西江の旅の足跡は、20代のはじめ、早稲田大学在学中に参加した「アフリカ大陸縦断隊」にさかのぼります。現在のモザンピークから南アフリカ、タンザニア、ケニアなどを経て、「悪霊も逃げ出す土地」といわれたソマリアを単独で縦断。さらに、ジプチからエチオピアへと足をのばし、海を越えてアラビア半島にわたり、イエメンのアデンへ。アデンやソマリアでの旅は、10代半ばの西江がとりつかれようにして読んだフランスの詩人ランボーが詩を捨てた後に暮らした世界とも重なって、とりわけ強い印象を残したようです。
人生を変えたアフリカとの出会い。その後、半世紀あまりにわたって、ビジン・クレオール諸語(異国語接触により形成されることがあり得る新しい言語)の日本における先駆的研究者として知られた西江が滞在した土地は、アフリカ大陸、インド洋、カリブ海域、南米、オセアニアなど、各地に広がってています。人間がつちかってきた伝統的な暮らしが、かってないほど急激に変化した時代。図らずも、その目撃者となった西江の眼がとらえた、かけがえのない一瞬をかんじていただきたい写真展です。
今回の開催にあたり、困難な写真プリントを現代美術作家の多田正美氏が担当。その多田氏の技術と配慮によって、もとのフィルムの味わいをいかした素晴らしい写真が生れています。
西江雅之写真展 「異郷」
会期:2019年6月30日(日)~8月31日(土)
開催場所:ツム・アインホルン (Restaurant Zum Einhorn)
港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル地下1階
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Tel:03-5563-9240/9387
地図: (リンク »)
昼11:30~15:30 夜17:00~22:000 (日曜、祝日は休み)
※土曜日は夜のみ
※レストランですので、メニューからのご注文をお願いしています。
西江雅之
1937年東京生まれ。文化人類学・言語学者。 早稲田大学大学院修了後、フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学大学院で学ぶ。世界各地で土地の人びとの交流を重ね、言語と文化の研究に従事。生活と研究の両面で独創的な態度をつらぬき、飾る気のないその人柄から「裸足の学者」と呼ばれた。
著書:『花のある遠景』『異郷の景色』『ヒトかサルかと問われても(半生記)』『食べる』『アフリカのことば』『異郷日記』など。
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