コグネックス株式会社(本社 東京都文京区、代表取締役 井上 誠)では、コグネックス製品の導入事例を不定期にご紹介しています。今回は、韓国の自動車メーカーにおけるバーコードリーダの活用事例をご紹介します。
自動車業界では、データを適切に管理することによって、プロセスを最適化し、高い品質保持に努めています。自動車や関連部品に関する適切なデータを保持することで、コストを低減するとともに、品質保証やリコールの問題にも迅速かつ正確に対応できるようになります。
韓国の起亜自動車(KIA Motors)は、二次元データマトリックス(Data Matrix)コードを部品に直接刻印するダイレクトパーツマーク (DPM)を使用して、エンジン部品やトランスミッション部品のトレーサビリティプログラムを管理しています。
車1台のトランスミッションには、最高30万個もの部品が使われています。中でも、主要なコンポーネント (差動歯車、T/F 駆動歯車、T/F 被動歯車、キャリア、O/D クラッチ、変速機のケース、ハウジング、バルブボディなど) は、製造工程の最初から最後まで追跡されます。さらに、約20万個の部品から構成されるエンジンの主要コンポーネント (ピストン、シリンダーヘッド、エンジンブロック、カムシャフト、クランクシャフトなど) の追跡は製造工程と流通の過程の全てで厳重に行われます。
起亜自動車のトレーサビリティプログラムでは、部品にマークされた二次元データマトリックスコードを読み取り、そのコードが適切な部品と一致しているかどうかが判断されます。その後、製造日やモデル番号などの製造情報がシステムのサーバーに保存され、完全なトレーサビリティが実現します。
■6 速トランスミッションの製造ラインで読み取り率 99%を達成
起亜自動車は、製造システムを 6 速トランスミッション製造ラインにシフトしてから、トレーサビリティ確保のために二次元データマトリックスコードの読み取り率の向上に重点を置いてきました。それまでのトランスミッション製造ラインでは1日に約1,800ユニットを生産していましたが、読み取り率は 96~97%に留まっており、さらに1日あたり1,300~1,400台を生産していたエンジンラインでの読み取り率も97%に達していませんでした。
同社は、この生産ラインで読み取り率をわずか2~3%上げるだけで、歩留まりの上昇や生産コストの削減、作業効率の向上など、さまざまな利益が得られることは分かっていました。 しかし、それまで使っていた工業用バーコードリーダは頻繁にコードの読み取りエラーを起こし、そのたびに製造機械が停止してしまい、その上、リーダは手動で操作されていたため、製造サイクルをスケジュールに合わせることが難しくなり、作業効率や歩留まりが大きく低下していました。さらに、コード読み取りに誤りがあった場合、正しい部品が使用されず、製品に不具合を引き起こす可能性もありました。
特にこのラインでは、6速のトランスミッション部品が小型であるため、読み取りが難しい小さなデータマトリックスコードが使われていました。しかも、マーキング領域を10x10から5x5の極小サイズにさらに縮小していたため、その結果、マーキングの品質も低下していました。
このような課題を抱えていた起亜自動車は、6速トランスミッション製造ラインにコグネックスの工業用バーコードリーダを導入し99% の読み取り率を達成したことで、全ての課題を解決することができました。コグネックスの工業用バーコードリーダは、特許取得済みの強力な読み取りアルゴリズムにより最適化され、非常に読み取りが難しいDPMやラベルに印刷された印字状態の悪いコードでも、常に99% 以上という最高の読み取り率を達成できるのです。
■特許取得済みの二次元コード読み取りアルゴリズム
起亜自動車の自動車部品の組み立てには、防錆オイルスプレーが使用されています。このオイルがコードの上に付着することが原因となって発生するコード読み取りエラーも、リーダが回避しなければならない課題の1つです。また、二次元データマトリックスコードを洗浄し、きれいに保っていたつもりでも、汚れや引っかき傷が付いていたりする可能性があります。さらに、マーキング領域のサイズが縮小されているため、コードは非常に小さく、マーキング品質のばらつきも大きくなり、これがさらに読み取りを難しくしています。
しかし、コグネックスの工業用バーコードリーダなら、このような問題で読み取りエラーを起こす心配は一切ありません。コグネックスが独自開発したコード読み取りアルゴリズム2DMax+は、コードの損傷やマーキング面がどんな状態であっても、ほぼすべての二次元コードを問題なく読み取ることができます。さらに、Ethernet対応により、コグネックスのバーコードリーダを工場のネットワークに直接統合し、通信装置を使用せずに、PLCと直にデータをやり取りすることができます。
起亜自動車は、すべてのトランスミッションとエンジンコンポーネントの組み立て現場に一次元・二次元コードリーダ機能を持つコグネックスのIn-Sight 5110ビジョンシステムを導入しました。狭小スペース用には手のひらにすっぽり収まるコンパクトな筐体のIn-Sight Micro 1110 を採用し、さらにバックアップシステムとしてハンディタイプのDataMan 8500 ハンドヘルド型バーコードリーダも採用しました。また、製造ラインでのレーザーマークの品質チェックには、固定型のDataMan 100X バーコードリーダも使用されています。
起亜自動車は、コグネックス製品を採用したことで、どんな種類・状態のコードも読み取り率99% 以上を達成することができ、読み取りエラーにより発生するライン停止や製品不具合への心配がなくなり、歩留まりの上昇や生産コストの削減、品質向上、作業効率の向上を実現することができました。
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コグネックス株式会社
コグネックス株式会社(本社、東京都文京区)は、コグネックスコーポレーション100%出資の下、1988年に設立され、半導体、エレクトロニクス業界を中心に急成長を遂げました。コグネックス株式会社は日本市場において画像処理システムの輸入、販売、サポートを行う画像処理のトータルソリューションプロバイダであり、コグネックスグループの中で最も重要な拠点のひとつとなっています。
詳細は、Webサイト ( (リンク ») ) をご覧ください。
コグネックスコーポレーション
コグネックスコーポレーション(本社米国)は、画像処理技術を基盤とした画像処理システム(ビジョンシステム)、画像処理ソフトウェア(ビジョンソフトウェア)、画像センサ(ビジョンセンサ)、産業用バーコードリーダの設計、開発、製造、販売において、世界をリードする企業です。革新的な技術を搭載しているコグネックスの画像処理システムとバーコードリーダ製品は、生産や流通の工程において、広範囲にわたる検査、認識、識別、位置決めで、世界中に採用されています。1981年の創業以来30年にわたって、累計収益30億ドル以上、出荷台数85万台以上の実績をもち、最高の精度、信頼性、性能を提供する製品として全世界で高い評価を得ています。コグネックスは、米国のマサチューセッツ州ネイティックに本社を構え、日本、北米、ヨーロッパ、アジア、中南米などの拠点、さらには400社以上のパートナーを含め、全世界をカバーするグローバルな体制で、卓越したサービスをお届けしています。
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