AsiaNet 63622
March 02, 2016
【概要】
・中国の需要増が市場成長をけん引
・APAC新興国、中東&アフリカが大きく伸長
・2016年通年のスマートフォン販売は数量前年比7%増の見込みを予測
2015年第4四半期(10-12月)におけるグローバルのスマートフォン販売台数は前年比6%増の3億6800万台となった。これは、2015年第3四半期との対比では14%増であった。第4四半期の販売金額は、平均価格が前年を6%下回ったことにより前年並みの1152億USドルにとどまった。なお、2015年通年では、販売台数は前年比7%増の13億台に達した。平均価格が前年を2%下回ったため、販売金額は前年比5%増の3990億USドルとなった。
スマートフォン販売:2014年第4四半期実績と2015年第4四半期実績
販売数量 (百万台) 販売金額 (10億USドル)
Q41 4Q415 Y/Y %change Q414 Q415 Y/Y % change
中南米 36.1 31.5 -12.7% 9.6 7.4 -23.3%
中央・東ヨーロッパ 21.4 22.2 3.6% 5.1 4.5 -10.8%
北米 57.0 56.4 -1.1% 25.6 23.9 -6.5%
APAC新興国 41.5 50.0 20.5% 7.5 8.1 8.0%
中東&アフリカ 37.7 42.1 11.7% 10.8 10.2 -4.8%
西ヨーロッパ 40.0 42.1 5.2% 17.2 17.0 -0.9%
中国 95.1 106.6 12.0% 28.8 33.5 16.3%
APAC先進国 17.3 17.4 0.3% 11.0 10.6 -3.8%
グローバル 346.1 368.1 6.4% 115.5 115.2 -0.2%
Source: GfK Point of Sales (POS) Measurement data in 90+ markets, Jan. 2016
GfKトレンド&フォーキャスティングディレクターKevin Walshコメント:
「2015年のこの結果は、すべての国を合わせてみたものである。各国の経済情勢、デバイスの飽和、政治、社会の変化、スポーツイベントなどがスマートフォンの需要や価格に与える影響は極めて大きい。」
APAC新興国*: 市場拡大が続く
APAC新興国はグローバルスマートフォン市場の成長をけん引した地域で、2015年第4四半期は数量前年比21%増を記録した。
国別に見ると、インドは数量前年比34%増と大きく成長した。特に100USドル未満の低価格帯は同76%増と成長が著しかった。ここにはスマートフォンを初めて購入する消費者の潜在需要が多く残されている。100USドル未満の占有率は2015年第4四半期では24%にとどまっている。
中国: 市場は二桁増に転じる
2015年第4四半期における中国のスマートフォン販売台数は数量前年比12%増となった。同市場では2014年第3四半期から4期連続でマイナス成長が続いていたが2015年第3四半期からプラス成長に転じている。1億660万台という今四半期の販売台数は記録的な数字であり、グローバルのスマートフォン販売の成長をけん引した。
価格帯別にみると、全ての価格帯でプラス成長となったが、特に500USドル以上の高価格帯へのシフトが顕著であった。同セグメントの構成比は第3四半期では15%を下回っていたが、第4四半期では18%に達した。この結果、平均価格は前年から4%上昇し、314USドルとなった。2015年第4四半期のスマートフォン販売金額は前年比16%増の335億USドルとなった。
LTE対応、大画面化は継続した。画面サイズ5インチ以上の数量構成比は2015年第4四半期では71%を占め、前年同期の53%から拡大した。LTE対応モデルは、2015年は数量前年比248%のプラス成長となったが、ほぼすべてがLTE対応になりつつあるため、2016年は同17%増にとどまると見込む。
価格競争力のあるローカルブランドはシェアを伸ばしており、2015年第4四半期では前年同期の69%から拡大し75%を占めた。
2015年通年における中国のスマートフォン販売は数量前年比2%減であったが、2016年は通信会社の補助の増額が見込まれており、これを後押しに、同3%増のプラス成長に転じると予測する。
中東&アフリカ: エジプトが飛躍
今四半期における中東&アフリカのスマートフォン販売は、成長の鈍化が見られるものの、数量前年比12%増となった。多くの国々がプラス成長となったが、中でもエジプトは同27%増と成長が著しかった。
