沖縄県久米島沖に有望な海底熱水鉱床の存在を確認

JOGMEC

From: Digital PR Platform

2015-01-28 16:41


 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、平成26年9月に海上保安庁が地形調査等によってチムニー群の存在を発表※1していた沖縄県久米島沖において、平成26年11月に遠隔操作無人探査機(ROV)を用いた海底観察と試料採取を実施し、この海域に有望な海底熱水鉱床が存在することを確認しました。

 この鉱床存在域(海上保安庁の自律型無人潜水機(AUV)「ごんどう」にちなみ、「ごんどうサイト」と仮称)は、南北1,500m、東西300mの範囲に多数のチムニー(尖塔状地形)やマウンド(小丘)※2が存在し、観察の結果、これらは熱水噴出に伴う沈殿物等からなる海底熱水鉱床であることを確認しました。 また、広範囲で採取した6試料の平均品位は、銅13.0%、亜鉛12.3%等、高品位であり、本鉱床の水平的な広がりや鉱石品位は、JOGMECが調査を継続している伊是名海穴「Hakureiサイト」※3や伊平屋小海嶺周辺「野甫サイト」※4の鉱床に匹敵するものと期待されます。
 今後、JOGMECは、ボーリング調査等を行い、資源量を評価する予定です。 

1.経 緯
JOGMECは経済産業省の委託を受け、沖縄海域伊是名海穴でのボーリング調査を主体とする海底熱水鉱床の資源量の把握を実施すると共に、周辺海域で新たな海底熱水鉱床の発見を目的とした地形調査、海底観察、試料採取等による広域調査を実施しています。
本調査を実施した沖縄県久米島沖の海域は、海上保安庁が、平成26年6月にAUV「ごんどう」を用いて精密地形調査等を行い、海底に多数の尖塔状地形を発見し、また、急激な水温の上昇も観測したことから、海底熱水鉱床の存在を推定し、9月に発表していた海域です。 
JOGMECは平成26年10月に海上保安庁からの調査データの提供を受け、平成26年11月に民間調査船を活用し、ROVによる海底観察と試料採取を行った結果、有望な海底熱水鉱床の存在を確認しました。

2.調査結果の概要
「ごんどうサイト」でのROVによる海底観察(3測線延べ3km)の結果、発見されていた尖塔状の地形の多くは黒色~透明の熱水が激しく噴き出す高さ10m級のチムニーであり、20mを超えるものも認められました。 特に、中央山体(直径300m)では尾根から頂上にかけて最も熱水活動が激しく列状に分布しています。 裾野から緩傾斜域では活動を停止した10m級のチムニーが林立しています。 チムニーの周囲にはチムニーが崩れてできた円錐状の高まり(マウンド)が形成されています。 
頂上のチムニーやその倒壊物、マウンドの裾野の沈殿物等で鉱石を採取し、6試料(重量計2kg)の金属含有率(鉱石品位)の分析を行ったところ、平均値は銅 13.0%、鉛 5.2%、亜鉛 12.3%、金 1.7g/t、銀 326.0g/tであり、銅の品位が高いことが特徴です。 分析を行った各試料の品位は下表のとおりです。


【用語の説明】

※1:海上保安庁 プレスリリース
(掲載日:平成26年9月19日)
「久米島沖に国内最大のチムニー群を発見」
(リンク »)

※2:マウンド、チムニー
海底熱水活動によって海底に生成される硫化物の柱状の構造物を「チムニー」と呼びます。熱水が海底面から噴出し、その周辺に金属成分等が沈殿することにより煙突状の構造物がつくられたものとされています。チムニーは、成長、活動停止、倒壊を繰り返すことで、周辺に礫状の鉱石塊や沈殿物を堆積させ、長年の間に硫化物からなる丘状の地形「マウンド」を形成します。

※3:伊是名海穴
沖縄本島北西約110kmに位置し、北北西-南南東方向に伸びる、長軸6km、短軸3kmの楕円形の窪地地形からなり、窪地の中に「Hakureiサイト」と「JADEサイト」と呼ばれる二つの海底熱水鉱床が確認されています。JOGMECが平成24年度までに「Hakureiサイト」で実施した資源量調査の結果、海底表層部の資源量は340万トン、全体の平均品位(金属の含有量)は、銅0.33%、鉛2.52%、亜鉛7.25%、金2.6g/t、銀216g/tであり、金の品位は、陸上の金鉱山と同等程度の値を得ています。
 
(掲載日:平成25年7月5日)
「海底熱水鉱床開発計画第1期最終報告書」の取りまとめ
(リンク »)

※4:伊平屋小海嶺周辺 「野甫サイト」
沖縄本島北西沖の伊平屋小海嶺周辺に位置し、南北1km×東西600mの範囲に、大小20個以上のマウンドと呼ばれる円錐状の高まりが確認されています。「野甫サイト」中央には最大規模の高さ約30m、直径約100mに及ぶマウンドがあり、全体(6試料)の平均品位銅0.53%、鉛7.81%、亜鉛12.03%、金3.3g/t、銀911g/tを含む海底熱水鉱床を形成しています。マウンド分布域の広がりは、伊是名海穴「Hakureiサイト」の海底熱水鉱床に匹敵します。

(掲載日:平成26年12月4日)
「沖縄本島北西沖に新たな海底熱水鉱床の存在を確認」
(リンク »)



2.調査結果の概要
「ごんどうサイト」でのROVによる海底観察(3測線延べ3km)の結果、発見されていた尖塔状の地形の多くは黒色~透明の熱水が激しく噴き出す高さ10m級のチムニーであり、20mを超えるものも認められました。 特に、中央山体(直径300m)では尾根から頂上にかけて最も熱水活動が激しく列状に分布しています。 裾野から緩傾斜域では活動を停止した10m級のチムニーが林立しています。 チムニーの周囲にはチムニーが崩れてできた円錐状の高まり(マウンド)が形成されています。 
頂上のチムニーやその倒壊物、マウンドの裾野の沈殿物等で鉱石を採取し、6試料(重量計2kg)の金属含有率(鉱石品位)の分析を行ったところ、平均値は銅 13.0%、鉛 5.2%、亜鉛 12.3%、金 1.7g/t、銀 326.0g/tであり、銅の品位が高いことが特徴です。 分析を行った各試料の品位は下表のとおりです。

   
                   
                 
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