「東南アジアのEC市場は新興段階にありますが、デジタル化に伴い、急速に進化しています。東南アジアにおける中所得者層の拡大に伴う購買力の増加や、安価なスマートフォンの登場、デジタルに敏感な若い世代の台頭によるスマートフォンやインターネットの利用者拡大が、EC市場の成長拡大の背景として挙げられます」と、フロスト&サリバンのデジタルトランスフォーメーション部門のコンサルタント、クリス・トランは述べます。
東南アジアのEC市場に参入する企業は限られている中で、参入企業間での競争は、プライスポイントや物流面から、「O2O:オンライン・ツー・オフライン」やロイヤリティプログラムといった新たな分野に移行しつつあります。東南アジアでは、アマゾンの様なB2Cのマス市場をターゲットとしたビジネスモデルでの収益化が難しく、2015年には企業の買収・合併(M&A)が行われたほか、市場撤退を決定した企業もあります。しかし、特定の分野に特化したECや、P2P(個人間)のECなどの有望な市場が多く存在しています。CarousellやTokopedia、Shopeeといった東南アジアで展開されるECサービスは、モバイルファースト戦略を推進し、将来的には旅行、食品や高級品の配達などの特定の分野に特化したサービスの提供が期待されます。
一方で、東南アジアのEC市場には同時に課題も存在します。シンガポールとマレーシアを除く東南アジアでは、クレジットカードの所有率は低く、一部の地域では人口の半数以上が銀行口座を持っておらず、ECの決済における最も大きな障害となっています。くわえて、不十分な物流インフラも、特にインドネシアやフィリピンといった海に面した国々において、大きな障害となっています。
「しかし、東南アジアのEC市場の将来的な見通しは明るいでしょう」と、トランは話します。物流インフラ面での課題については、aCommerceやSingPostといったサービスに向けた地元の物流会社による投資がなされており、ECの物流インフラ強化によるオンライン小売市場の成長加速が期待されます。「2015年の時点では、マレーシアとタイが東南アジアの中でも最も大きなEC市場であり、市場規模はそれぞれ23億米ドルと21億米ドルでした。しかし、2020年までには、ベトナムやインドネシアといった新興市場がこれらを追い抜くことが予測されるでしょう」と、トランは述べます。
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