株式会社酒文化研究所
人気が定着してきたクラフトビール
酒飲み1000人に聞く「酒飲みのミカタ」。今回のテーマは、最近人気の高まる「クラフトビール」です。ビールの最低製造数量が60klに緩和されて地ビールが登場したのが1994年。当初はブーム化して活況を呈しましたが、やがて撤退するところが相次ぎました。しかし生き残った小規模個性派ビール中から海外のコンテストで入賞するものも続々と登場して、最近ではビアフェスティバル(以下ビアフェス)などの試飲イベントは大盛況です。
先日発表された国税庁の地ビール・発泡酒の製造概況調査によると平成25年の製造者数は166社で、平均販売金額は8700万円弱・前年比14%増加と好調に推移しています。最近は呼び方も地ビールではなくクラフトビールが主流になってきました。(※回答者は弊社刊「さけ通信」の読者モニターで、「ほとんど毎日酒を飲む」と言う方が7割、酒のヘビーユーザーであり、酒への関心の高い方々です。)
半数は一年以内に飲んだ経験があり、認知率も9割に迫る
回答者の中でクラフトビールという言葉を知っていた人は84%でした。飲用経験は、「1月以内にあり」が21%、「半年以内にあり」16%、「一年以内に飲んだ」15%と、半数の人は一年以内に飲んだことがあり、一度も飲んだことがない人は23%でした(図(1))。
飲んだ場所を聞いてみると、最も多かったのは「自宅」で45%になりました。新しいお酒や飲み方は料飲店で体験した後に家飲みに進むケースが一般的ですが、クラフトビールは自宅での飲用が多数派です。もちろん「ビアフェスなどイベント」も21%、「一般の飲食店」も16%と自宅外でも飲まれています。また、醸造所併設のパブ(ブルーパブ)やクラフトビール専門パブなど飲むことを目的に出かけて行く場所で飲んだという方も8%ほどあがりました(図(2))。このような専門店はまだ一部の都市周辺にしかないことを考えると出店の余地は大きそうに思われます。
女性からの人気が高いクラフトビール
参考までに直近半年以内での飲用経験を男女別にみると、女性が46%なのに対して、男性は34%と12ポイントも差が出ました。飲んだ場所を聞いても女性は「ビアフェスなど」が43%、「専門パブ」も23%と男性を大きく上回りました。どちらもクラフトビールを飲むこと自体が目的となる場所であり、いろんなビールの飲み比べができる点で自宅で飲むのとは様相が異なります。日本ではビールといえばピルスナーラガータイプのホップを効かせた苦味のあるものが主流ですが、クラフトビールではフルーツやハーブ入りのものや、香りが華やかなエールタイプなど、苦味の少ないビールも多くあります。このあたりが女性からの人気が高い要因かもしれません。
回答者の8割は今後も飲んでみたい
今後の飲用意向は、「是非飲みたい」31%、「機会があれば飲みたい」50%と高くなりました。クラフトビールは高いと言っても手軽に楽しめる範囲の価格であることや商品数が多いことも関心度の高さにつながっているのでしょう(図(3))。
■調査概要
調査時期2014年9月28日(日)~2014年10月3日(金)
調査対象酒文化研究所の酒好きモニター(N=1453)
有効回答143(回答率10%)
調査方法インターネットによる自記入式アンケート調査
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