門林 雄基氏によるコラム、【サイバーセキュリティが損なわれる原因を理解する(3)】を公開

奈良先端科学技術大学院大学サイバーレジリエンス構成学研究室を立ち上げた門林 雄基氏による、コラム連載を開始。https://www.accelia.net/column/resilience/

アクセリア株式会社 2017年11月29日

第4回:サイバーセキュリティが損なわれる原因を理解する(3)

「仕様や組み合わせ以外の脆弱性の心配がある」
 今回のコラムでも、前回 (リンク ») に引き続き、サイバーセキュリティが損なわれる原因について、あらためて解説してみたいと思います。
 前回のコラムでは、「出所不明のデータ」と「チェックの甘いプログラム」を組み合わせると脆弱になる、という例と、「重要情報」と「出所不明のデータ」をパソコン単体で混在して扱う、その組み合わせ方が脆弱なのだ、という話をしました。情報管理という言葉は、これまでは機密情報とそうでない情報を峻別して扱う、という意味で使われてきたと思いますが、これからは出所不明のファイルに潜むリスクを認識して、機密情報でなくても情報管理を徹底していきたいですね。

 ではソフトウェア脆弱性について、もう少し話を続けることにしましょう。前回までのコラムの内容をふまえて、仕様がしっかり練られたソフトウェアで、組み合わせに気をつければ脆弱性の心配はないのでしょうか?


「最新の脆弱性研究の動向を把握している開発者は少ない」
 ソフト開発会社にとって不都合なことに、ほとんどの作りたてのソフトウェアにはバグが含まれています。そして、バグがあるソフトウェアというのは、バグを「ある方向に」発現させることができれば脆弱なソフトウェアになります。この「ある方向に」というところは技術的にとても深い領域であり、一見軽微に見えるバグを情報漏洩やサービス停止につながる深刻な脆弱性に転化させてしまう技術研究(脆弱性研究)が世界中で活発に行われています。残念ながら、このような脆弱性研究はセキュリティ専門家の領域だと考えられていて、ソフト開発会社で働いていても、最新の脆弱性研究の動向を把握している開発者は少ないのです。

 もちろん、ソフト開発者もテストをします。ユニットテスト、結合テスト、などの言葉は、ソフト開発を外注した方なら必ず耳にしたことがあるでしょう。しかし、ソフトの作り手が自分たちの目線で作ったテストには、必ずといっていいほど、作り手の想定に基づいて都合のいい仮定が置かれています。「このシステムの入力は画像ファイルである」「入力は50文字以内である」「乱数は予測できない」等々。。本当でしょうか。

 残念ながら、セキュリティ専門家はこういった仮定を聞いただけで、脆弱性が発現しそうな条件をただちに思い浮かべることができます。
 理想的には、ソフト開発会社にもセキュリティに詳しい人がいて、こういった雑多な脆弱性を未然に潰しておくことが望ましいのですが、そのような真の意味での熟練開発者はまだまだ足りない状況です。

 理想を追うのはやめにして、ここは現実を直視しましょう。ソフト開発会社はソフトウェアの機能や性能を追求するのがどうやらミッションだとすると、ソフトウェアの安全性を追求する仕事は別の会社に頼まなければなりません。
 というわけで、ここ10年ほど、脆弱性検査が専門業務としてひろく認知され、ビジネスとしても引っ張りだこの状況です。

 ソフト開発会社が「テストしました」というとき、それはユニットテストや結合テスト等を指しており、ソフトウェアの機能や性能が目的に合致していることを確かめているにすぎません。仕様書に「セキュリティテストまでちゃんとやれ」と書いていれば別ですが、費用や納期を考えると難しいことも多いでしょう。
 そもそも、ソフトウェアの作り手が万能であると信じるのは無理があるというものです。セキュリティも考えましたよ、と言われても鵜呑みにするのは危険です。前々回のコラム (リンク ») や前回のコラム (リンク ») を読んで、「チェックの厳しいプログラミング言語」を使って、「出所不明のデータ」の取り扱いに気をつけていれば、セキュリティについても「頑張った気になる」人もいますから。もちろんそれだけでは甚だ不十分です。
 餅は餅屋で、最新の脆弱性研究の成果をふまえた脆弱性検査をやってもらえるよう、セキュリティ専門家に依頼すべきでしょう。


・・・ここから先は、アクセリア株式会社で公開中のコラム本編でご覧ください。
(リンク »)


【門林 雄基氏のコラム】
・第1回:サイバーセキュリティに求められるバランス感覚 (リンク »)
・第2回:サイバーセキュリティが損なわれる原因を理解する(1) (リンク »)
・第3回:サイバーセキュリティが損なわれる原因を理解する(2) (リンク »)

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