慢性腎臓病(CKD)の方は、体からの薬の排泄が悪くなり、血液中の薬の濃度が高くなり過ぎて、副作用が出やすくなったり、薬の影響で腎機能がさらに悪化してしまうことがあります。全ての薬でこのようなことが起こるわけではありませんが、薬を飲むときには、十分な注意が必要です。
虎の門病院 腎センター 諏訪部 達也 先生から詳しくお話を聞きます。
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体から薬の排泄はどのようにおこなわれるのか?
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水に溶けやすい薬(水溶性薬剤)はそのままの形で腎から排泄されることが多いですが、水に溶けにくい薬(脂溶性薬剤)は肝臓で水に溶けやすい物質に変換されてから、胆汁中または腎から排泄されることが多いです。
CKDの方では、腎機能が低下しているために腎臓からの排泄量が減少するので、特に水溶性薬剤について注意する必要があります。
脂溶性薬剤であっても、代謝物が体に蓄積して副作用が起きることがありますので、どちらにしても薬には細心の注意を払いたいものです。
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特に危険な薬は何か?
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<重大な副作用を起こす可能性があるのは?>
●不整脈の薬
血中濃度が上がりすぎると、逆に危険な不整脈を起こすことがありますので、血中濃度を測定しながら投与量を決めます。
●抗ウイルス薬
意識障害などの深刻な副作用が起こる可能性があり、腎機能に応じて投与量を調整する必要があります。
<ごく普通の薬だけど要注意!>
●胃薬や便秘薬
成分であるアルミニウムやマグネシウムが体内に過剰に蓄積される可能性があり、CKDの方は量を少なくした方がよいことがあります。
●抗生物質
CKDの方では、多くの抗生物質の量を減らす必要があります。
<腎機能を悪くする薬>
●痛み止め(消炎鎮痛剤)
透析を受けていない保存期の腎不全で中等度以上の腎機能障害(eGFR
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