英国ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング、 量子化学分野における画期的な成果を達成

VQEを “離陸” させ、量子コンピュータによる 励起分子のシミュレーションに向けた効率的な手段を提供

クオンティニュアム株式会社

2019-12-19 16:00

量子コンピューティング技術のグローバル先端企業、ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・リミテッド(Cambridge Quantum Computing Limited、CEO:イリアス・カーン、本社:英国ロンドン市、以下CQC)は本日、量子化学の重要な画期的成果を発表しました。これは、エネルギーや製薬といった分野での新材料探索という、人類の探求における極めて重要な領域において、量子コンピューティングの商業化を強化および促進するものです。

エネルギー吸収時における原子と分子のふるまいを高精度でシミュレーションすることは、効率的なソーラー・パネルなどの先端材料の開発に不可欠です。量子コンピュータはこのようなプロセスにおいて、現代の古典コンピュータの能力では実現できない、非常に高精度なシミュレーションの手段を提供します。よく知られているVQE(Variational Quantum Eigensolver、変分量子固有値ソルバー)などの量子アルゴリズムは、現行の量子デバイス上でうまく実行できる一方で、今までは,最低エネルギー状態での電子のシミュレーションに限定されていました。たとえば太陽光がソーラー・パネルにぶつかって電子を励起し、電気を発生させる状況のモデル化には役立ちません。こうしたいわゆる「励起」状態のシミュレーションを行うためには、最低エネルギー状態のVQE計算を実行してから、励起状態のために設計された他のアルゴリズムを適用する必要があり、貴重な計算資源を消費します。

科学者のDavid Muñoz RamoおよびGabriel Greene-Diniz率いる、ケンブリッジを拠点とするCQCのチームは、まさに上記の問題を打開する、画期的な成果を記した科学論文(プレプリント)を発表しました。CQCは「Calculation of excited states via symmetry constraints in the Variational Quantum Eigensolver(VQEにおける対称性制約による励起状態の計算)」という最近の記事において、先に最低エネルギー状態を計算する必要性を回避しつつ、特定の分子の励起状態を直接計算するためのVQEのアルゴリズムの改変がどうすれば可能かを,初めて示しました。これにより、産業的に関心の高い多くの分子に対する励起状態の計算効率が向上し、次世代の材料開発に向けた重要かつ決定的な第一歩を踏み出すことができます。CQCは、独自の量子化学計算向けエンタープライズ・ソフトウェア・プラットフォーム「EUMEN」を通じて、この画期的進化をいちはやく活用していきます。

科学論文の全文はこちらよりお読みいただけます。(英語)
(リンク »)

以上

ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングについて
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(CQC)は、世界をリードする量子コンピューティング・ソフトウエア企業です。ケンブリッジ(英国)、サンフランシスコ、ロンドン、東京のオフィスに、35人の博士号保有者を含む60人を超える科学者を擁し、世界中に大きな影響を与える量子技術の商業化ツールを構築しています。

CQCは、量子ソフトウエアにおいて、とりわけ量子開発プラットフォーム(t|ket> TM )、量子化学分野のエンタープライズ・アプリケーション(EUMEN)、量子機械学習(QML)、及び量子サイバー・セキュリティー・デバイス(IronBridge TM)などを提供する専門知識を有しています。
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・ジャパン株式会社は、その日本法人です。
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングの詳細については、www.cambridgequantum.com を参照ください。
t|ket> TMの詳細については、 (リンク ») をご覧ください。

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