新日鐵住金株式会社(代表取締役社長 進藤孝生 以下、「新日鉄住金」)と日鉄住金ステンレス鋼管株式会社(代表取締役社長 八尾量也 新日鉄住金100%出資子会社 以下、「NSSP」)は、高圧水素用ステンレス鋼「HRX19(R)」を開発し、製造・販売を開始しました。既に、商用水素ステーションの高圧水素環境下における配管や継手・バルブなどに採用されています。
また、2015年2月25日(水)~ 27日(金)に東京ビッグサイトで開催されるFC EXPO 2015第11回国際水素・燃料電池展に初めてHRX19(R)を出展します。
HRX19(R)は、新日鉄住金が開発した高強度オーステナイトステンレス鋼であり、素材から最終製品まで一貫した品質保証体制のもとで製造しております。
HRX19(R)は、(1)耐水素脆性、(2)高強度材料、(3)溶接施工性の3つの特長があり、水素ステーション建設のコスト削減、保全性・安全性向上に貢献します。
(1) 耐水素脆性
Ni添加量を既存材のSUS316Lレベルに抑えつつ、Niと比較して安価な元素であるMn添加量やCr添加量を適正化(*1)することでオーステナイト系ステンレス鋼では最高レベルの耐水素脆性を実現しました。これにより水素ステーション配管の長寿命化及び安全性向上を実現しております。
(2) 高強度材料
HRX19(R)は、既存材のSUS316Lに比べ、約2倍の強度を有しています。従い、高圧水素環境下でも薄肉化設計を実現し、配管内径の径大化による大容量、短時間水素充填を実現するステーション設計ができます。また、軽量化によるコスト削減メリットがあります。
(3) 溶接施工性
既存材のSUS316Lは配管同士をネジで結合する施工法が一般的です。この施工法の場合、1つのステーションにおいて数百個の継手が必要となり、施工工数がかかります。それに対して、HRX19(R)は優れた溶接性を有しており、溶接施工法を適用可能です。これにより、施工及びメンテナンスコストの削減に貢献します。
HRX19(R)は、岩谷産業株式会社や東京ガス株式会社などの商用水素ステーションを始めとして、既に複数の水素ステーションに採用されています。今後、水素社会の実現に必要なインフラの構築を加速させるよう、鋼材供給の観点から貢献してまいります。
(*1) 耐水素脆性の指標であるNi当量(12.6C+0.35Si+1.05Mn+1.0Ni+0.65Cr+0.98Mo)を32%以上となるように成分を最適化しました。
▼「水素・燃料電池展 FC EXPO 2015」の詳細は以下ホームページよりご確認ください。
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※「HRX19」は、当社の登録商標です。
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