腎臓病と血液検査:押さえておきたい意味と数値

NPO法人 腎臓サポート協会

From: Digital PR Platform

2014-08-26 19:13


NPO法人腎臓サポート協会では、会報誌『そらまめ通信』の送付やホームページ『腎臓病なんでもサイト』などを通じて、腎臓病の皆様に役立つ情報を提供しております。
今回は、『そらまめ通信』vol.74から、腎臓病の検査に関するコラムをご紹介いたします。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 慢性腎臓病対策 腎不全治療学 教授、杉山 斉 先生に「血液検査」からどのようなことが分かるのかを教えていただきました。

――――――――――――――――
●腎臓病で血液を調べるのはなぜ?
――――――――――――――――
腎臓の最も重要な働きは血液中の老廃物を尿として体の外に排泄することです。この働きを「腎機能」といい、血液に含まれる老廃物を調べることで確かめられます。
尿検査が腎臓のいたみ方を知る検査であるのに対して、血液検査は腎機能を調べることが最大の目的です。
腎臓は他にも多くの役割をしているため、腎機能が悪くなるとそれぞれに関連する検査値の異常が出てくることもあります。
血液検査の数値は難しく感じるかもしれませんが、少しわかれば健康管理におおいに役立ちます。ここではまず覚えたい大切なものを説明します。

――――――――――――――――――――――――
●血清クレアチニン(Cr)と推算糸球体ろ過量(eGFR)
――――――――――――――――――――――――
クレアチニン(Cr)は筋肉がたんぱく質を利用した後にできる老廃物で、腎臓から尿に排泄されます。
腎機能が落ちてくるとうまく排泄できず血液中にたまって数値が上がります(Crの正常範囲はおおよそ0.5~1.1mg/dl)。
腎機能を知る上で最も大切な検査ですが、筋肉量の多さにより個人差があるため、Cr値と年齢・性別から計算されるeGFRをあわせて用いるようになりました。
eGFR値はほぼ腎機能の割合を示しておりeGFR60(ml/分/1.73m2)であれば腎機能が正常の60%程度と考えられます。Cr値が上がるほどeGFRは低下します。

――――――――
●尿素窒素(BUN)
――――――――
BUNは食べたたんぱく質が体内で利用された後の老廃物で、Crと同様に尿に排泄され、腎機能が低下すると血液中にたまって数値が上がります(正常範囲5~20mg/dl)。
たんぱく質の食べ過ぎや脱水症、発熱、胃潰瘍の出血などでも数値が上がることがあります。

――――――――――
●その他の血液検査
――――――――――
腎臓は体内環境を一定に保つためにミネラルの濃度調節を行っており、腎機能が落ちるとこれらのバランスが崩れてきます。血液中にたまりやすいミネラルではカリウム(K)とリン(P)、不足するものはカルシウム(Ca)です。
Kが高くなると命にかかわる不整脈がおこったり、Pがたまると骨がもろくなったり血管が痛みやすくなります。Caが減ってくると骨がもろく骨折しやすくなったり筋肉のひきつりが出ることがあります。
また腎機能が落ちると赤血球を作るホルモンの分泌が減って貧血になりやすいため、ヘモグロビン(Hb)という赤血球に含まれる物質の量を調べます。
これらの異常はeGFRが30以下になるとおきやすくなります。食事療法やお薬、注射によってもある程度改善できます。

※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.74 診察室から』からの抜粋です。


■会報誌「そらまめ通信」のご紹介
(リンク »)
『そらまめ通信』は、ただ今Vol.76を発刊中!
当協会の会員にご登録いただいた皆様に、無料で配布しております(偶数月発行)。
ご覧になりたい方、ぜひ無料会員にご登録ください。
(ホームページでは「そらまめ通信」の一部がお読みいただけます。)

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]