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【レディング(英国)2016年9月12日PR Newswire=共同通信JBN】
*大規模パターンを最高2週間、(自然現象の)型の推移を最高4週間先まで伸ばし、大きなインパクトを与える気象現象の予報
*18キロメートルから5キロメートルまでの格子寸法で、3倍以上強化する世界的なアンサンブル予報解像度
欧州中期気象予報センター(European Centre for Medium-Range Weather Forecasts、ECMWF)は12日に発表した新しい戦略の下で、今後10年間で高いインパクトの気象予報の確率的技術を3日間から6日間の範囲で拡大することを確約している。
ECMWFは2025年までに、2016年1月に欧州北西部を襲った暴風など、大きなインパクトを与える気象現象を平均10日間、最高2週間まで先だって予報することを目指す。同様に2015年7-8月に欧州を襲った熱波など、大規模パターンの事象が発生に先立って平均3週間前に予報できるようになる。
このような進歩は研究の限界を押し広げ、地球の流動的領域を支配する物理的過程の予報と表象の初期状態に対するECMWFの描写改善のためにコンピューターで計算することによって実現される。戦略の正否のカギとなるのは、持続的な研究とコンピューティングの支援である。
ECMWFは新しい連動したデータ同化システムによる画期的な作業を続け、全ての時間スケールで予報を開始できるようにする。
ECMWFの新戦略が目指すものは以下の通り。
*世界的な「アンサンブル」予報システムの水平解像度を、現行解像度の3倍以上に相当する5キロメートルに強化する。
*大気、海洋、海氷、陸地、並びにエアロゾル、オゾンの間の複雑な相互作用をより良く考慮に入れ、改良された高解像度のアース・システム・モデルを開発する。
*将来のコンピューティング能力とビッグデータ問題に対応するため、数値天気予報(NWP)のコード化に向け、拡張性のあるアプローチを実行する。
ECMWFのフローレンス・ラビエ事務局長は次のように語った。
「われわれが計画している2015年の野望は、国際的なレベルを引き上げるものである。地球の天候に対して命を脅かす気候変動の影響がより強まっていることを考慮し、われわれは精度を高め、一連の予報をさらに進め、迅速に行うため、急激に進化しているデータ可用性とテクノロジーを利用する」
「ECMWFは、科学的分野で欧州と世界が協力し合う価値の素晴らしい例証であり、数十の諸国経済と数百万の人々の日常生活のために来る日も来る日も目に見える利益をもたらす組織である」
予報の改善は、台風、洪水、熱波など大きなインパクトを与える天候について事前に予告することを意味しており、国家による気象および緊急サービスを可能にする。
さらに、エルニーニョ現象など地球規模の異常は1年先まで予報できる。
このような進歩は、基本的に新しい科学とコンピューター計算手法を必要としており、それは国際的な専門知識とリソースを役立てることによって提供される。
ECMWFはまた、高性能コンピューター施設の提供を続け、同施設によって、エネルギー効率が良く環境的に持続可能な方法でイノベーションの恩恵が実現される。
ECMWFは独立系の政府間組織として1975年に創設された。同センターは人々に精度の高い天気予報情報を提供するため、34の会員国および協力国の国家的な気象サービスに必要とされるデータとサービスを提供する。
ECMWFは過去40年にわたり、天気予報の分野のリーダーとしての地位を確立した。最新のスーパーコンピューターによって、同センターは毎日平均して70基余りの衛星機器から送られてくる4000万以上の観測データを取り込んでいる。同センターは会員国と協力国、その他の気象組織と緊密に協力している。
▽編集者注意
(1)欧州中期気象予報センター(ECMWF)は独立系の政府間組織であり、1975年に設立され、34カ国に支えられている。ECMWFの中心的ミッションは、数値的な天気予報を作成し、予報能力を強化し、気象データのアーカイブを保持するために科学的、技術的な研究を実施している。
(2)2025年文書のロードマップは (リンク ») で入手できる。
ソース:European Centre for Medium-Range Weather Forecasts (ECMWF)
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