能も次第に低下していきます。この状態を「糖尿病性腎症」といいます。
透析を導入した患者さんの原疾患(腎不全に至った元々の原因)の第一位は、この糖尿病性腎症で44.2%となっており、年々増加しています(2011年日本透析医学会調べ)。治療の開始時期が遅れると腎症は進行性になることが多く、腎症の早期診断は非常に重要です。
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■「糖尿病性腎症」の経過と治療■
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【経過】
糖尿病によって腎臓が悪くなり、最初に現れる症状はたんぱく尿です。しかし、その量にも段階があります。普通の尿検査ではあらわれない、ごく微量のアルブミン(尿たんぱくの一部)が検出された時から、厳格な血糖コントロールを行うことで腎症への進行を食い止めることも可能と言われています。
病気が進行すると、たんぱく尿が増え、ネフローゼ症候群と呼ばれる諸症状(むくみ、脂質異常など)もみられるようになり、腎臓の機能が5~10%程度になると、透析治療が必要となります。一般的に、糖尿病の方は、透析療法に移行する時期が、その他の腎臓病の方と比較して早いと言われています。
【治療】
糖尿病性腎症に対する治療は、血糖・血圧の管理と低たんぱく食中心の食事療法を行います。といっても、病気の進行度合いと病状によって、食事療法は違ってきます。
初期の段階では、食事療法の考え方は一般の糖尿病治療とほぼ同じです。すなわち、血糖値をコントロールするためにエネルギー総量を制限することに主眼をおきます。
症状が進行し、尿たんぱくの量が増えていくに従い、むくみを取るために塩分制限が必要となります。また、たんぱく質を制限しながらも、良質のたんぱくは摂取し、適切な量のエネルギー摂取は確保しなければなりません。
糖尿病から糖尿病性腎症を発症した場合、食事の管理に悩まれる方も多いようですが、食事の管理によって、腎不全への進行を遅らせることも期待できますので、血圧管理や合併症の有無など、ご自分の状態を慎重に観察しながら担当医と十分に話し合い、しっかりとコントロールすることが重要です。
▼詳しくは、腎臓サポート協会が運営する『腎臓病なんでもサイト』にて
「腎臓病と糖尿病」
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