金沢工業大学
西日本電信電話株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティング アクト
金沢工業大学とNTT西日本グループ
コーオプ教育によるデータサイエンティスト養成講座の開始及び協定締結について
金沢工業大学(学長:大澤 敏)、西日本電信電話株式会社 金沢支店(支店長:小川 成子、以下、NTT西日本)、株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティング アクト 北陸支店(支店長:國本 裕久、以下、NTTマーケティングアクト)はデータサイエンティスト※1養成を目的とした産学協同教育(以下、コーオプ教育※2)実施に関する協定を本年4月7日に締結致しました。
※1 データサイエンティスト:データを用いて価値を創出し、企業や社会の課題に答えを出す人材
※2 コーオプ教育(Cooperative Education、COOP教育):米国発祥の産学協同教育。詳細は添付の別紙1を参照。
1.協定締結に至った背景
金沢工業大学とNTT西日本は、昨年3月に「Society5.0社会に向けた次世代教育環境の構築に関する連携協定」※3を締結し、Society5.0社会をリードする人材育成について議論を進める中で、ビックデータを活用した新たなビジネス・イノベーションの創出ができる人材「データサイエンティスト」の育成が不可欠・急務と考え、両者が連携した「コーオプ教育」を実施することに合意しました。
本教育はWACE※4が進める世界標準「CWIE(Cooperative & Work-Integrated Education)」に準拠し、NTT西日本の技術者を「実務家教員」として実務経験に基づく講義を行うとともに、NTTマーケティングアクトが運営する「LINKSPARK Voice Of Customer Support Center」※5にて実際の業務に従事しながら、AI音声認識技術やデータ解析技術を活用した分析・コンサルティングビジネスを実践的に学べる教育を実施致します。
なお、本取り組みは金沢工業大学初の取り組みとなります。
※3 金沢工業大学とNTT西日本 Society5.0社会に向けた次世代教育環境の構築に関する連携協定締結について
(リンク »)
※4 WACE(世界産学連携協会):約1,000の教育機関、企業、団体からなる非営利組織で、教育機関と産業界が協働して行うCWIEの展開、拡大、ブランディングを行う唯一の国際機関
※5 企業のあらゆるお客さま接点におけるカスタマーエクスペリエンス向上、デジタルトランスフォーメーション推進に向けた、VOC特化型共創拠点「LINKSPARK Voice Of Customer Support Center」の開設について
(リンク »)
2.取り組み内容
主な取り組み内容は次のとおりです。
(1)NTT西日本による寄附講座の実施
(全8回 実施時期 2020年5月~7月)
(2)NTTマーケティングアクト「LINKSPARK Voice Of Customer Support Center」に学生の就業
(約4ヶ月間 実施時期 2020年8月~11月)
3.今後の展開
・ 社会課題解決による地域の発展に向けた産学官の取り組みへの展開
・ データサイエンティストの育成に向けた共創ラボを設置し、さらに共創的プラットフォームへの発展をめざす
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
【国内初。データサイエンティスト養成コーオプ教育】
NTT西日本の企業技術者を「実務家教員」として招聘し
データサイエンティスト養成に向けて世界標準のコーオプ教育を
令和2年度から産学連携体制にて実施。
問題発見解決型カリキュラムの主柱「プロジェクトデザイン教育」の発展形を目指す。
金沢工業大学とNTT西日本は、Society5.0をリードする人材育成に向けて連携を進めてきました。この連携は、ビッグデータを解析するデータサイエンティストの養成を目指しています。
この取組をさらに発展させるため、金沢工業大学では、NTT西日本の企業技術者を「実務家教員」として招聘し、同社が持つ最先端のデータ解析技術を、実際の業務に従事しながら実践的に学ぶ「KITコーオプ教育プログラム」を令和2年度から開始します。世界産学連携教育協会(WACE : Advancing Cooperative & Work-Integrated Education 本部:アメリカ・ボストン)の世界標準コーオプ教育(CWIE:Cooperative & Work Integrated Education)に準拠した国内初の試みです。
【本取組の特徴と目的】
本取組は、「育成する人材像」を大学と産業界がその価値を共有し、人材育成のため緊密な連携のもと、WACEの定めるCWIEに準拠したコーオプ教育を実施するものです。
ここでは、求める人材であるデータサイエンティストの養成をより具現化するため金沢工業大学のオリジナル教育プログラムであるプロジェクトデザイン教育(PD教育)による問題発見解決能力を基盤とし、加えて、企業の第一線で活躍する技術者を実務者教員として招聘した事前学習(講義)とコーオプ教育(就業:実践)により、「基礎」「応用」「実践」のプロセスを統合した教育プログラムを企業と協同開発し、それを実施していきます。
