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【メルボルン(オーストラリア)2016年6月28日AAPメディアネット・インターナショナル=共同通信JBN】グローバルCCSインスティテュート(Global CCS Institute)のブラッド・ペイジ最高経営責任者(CEO)によると、毎年80億トン以上の二酸化炭素(CO2)の排出がエネルギー政策に狭く集中しすぎた気候変動論議で見過ごされている。
同インスティテュートは2つの新たな公開情報リポート( (リンク ») )を発表し、さまざまな産業分野における炭素の回収・貯蔵(CCS)技術の長期的利用に光を当てている。
CCSは1972年に、現在では年間2000万トン以上のCO2回収能力を持つ9つの大規模CCSプロジェクトの運用を誇っている分野である天然ガス処理に初めて適用された。
「産業用炭素の回収と貯蔵の紹介(Introduction to Industrial Carbon Capture and Storage)」リポート( (リンク ») )は、天然ガス処理、肥料製造、水素製造を含む分野にわたる17プロジェクトを概観している。
同リポートは8.5ギガトンに上る世界のCO2排出の4分の1(25%)がこれらの分野や鉄鋼、セメント生産、石油化学精製などの産業分野から生じていると強調している。
産業処理からの排出は、設置された場所で施設を動かすために使われるエネルギー源が何であれ不可避である。
ペイジCEOは「現在、これらの業界の脱炭素化を支援するためには強力な政策的サポートが世界的に必要である」と述べ、さらに次のように語っている。
「気候変動と真剣に取り組むには世界経済のすべての可能な分野からの排出を緊急に、偏見なしに減らさなければならない」
「鉄鋼とセメントは、低炭素エネルギー技術が製造される工場を含め、経済の進展を推進する重要なインフラを構築するために不可欠である」
「これらの分野を世界経済から簡単に”切り離して”、産業プロセスを通じて排出される数十億トンもの排出量にまだ対応できずにいる低炭素エネルギー源に移行させることはできない。CCSはこれらの排出を大幅削減できる唯一の技術である」
「電気自動車は再生可能エネルギーによって補給されるグリッドで充電することができるだろう。しかし、その自動車は金属、プラスティック、ポリマーなしではつくれない。工場、生産ライン、ツールなしではつくれない」
「CCSについてはすでに毎年数百万トンの炭素排出を削減している実証済みの技術があり、応用範囲は天然ガス処理、水素製造、肥料生産にわたるほど多様である」
第2のリポート「産業界のCCSハブとクラスターの理解(Understanding Industrial CCS Hubs and Clusters)」( (リンク ») )は、複数の小規模産業排出者がCCSを利用して排出量を減らすための共通インフラを構築することの経済的利益を検証している。
両リポートのダウンロードは、 (リンク ») 参照。
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grant.smith@globalccsinstitute.com
ソース:Global CCS Institute
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