「整合回路は、RFチェーンの様々な部品で使われている重要な回路で、無線装置の性能(周波数範囲やバッテリー寿命など)を大きな左右しうるものです。整合回路の設計とチューニングは通常手間のかかる作業ですが、使い勝手のよいOptenni Labを使用すれば、高周波回路やアンテナシステムの設計工程で、整合回路の合成と最適化を直感的かつ迅速に実行できます。Optenni社とは何年も前から充実した協力関係を築き、FEKO®の補完ツールとしてOptenni Labのライセンスを別途販売してきましたが、この度その関係をさらに発展させ、Optenni LabをAPAに追加することになりました。既存ユーザー様は、追加ライセンスを購入することなく、お持ちのHyperWorks Unitsライセンスを使ってOptenni Labをご利用いただけるようになります。これにより、Optenni Labの活用が、IoT、自動車、航空宇宙、防衛、エレクトロニクス、通信をはじめとする広範な産業へと広がっていくことでしょう。FEKOとOptenni Labは双方向のデータの授受が可能です。FEKOを使って整合前のアンテナのインピーダンスデータをシミュレーションし、そのデータをOptenni Labへと引き継げば、最適な整合回路を合成したり、複数のトポロジーを比較検討したり、様々なコンポーネントベンダーのリアルなライブラリモデルを使用したりできます。整合回路の設計が完了したら、データをFEKOのモデルに戻します。Optenniは一般的にアンテナの整合回路設計に使用されていますが、低ノイズパワーアンプやマルチプレクサの整合回路設計にも対応できます」と、AltairのDirector of Global Business Development, Electromagnetic Solutionsを務めるJordi Soler(Dr.)は述べています。
Optenni Labでは、コンポーネント間の損失やアンテナの放射効率を考慮に入れながら整合回路を最適化し、ブロードバンドおよびマルチバンドアンテナの全体効率を最大限に高めることができます。また、アンテナのカップリングやアイソレーションを加味して、マルチアンテナシステムの全体効率を最適化する整合回路を設計することも可能です。マルチポート機能を使うと、Bluetooth、RFID、NFC、ワイヤレス充電の全体のエネルギー伝達効率を最大化できます。さらに、チューナブル / 切替型整合回路の設計・最適化のための独自機能を搭載しているため、チューナブル整合回路および固定型整合回路のどちらの最適値も割り出すことができ、すべての運用周波数帯域での効率の最大化を図ることができます。低ノイズアンプやパワーアンプの整合回路を設計する場合は、ノイズ、電力、効率のいずれかが最適となるようなインピーダンスの理想値(調波周波数でのインピーダンス値を含む)を指定できます。Optenni Labでは、モバイルデバイスの最新のマルチバンドフロントエンドモジュールに使われているクアッドプレクサや5つ以上の入力を持つマルチプレクサの設計も迅速化できます。
OptenniのCEOであるJussi Rahola氏は、「当社は、FEKOの開発と販売に長年携わり、アンテナ開発のための、使いやすい包括的な整合回路設計ソリューションを販売・サポートしてきました。Altairパートナーアライアンスに加わることができ、嬉しく思います。この度のパートナーシップの発展は、Altairの販売ネットワークを通じて世界的な大企業に当社製品を販売できる機会が増えることから、戦略的に有意義なものであると考えています」と述べています。
Optenni Labは主に、ハンドヘルドデバイス(スマートフォンやタブレットなど)のアンテナシステムの設計や、車載無線機のアンテナの設計に使われています。アンテナはデバイスのカバーと一体化されているか、回路基板にプリントされていることが多いため、形状や接地板は通常機械的設計の制約を受けます。高周波電磁(EM)シミュレーターとOptenni Labを組み合わせて効率的な設計フローを実現することで、アンテナ形状と整合回路の最適化を同時に行えます。整合回路を実装する前に、プロトタイプでの測定を行い、その測定値を使用して整合回路を合成すれば、EMシミュレーションの潜在的な誤りを簡単に修正できます。こうすることにより、EMモデルの正確さ要件に柔軟に対応し、デバイスの機械面や材料面の土壇場での変更に対応できます。
Optenni Labの具体的な適用例としては、スマートフォンが挙げられます。昨今では高速通信のニーズの高まりにより、スマートフォンにアンテナチューナーを実装する必要が出てきていますが、Optenni Labにはアンテナチューナー最適化用の機能が搭載されています。Optenni Labは、セルラーネットワーク基地局などで使用されるRFパワーアンプ(PA)の出力整合回路の設計など、ワイヤレスインフラストラクチャーの設計分野にも浸透し始めています。出力整合回路を適切に設計すれば、アンプ効率を数%単位で向上させ、電力消費量の低減やカバレッジの向上を達成でき、運用費用の削減に直接貢献できます。Optenni Labなら、重要な整合回路の設計業務を大幅に迅速化できます。
Optenni社の紹介ウェビナー(録画)は (リンク ») でご覧いただけます。ソフトウェアの詳細については、Optenni Labの製品ページをご覧ください。
用語解説
Altairパートナーアライアンスについて
Altairの企業向けHyperWorksプラットフォームでは、企業全体でソフトウェアライセンスを共有する、登録ベースのライセンスモデルを採用しています。顧客は共有ライセンス(レンタル)を利用して、Altairが開発したさまざまなソフトウェアやサードパーティ製ソフトウェアアプリケーションに、必要に応じてアクセスすることができます。Altairパートナーアライアンスによってパートナー企業のアプリケーションを新たに追加してHyperWorksプラットフォームを拡張することにより、Altairは、20以上の自社開発ソリューションを含め、実質的に60以上のアプリケーションを提供しています。ユーザーは取得済みのHyperWorks(レンタル)ソフトウェアライセンスを使って、サードパーティ製を含むすべてのアプリケーションを追加料金なしで利用することができます。比類ない柔軟性と便利なアクセス機能を備えたAPAを利用すれば、ソフトウェアを最大限に活用し、生産性と投資対効果(ROI)を最大限に高めることができます。Altairパートナーアライアンスの詳細については、www.altairhyperworks.jp/APAHomeをご覧ください。
Optenni社について
Optenni社は、RF回路設計の難題を解決できる専門的なRF整合ツールを提供し、各方面から厚い信頼を得ています。ワイヤレス産業の大手企業と協力し、顧客主導のイノベーションやパートナーシップにより、新しい整合回路設計ツールを開発しています。Optenni社の主力製品であるOptenni Lab™は、整合回路の設計と最適化のための専門的な機能を搭載した先進的なソフトウェアです。ブロードバンド / マルチバンド / マルチポート / チューナブル整合回路のリアルなコンポーネントモデルを用いて、整合回路を自動的に最適化できます。
Altairについて(Nasdaq:ALTR)
1985年に設立されたAltairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2,000人を超える従業員を擁するAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、24ヵ国に69以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、www.altairjp.co.jpをご覧ください。
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