● 新技術により、既存品比で2倍以上となる世界最高水準強度の導電用アルミニウム合金線を開発しました
● 優れた疲労特性に加え、接続性や成形加工性も備え、運動や張力を伴うケーブルの導体に適します
● 通信の大容量化が進むIoTや運動を伴うロボット関連分野で、多様な技術の発展に貢献します
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は世界最高水準の高強度を示す導電用アルミニウム合金線材を開発しました。これまでは難しかった運動や張力を伴う用途までアルミニウム合金導体の適用範囲が広がり、省エネ化や設備の簡素化などの軽量化効果を実現します。
■背景
導電用アルミニウム合金は、構造用のアルミニウム合金よりも導電性や耐食性に優れた合金です。送配電線から使用が始まり、近年では自動車用ワイヤハーネスなどに用途を広げています。今後は、通信の大容量化が進むIoTやロボット関連分野の運動を伴うケーブルでも、軽量化効果の高さからアルミニウム合金導体の適用が求められています。そのためには、強度特性や金属疲労への耐性の向上が求められていました。
■内容
銅合金の開発などで培ってきた先端のメタル技術を適用し、既存品比で2倍以上となる世界最高水準の材料強度(線径44μmにて719N/mm2の引張強度)まで高められる導電用アルミニウム合金線を開発しました。更にこの材料を応用し、高い疲労特性(図1)および、撚り加工性、端子接続性、展延性などの成形加工性と両立させることに成功しました(図2)。そして、信頼性への要求が最も厳しいエレベータ用ケーブルに本アルミニウム合金線材を適用した評価では、高い強度特性を反映し、既存の銅導体製ケーブルの6倍以上もの優れた屈曲寿命(900万回以上の繰り返し回数)を示しました。
本開発において、金属材料技術は古河電工、伸線技術は東京特殊電線株式会社、ケーブル技術は理研電線株式会社、接続技術は古河AS株式会社と、古河電工グループ企業が保有するコア技術を融合することにより、独自性のある開発を短期間で実現しました。新規の材料特性を活用した用途の探索を更に進め、2021年度からの本アルミニウム合金線材のサンプル出荷を開始します。銅合金を含めた豊富な素材レパートリーから、今後もお客様への最適解を提案してまいります。
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■展示会出展情報
第7回高機能金属展 当社ブースにて展示する予定です。
会期:2020年12月2日(水)~4日(金)
会場:幕張メッセ
ブース:No. 5-52
■用語
・引張強度
破断するまでに要した力によって求められる機械的強度。
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。」を基本理念に掲げて、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を軸に、事業活動をしています。さらに、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、当社グループの事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定し、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。
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