本取組を通じて、日本の産業界と大学との協同による新たな人材育成モデルを創出し、この創出モデルをもとに更なる共創教育の充実を図ることにより、将来有意な人材を輩出するとともに、世界のイノベーションをリードする人材を育成していきたいと考えています。
また合わせて、Stanford Research Institute International (SRI International)など、国際的な研究機関等との連携によるイノベーション人材育成を図り、Society5.0社会、SDGsを推進する「テクノロジー」、「マネジメント」、「イノベーション」という視点から、「好奇心」、「多様性」、「共感」、そして「デザイン・アート」をキーワードに、どのような未来が描けるのか? を提案できる、心豊かな人間中心の社会が創造できる人材の育成を目指します。
【本学におけるコーオプ教育の位置付け】
金沢工業大学ではイノベーション力のある「自ら考え行動する技術者」の育成に向けて、「プロジェクトデザイン教育」とよぶ社会実装型のプロジェクト教育をカリキュラムの柱に据えています。プロジェクトデザイン教育は、ユーザーの視点から何が求められているのかを考える「デザイン思考」や世界標準の工学教育である「CDIO」(Conceive 考え出す、Design 設計する、Implement 実行する、Operate 操作運用する)を取り入れた金沢工業大学オリジナルの理工系PBL(Project Based Learning 問題発見解決型教育)です。
Society5.0をリードする人材育成に向けて、企業の開発現場で活躍する企業技術者に学生の研究指導を担当していただく「実務家教員を起点とした深い産学連携」や、複数の専門分野を学ぶ「6年制メジャー・マイナー制度」、AIを問題発見解決に活用できるようにする「全学的な情報技術教育」を実施する取組も令和2年度より開始します。
このたびNTT西日本と協同で行う「KITコーオプ教育プログラム」は、こうした金沢工業大学の問題発見解決型カリキュラムのさらなる発展形として実施するものです。
【KITコーオププログラムの概要】
大学院科目として「コーオプ教育プログラム」(4単位)を設けるほか、金沢工業大学大学院進学予定の学部4年次を対象にコーオプ教育に関する事前講座を開講します。
NTT西日本との間で実施するKITコーオププログラムの概要は次の通りです。
NTT西日本が寄附講座として生涯学習特別講義「ICT×データサイエンス」(選択科目1単位)を5月13日(水)から7月1日(水)までの毎週水曜日の3限目(13時15分~14時55分)に開講します。NTT西日本において第一線で活動するデータサイエンティストが教壇に立ち、NTT西日本グループの様々な分野でデータ分析に取組むデータサイエンティストの事例紹介や、製造分野や観光業におけるデジタルデータビジネスの実例を通じた課題解決のプロセスを講義と演習で学びます。
さらに本科目受講者の中からコーオプ教育としてNTT西日本が最大2名の学生を選抜。選抜された学生は、AI技術を活用した音声認識システムによりテキスト化された顧客の声を、専門アナリストが網羅的に分析し、企業戦略や施策立案に活かすコンサルティングを実施する専門センタであるNTTマーケティングアクトが運営する「LINKSPARK Voice Of Customer Support Center」に、8月から12月までの4か月間勤務し、NTT西日本から依頼された案件に従事します。
LINKSPARK Voice Of Customer Support Centerでコーオプ教育に従事した学生は、大学院生の場合は大学院科目「コーオプ教育プログラム」(4単位)の単位として認められます。また参加学生が学部4年の場合は、卒業研究に相当する「プロジェクトデザインIII」の活動の一環とすることができます。もしくは、金沢工業大学大学院進学後は大学院科目「コーオプ教育プログラム」(4単位)にあてることができます。
【コーオプ教育について】
コーオプ教育(Cooperative Education、COOP教育)は米国が発祥の産学協同教育です。インターンシップが、企業により策定された職場体験に短期間、無給で参加するのに対し、コーオプ教育ではプログラムそのものを大学が主体となって作成し、学生が企業で実際の業務に長期間従事します。その間の給与も企業により支払われるのも大きな違いです。
大学にとっては、NTT西日本と産学協同で実施するデータサイエンティスト養成プログラムのように、実社会のビッグデータを使った課題発見、解決に学生が取組むことで、データサイエンティストとしての理論と実践の両面を効率的に学べる理想的な教育プログラムとなっています。
世界産学連携教育協会(WACE)は世界52カ国、約1,000の教育機関、企業、団体からなる非営利組織で、グローバル人材育成に向けて教育機関と産業界が協働して行う産学連携教育・CWIEの展開・拡大を行う唯一の国際機関です。金沢工業大学はこのWACEに加盟しており、その認定を受けたCWIEとして取組んで参ります。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。