中南米: 低下価格帯モデルへの需要増
中南米のスマートフォン販売はマイナス成長が続き、2015年第4四半期は数量前年比13%減となった。ブラジルがマクロ経済の減退に伴い同26%減となったことが大きく影響した。中南米におけるスマートフォンの平均価格は、低価格帯の需要増により前年同期を12%下回った。結果、2015年第4四半期の販売金額は前年比23%減の70億USドル規模にとどまった。
APAC先進国*: 需要は安定
2015年第4四半期におけるAPAC先進国のスマートフォン販売台数は前年並みであった。韓国は前年同期の販売水準が低かったこともあるが、数量前年比8%増となった。韓国がプラス成長に転じたのは、2013年第4四半期ぶりであった。一方で、日本はマイナス成長となっており、APAC先進国としては、前年並みの販売となった。
西ヨーロッパ: フランス、ドイツ、イギリスでプラス成長
2015年第4四半期におけるスマートフォン販売台数は前年比5%増。100USドル未満の低価格帯が同61%増と成長をけん引した。市場規模の大きいフランス、ドイツ、イギリスの販売が好調であったことが大きかった。
中央・東ヨーロッパ: ポーランドは大きく成長するも、全体では4%増にとどまる
中央・東ヨーロッパは数量前年比4%増となった。ポーランドが同36%増を記録する一方、政治や経済の問題からロシアは同7%減、ウクライナは同14%減となった。
スマートフォン販売: 2015年実績および2016年予測
Units sold (in mil.) Sales value (in bn. USD)
2015sales 2016forecast Y/Y %change 2015sales 2016forecast Y/Y % change
中南米 109.7 108.8 -0.8% 27.0 25.5 -5.7%
中央・東ヨーロッパ73.277.9 6.5% 14.8 14.5 -1.5%
北米 190.7 193.7 1.6% 77.9 77.2 -0.9%
APAC新興国185.2 227.0 22.6% 30.7 33.1 7.9%
中東&アフリカ162.4187.7 15.6% 42.0 43.3 3.0%
西ヨーロッパ137.1 142.3 3.8% 53.6 52.7 -1.6%
中国 385.3 397.2 3.1% 115.8 117.8 1.7%
APAC先進国64.8 65.5 1.1% 37.5 37.2 -0.7%
Global 1,308.5 1,400.2 7.0% 399.2 401.3 0.5%
Source: GfK Point of Sales (POS) Measurement data in 90+ markets for calendar year 2015 and GfK forecasts for calendar year 2016, as at Jan. 2016.
GfKトレンド&フォーキャスティングディレクターKevin Walshコメント:
「2016年は各国の状況の変化が市場に与える影響が大きくなるとみられる。成長の鍵となるのはAPAC新興国と中東&アフリカと予測する。2016年もグローバルのスマートフォン販売はプラス成長を予測するが、各国のトレンドやセグメントの状況を細かくみる必要性が高まるであろう。」
-ENDS-
-- 注記 --
※. 90カ国以上の市場から販売実績(POSデータ)を集計し、市場規模相当まで拡大推計した。なお、アメリカについては、独自の市場モデリング及び消費者調査を基に推計を行った。 また、販売金額は補助金を除く小売り販売額である。データは四半期毎に更新され、次回のリリースは2016年5月を予定。
※ リリース内におけるAPAC先進国・新興国には以下の国が含まれる。
APAC先進国:オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾
APAC新興国:インド、インドネシア、カンボジア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
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(日本語リリース:クライアント提供)
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