丸紅情報システムズ株式会社
カーボンナノチューブコーティング導電繊維製品「CNTEC」の取り扱いを開始
丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:東京都渋谷区、社長:小川 和夫)は、カーボンナノチューブ(以下CNT)を繊維にコーティングした新しい導電繊維製品「シーエヌテック(以下 「CNTEC」)」の販売を開始します。CNTが持つ高い導電性などいくつかの特性を、布状の繊維を通じて提供します。
「CNTEC」は、CNTをポリエステル糸に均一にコーティングした導電繊維で、これを織り込むことで導電性・柔軟性・軽量といった特性を有する布製品となっています。この布に電極を付加し通電すると、布全体が発熱するファブリックヒーター(面状発熱体)として使用することができます。繊維面全体が偏りなく発熱し、かつ低消費電力という特長があり、降雪地域向けの融雪器具や自動車をはじめとする防寒対策のシートヒーティングなど、さまざまな用途を想定しています。他にも、面状の導電体としての特性を利用し、静電容量の変位を計測して濡れなどを検知する用途や、CNTが電磁波を吸収する特性を生かした電磁波吸収繊維としての可能性が検討されています。
「CNTEC」には、エムシスが国内代理店として取り扱う米シーナノテクノロジー(CNano Technology, Ltd. 本社:米国カリフォルニア州、社長:タオ・ツェン/Tao Zheng、設立 2007年、以下 シーナノ)製CNT材料を使用する予定です。半製品である「CNTEC」の最終製品化には2次加工が必要となるため、エムシスは布の加工において3社のパートナー企業と協力し、顧客からの要望に対応します。パートナーは、株式会社タムラ製作所(本社:東京都練馬区 社長:田村 直樹、以下 タムラ製作所)、図書印刷株式会社(本社:東京都北区 社長:沖津 仁、以下 図書印刷)、ユニオンツール株式会社(本社:東京都品川区 社長:片山 貴雄、以下 ユニオンツール)の3社。各社が強みを持つ技術分野において専門性を発揮し、CNTECの製品化と拡販に協力して取り組みます。
エムシスは製品のマーケティングと販売を行い、「CNTEC」の活用を検討する顧客の要望に応じて、最適なパートナーと共に実用化に取り組みます。「CNTEC」はファブリックヒーターなど電化製品での用途が見込まれており、タムラ製作所のエレクトロニクス技術により独自性と信頼性を高めます。また、図書印刷の印刷技術を応用し、布製品である「CNTEC」の製品力の向上をめざしています。ユニオンツールは、国内外トップシェアの電子回路基板用超硬ドリルをはじめ生産設備まですべての開発・製造を内製化する高い「ものづくりの力」で、さまざまな加工ニーズにフレキシブルに対応することが可能です。
エムシスは、2009年10月よりCNT事業に参入し、国内販売代理店としてシーナノ製CNTを販売してきました。これまでに販売で培った知見を活かし、CNTが有する優れた性能を応用し「CNTEC」の普及を推進します。
今回の製品加工販売にあたり、パートナー各社より下記のコメントをいただいています。
株式会社タムラ製作所 (執行役員 ブロードコム事業部長 舞木 孝一郎 氏)
『当社は、長年の間に蓄積してきた経験と培ってきたノウハウをベースに、発想力を育て、開発力を鍛え、具現化していく技術力を高めていくさまざまな取り組みをグループ全体で続けています。電源供給技術など当社が強みを持つ技術力を活かし、新たな素材である「CNTEC」をエレクトロニクス分野から支えるパートナーとしてご協力できることを楽しみにしております。』
図書印刷株式会社 (技術開発本部製造技術部長 金丸 一朗 氏)
『この素材は、非常に大きな可能性を持っていると思います。印刷技術を応用して、この素材の可能性を引き出したいと考えています』
ユニオンツール株式会社 (取締役 製品開発統括部長 小林 末呉 氏)
『当社は、日本で初めてプリント配線板用超硬ドリルを製造し、世界を相手に同分野での技術的リーダーを自負しております。消耗工具ではありますが、年間約10億本の需要がある珍しい切削工具を手掛ける中でドリル製造機械の自社開発・製造を強みとしてまいりました。設備の改良・進化のたびに、パイオニアとしての誇りと自信を結集し、そのノウハウの積み重ねも非常に多岐にわたっております。今回、製品化における様々な加工面で、この画期的新製品「CNTEC」に関わらせていただくことになりましたが、まさに日本が世界に誇れる素材技術を広めるお役にたてることを楽しみにしております。主力の切削工具や応用性・耐久性の高い直線運動軸受製品、測定機器、そして現場の広範な調整力をもって、この取組みをサポートさせていただくつもりでおります。』
「CNTEC」紹介WEBサイト: (リンク »)
<参考>
「CNTEC」とは
株式会社クラレ及び子会社のクラレリビング株式会社が、北海道大学等との産学連携により開発したCNTコーティング導電繊維製品です。
【クラレリビング株式会社について】
設立: 1955年
本社: 大阪府大阪市北区角田町8-1
代表取締役社長: 鳥生 雅夫
事業内容: クラレグループ素材を使用したリビング製品の製造・販売
ホームページ: (リンク »)
【株式会社タムラ製作所について】
設立: 1939年
本社: 東京都練馬区東大泉1-19-43
代表取締役社長: 田村 直樹
事業内容:電子部品・電子化学材料・はんだ付装置・情報通信機器・放送機器・ネットワーク機器の製造・販売
ホームページ: (リンク »)
【図書印刷株式会社について】
設立: 1943年
本社: 東京都北区東十条3-10-36
代表取締役社長: 沖津 仁彦
事業内容:出版印刷、商業印刷、その他印刷周辺事業
ホームページ: (リンク »)
【ユニオンツール株式会社について】
設立: 1960年
本社: 東京都品川区南大井6-17-1
代表取締役社長: 片山 貴雄
事業内容:切削工具の製造・販売、その他機械要素部品の製造・販売
ホームページ: (リンク »)
【丸紅情報システムズについて】
丸紅情報システムズは、最先端ITを駆使した付加価値の高いソリューションやサービスを、お客様視点で提供するソリューションプロバイダです。製造・流通・サービス・小売・金融業を中心とする様々な業界の知見と高度な提案力、コンサルティングからシステム設計・構築、運用・保守サービスまでをワンストップで提供する総合力、そして、グローバルな視点からお客様の差別化に貢献する最先端技術が私たちの強みです。エンタープライズソリューション、製造ソリューション、プラットフォームソリューション、コールセンターソリューションとデータセンターを軸とするビジネスサービスの5つの事業展開でお客様のビジネスを支援します。
<製品に関するお問い合わせ>
丸紅情報システムズ株式会社
広報・業務推進部 業務推進課
電話: 03-5778-8780
URL: (リンク »)
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