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【シュツットガルト(ドイツ)、ブレーメン(同ドイツ)2016年10月26日PRNewswire=共同通信JBN】自動車メーカーのボルクヴァルト(Borgward)がブレーメンに戻り、そこに製造施設を建設する。ボルクヴァルト・グループAG(Borgward Group AG)の最高経営責任者(CEO)、ウルリヒ・ワルカー氏はブレーメンで26日、「ブレーメンへの回帰によって、われわれは過去を未来とつなげ、ボルクヴァルトの歴史を書き続ける」と語った。ブレーメンはボルクヴァルトのかつての本拠地であり、このドイツ自動車メーカーは1920年代からドイツが「経済の奇跡」時代に入ってしばらくするまで、ボルクヴァルト、ロイト(Lloyd)、ゴリアト(Goliath)ブランドの自動車を約120万台生産した。新製造施設は2017年初めに着工される予定で、1年後の2018年に生産を開始する。
ボルクヴァルトのブレーメン回帰決定には、優れた国際港湾への物流コネクション、熟練労働者の雇用しやすさ、傑出した地域の部品産業などの客観的根拠に加えて、感情も大きな役割を占めた。ワルカー氏は「われわれはこの措置によって、産業立地としてのドイツと当社の遺産に対するコミットメントを明示している。本日は市、州、ボルクヴァルトの協力成功の始まりを期しており、もちろん、われわれの帰還は象徴的な重要性も帯びている」と付け加えた。創業者カール・F・W・ボルクヴァルト氏の孫でボルクヴァルト・グループAGの監査役会会長を務めるクリスチャン・ボルクヴァルト氏はワルカー氏と同様、ブレーメン回帰決定に夢中になっている。10年以上前、同氏はブランド復活のイニシアチブを立ち上げたが、その目的がいよいよ達成されることになった。ボルクヴァルト氏は「昨年のジュネーブでボルクヴァルト・ブランド復活を発表し、2015年のフランクフルトモーターショー(IAA)で高級モデルBX7を披露した。今春のジュネーブでBX5、BX6モデルを展示し、今度はブレーメン州に生産施設を建設すると決定した。祖父の仕事が今も続けられているということがどれほど感動的か、言葉では表現することができない」と話した。
生産施設の正確な場所は今後決定される。ワルカー氏によると、ボルクヴァルトは現在、生産提携先の候補、地主、ブレーメン州と詳細な協議を行っている。
ブレーメン州上院で経済問題を担当するマーティン・ギュントナー州上院議員は今回の決定について「ブレーメンに歓迎したい。ボルクヴァルトの決定を大変喜んでいる。自動車部門と物流の能力から、われわれにはボルクヴァルトを確信させる十分な理由がある。ボルクヴァルトの歴史がかつて誕生した地でアップデートされるという事実は、われわれ全員にとって特別なイベントになる」と話した。
ブレーメンには初期段階で50人から100人の雇用が創出される。ボルクヴァルトは年間最大1万台の生産能力のあるセミノックダウン(SKD)方式の製造施設建設を計画しており、第1段階では床面積約1万平方メートルの組み立てホールを建設する。その隣には同規模の屋外エリアができる。
ウルリヒ・ワルカー氏は「生産は当初から、ほかの欧州市場参入に際しいつでも需要に見合う生産台数とモデル数を調整、増加できる柔軟で組織されたものとして設計される」と説明した。ボルクヴァルトは生産台数増加に伴って従業員数を増やす。初期の投資はユーロで8ケタ規模になる。
ボルクヴァルトは発表に従い、欧州で電気SUVの販売を開始するが、ブレーメンで生産する1号モデルは全面電気駆動システムのボルクヴァルトBX7になる。ボルクヴァルトは、BX5シリーズなどの電気車、プラグイン・ハイブリッド車の製造も計画している。
▽新生産施設の指標としてIndustry 4.0を採用
ボルクヴァルトのブレーメン工場は当初から、Industry 4.0(第4次産業革命)標準に準拠する製造システム、プロセス、装備の技術的側面を基礎にする。施設のレイアウトはスマート工場に焦点を当て、計画される生産プロセスは高度に効率的で、増大する自動車製造の複雑性への対処が可能である。地元への付加価値の大きさは、まだ全面的に決まっていない。コンチネンタル、Kuka、シェフラー/SKF、ボルグワーナー、ベバストなどすでに発表された部品企業に加え、全電気自動車の生産ではボッシュが主要な役割を果たし、バッテリーはエレクトロニクス企業LGが主体になる。
ボルクヴァルトのブレーメン施設は中国の北京に近い密雲のボルクヴァルト工場と緊密に協力する。この工場も最新の西側標準に従って建設された。密雲工場は生産技術、品質管理、環境親和性、物流、ボルクヴァルトの現地従業員に対する社会的側面に関して、世界有数の現代的な自動車製造施設である。ボルクヴァルトはこの施設によって、資源保全、効果的な環境保護、高水準の品質の面で、中国の自動車生産がドイツに等しい標準を維持していることを示して成功を収めている大手競合各社に続いている。2016年半ばに操業を開始した密雲製造施設は、ボルクヴァルトが形成しつつある世界規模の生産ネットワークの拠点工場の役割も持っている。中国の工場はさまざまな市場、生産地のフィードバックと経験全体を収集、評価してソリューションを開発、次いでこの情報を関連ユニットに送り返す。これは継続的な知識移転を確保し、生産品質の継続的引き上げにつながるうえ、ブレーメン工場と欧州顧客の利益にもなる。
▽すでに売れ行き抜群のボルクヴァルトBX7
ボルクヴァルトBX7は世界的に人気のある大・中型SUVモデルである。車長4.70メートルの新型車は2016年6月に最初の市場、中国で発売されて以来、大ヒットになっている。中国では現在まで、約1万5000台を受注した。ベストセラーの新型SUVは、革新的な全輪駆動(AWD)システムと市場最先端のオンライン通信・エンターテインメント・システムであるマルチプル・インタラクションによって、中国の顧客に好印象を与えている。際立つ安全性はインテリジェントで包括的な乗員保護コンセプト、PROTECTが保証しているが、その先駆的な車両操作システムとドライバー支援システムは衝突防止に役立つ。最悪の場合、正確にきめられた変形ゾーンのある頑健な乗客コンパートメントと自動安全システムが信頼できる保護策を発動させ、事故が引き起こす被害を大幅に軽減する。
▽問い合わせ先
BORGWARD Group AG
Kriegsbergstrasse 11
70174 Stuttgart, Germany
Marco Dalan
Head of Global Communications
Telephone +49-711-365101041
e-mail media@borgward.com
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ソース:BORGWARD Group AG
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