従来、時刻同期が必要なアプリケーションサービスを実現するためには、時刻同期技術を持つSDH(※2)やOTN(※3)などの伝送路サービスが利用されてきました。近年は、コストパフォーマンスが高いIPやイーサネットへのネットワークリプレースが進んでいます。しかし、これらのネットワークは標準で時刻同期機能を持たないことから、高精度な時刻同期をIPやイーサネット上で実現可能なプロトコル「IEEE 1588 v2(PTP)(※4)」や、本規格をベースにした「ITU-T G.8265.1 Telecom Profile(※5)」が策定されました。
また、下記スマートグリッド(※6)の事例が示すように、モバイルバックホール(※7)など含め、大量のノードを極めて高精度に同期させる需要が高まり、NTPより高精度なPTP技術が求められるようになってきました。
事例)スマートグリッド(※6)が及ぼす電力事業環境の変化:
これまでは電力会社が中央集中的に大規模な発電所からの送・配電をコントロールし、全体の電力需要と発電量のバランスを制御していました。
一方、スマートグリッドでは、不安定な自然エネルギーや需要家が発電している余剰電力が電力網に流入するため、発電・送電・配電・消費の全ての箇所で情報を双方向に共有しエネルギーを制御します。そのため、電力のモニタと制御をおこなう各ノードが高精度に同期する必要性があります。
こうしたニーズに応えるため、「Time Server Pro.シリーズ」は、「IEEE 1588 v2(PTP)」や、「ITU-T G.8265.1 Telecom Profile」などの規格で規定されているGMC機能をサポートしました。IPやイーサネット化したネットワークに効果的に配置することで、高精度な時刻同期ネットワークの構築が可能になります。また、全製品共通で時刻精度±50ナノ秒(GNSSロック時)を提供します。
【主な特長】
● TS-2950
・高精度と高可用性を実現した汎用タイプ
・実績のあるNTPサーバ機能に加え、GMC機能を標準搭載
・ファーストリリースではIEEE 1588v2機能をサポート、1PPSや10MHz、接点出力などの拡張基板の追加実装も可能な1Uモデル
● TS-2910
・ハーフラックサイズの小型タイプ
・PTP専用モデルとして高精度な時刻配信を優れたコストパフォーマンスで実現
・ファーストリリースではITU-T G.8265.1 Telecom Profileを標準サポート
セイコーソリューションズでは、「Time Server Pro.シリーズ」をはじめ、これからも、システムの安定運用を実現するため、時刻関連製品のラインアップを拡充してまいります。
なお、「Time Server Pro.シリーズ」は、2015年6月10日(水)~12日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2015」のセイコーソリューションズブースにて展示いたします。
【発売開始】2015年7月
【販売価格】オープン価格
◇ 本文中に記載されている会社名、製品名などは、各社の商標または登録商標です。
このプレスリリースの付帯情報
用語解説
注釈(※)
※1:グランドマスタークロック(Grandmaster Clock):IEEE 1588 version2 PTP
(Precision Time Protocol)対応タイムサーバ
※2:SDH(Synchronous Digital Hierarchy):同期デジタル・ハイアラーキ
※3:OTN(Optical Transport Network):光伝達網
※4:IEEE 1588 version2 PTP(Precision Time Protocol):IEEE規定の高精度時間プロトコル
※5:ITU-T G.8265.1(Telecom Profile):ITU-T規定の高精度時間プロトコル
※6:スマートグリッド:電力の流れを供給側・需要側から制御・最適化が可能な電力網
※7:モバイルバックホール:携帯電話基地局を収容してモバイルコアネットワークに接続するための中継回線
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