電子書籍の国際規格であるEPUBは、すでに海外では標準規格となっており、日本国内でもEPUBフォーマットで制作された電子書籍データを採用する出版社・電子配信会社が増加するなど急速に普及しています。現在販売されている電子書籍リーダーやiOS、Android用の閲覧ソフトウエアのほとんどで、EPUBフォーマットの電子書籍を読むことができます。EPUBフォーマットには、端末の画面サイズに対応して自動的に改行する「リフロー型」と、ページのレイアウトを固定して文字のリフローを行わない「フィックスレイアウト型」がありますが、リフロー型は画像や図版が入った複雑なレイアウトの書籍ではレイアウト崩れが発生しやすく、また制作コストも高くなる為、今後、フィックスレイアウト型EPUB規格で制作される電子書籍が増加していくと見られています。
富士フイルムは、本年8月に独自の画像認識技術を活用し、フィックスレイアウト型EPUB3に準拠した電子コミック向けオーサリングソフトウエア「GT-MangaAuthor」を発売し、その操作性の良さから電子書籍業界で高い評価を得ています。今回発売する「GT-EpubAuthor for Fixed Layout」は、海外の出版社、編集・制作会社にもご利用いただけるよう、操作画面の日本語/英語表示の切り替えが可能です。また、左から読む漫画に対応するため、自動抽出したマンガコマの読み順の方向とページめくりの綴じ方向を左右どちらからからでも設定できるようにしています。さらに、画像の中にリンク先を設定しておき、クリックした位置に応じて定められたリンク先に移動する「クリッカブルマップリンク機能」や、目次項目と実際のページを紐付ける「目次ファイル設定機能」など、EPUB3フォーマットのコミックや電子書籍に必要な多彩な機能を搭載しています。
今後富士フイルムは、「EPUB3」に対応した電子書籍制作ツールや、高精細化する端末画面に対応したより美しい画像データを生成するためのソフトウエアモジュールを順次発売いたします。これらの画像処理技術を通じて、電子書籍市場の拡大に貢献していきます。
このプレスリリースの付帯情報
用語解説
*1 EPUB3フォーマット:EPUBはHTML5やCSS3などのWeb標準技術をベースにした、電子書籍データの世界標準規格。電子書籍データの国際的標準化団体IDPFが日本語に対応させた「EPUB3」を公開しており、今後日本市場でも普及が見込まれている。
*2 オーサリングソフトウエア:各種情報を編集・統合して、一つのデータにまとめるソフトウエア。
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