WordPressがCMSプラットフォームからWebアプリケーションプラットフォームへと進化を遂げるにつれ、私たちに期待される内容も変わってくるようになりました。数年前くらいから、「WordPressでこれ実現できますか?」という問い合わせが大手企業や公的機関から寄せられるようになりました。この段階では、クライアントの層が変わっていったのと、予算内で機能的に実現できるかどうかというのが焦点でした。
ですので、私たちの売上の半分以上はエンタープライズレベルのWebアプリケーションとしての性質をもつWordPressサイトの構築です。ですが、この1、2年で売上に占める割合が2割近くまでに急激に伸びているは、実はWordPressサイトの構築ではありません。
それは、WordPressサイトのマネージドサービスです。具体的には、構築されたWordPressサイトのアプリケーションレベルからインフラレベルまでのサーバホスティングを含む保守サービスです。そして、その中心はスケーラビリティとパフォーマンスです。
これには理由があります。
WordPressはもともとブログやCMSプラットフォームとして利用されてきました。そして、一般的な用法に従ってさえいれば、スケーラビリティやパフォーマンスもそれなりには確保されています。しかし、Webアプリケーションとして拡張でき、自由度が増すことと、スケーラビリティやパフォーマンスを確保することの間に相反する関係があります。当然、すべての要件が開発前に全部確定しているか、PDCAを回しながらアジャイルに開発するということであれば、この両者のバランスもとれるかもしれません。しかし、実際の現場では、開発前に予算と納期が確定していて、これは動かせないというケースが多いです。
では、どうすれば良いのか?そこについてはここでは踏み込みません。
存在する事実は、そのうちのいくつかはスケーラビリティやパフォーマンスについて大きな問題が発生するということです。これは、すべてのプロジェクトについてではなくそのうちのいくつかについて、そして事後的に発生します。しかし、WordPressはそのような問題が発現する可能性を補ってあまりあるほどに便利で有用なのです。
私たちが担当したのもではありませんが、最近、大型のリニューアルで話題になった私がOBとして個人的に関係するあるWordPressサイトにアクセスしてみました。トップページやいくつくかのページにアクセスしたところ、一見普通に表示されているように見えましたが、ページのキャッシュが切れた直後や有効になっていないページでは、最初のHTMLが返ってくるまで2秒以上かかりました。おそらく、そのURLに10人が同時にアクセスしたらこのWebサイトは落ちます。この状態であれば管理画面内での操作も同様だろうということが容易に想像できます。場合によってはページの更新がタイムアウトで戻ってこないということもあるでしょう。
これは、一例ですが、このようなWebサイトがそれなりに存在するというのは想像できない話ではないはずです。そして、私たちの売上げの2割を急激に占めるようになったサービスはこの課題を解決するものです。
そして、この事実にはもう一つ重大な事実があるのです。
(未来につづく)
【Webアプリケーション開発の未来~その1】
(リンク »)
【Webアプリケーション開発の未来~その2】
(リンク »)
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